表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/83

俺ではなく装備がチートになった件

地下95階層から四足歩行型の地竜が徘徊し、地下99階層からは小型のワイバーンが出るようになり、地下99階層のボスはホームページの情報では、小さい羽根を持った空を飛ばない赤い地竜『レッドドラゴン』が相手のはずだった。

レッドドラゴンは固い鱗と鋭い牙・爪・尻尾、強靭な四肢を持ち、そのブレスは灼熱の炎で並の装備で、すぐに壊れてしまう。

攻略法としては、ブレスは魔法の盾や、魔力で強化された魔法銀『ミスリル』の防具で防ぎ、ミスリルの武器を使って攻撃、又は氷属性魔法での攻撃でダメージを与えていくしかなかった。

但し火属性魔法を間違って当ててしまうと、その魔法はレッドドラゴンにとっては、回復魔法となり体力と傷をいやしてしまう。

したがって、攻撃と防御をバランスのとれた、それで尚、高レベルの氷属性魔法の使い手をそろえるかが、レッドドラゴン攻略のカギとなって、残念ながら火属性魔法オンリーの魔法使いは、足手まといとなってしまった。


現在の俺の装備は、防具は最初から使っている農作業用のツナギと安全靴以外は、俺が自分自身で作った、オーダーメイドのミスリルの防具で身を固め、武器は同じくオーダーメイドの魔法金『エルドラ』のロングソードを装備している。


アイテム魔法レベル3『錬成』『設定』、レベル4『属性付与』、この3つのスキルは魔法と言うより、鍛冶、錬金術に近い魔法で、おそらくスクロールで体得できる魔法の中では、戦闘職ではなく生産職の魔法だろう。

アイテムボックス内で、鉱物資源からレベル2『分解』と『合成』で特定の鉱物、この場合は銀と金を取り出し集める。

集めた銀・金をアイテムボックス内で『錬成』を使って防具・武器の形を作り、それぞれに無属性魔素を限界まで『付与』を使って、アイテム解析でミスリル・エルドラに進化するまで強化を行って、俺は専用の武器をそろえてきた。

ミスリルヘルメット、ミスリルの盾、ミスリルの胸当て・腰当、ミスリル繊維で出来た軍手とツナギの裏地、安全靴の外側に穿くレッグウォーマー、これらが俺の命を守っている。


ミスリルは魔法金属の中でも優秀で、攻撃魔法に対する防御力は優秀で、更に軽量と良いとこずくめ金属だが、只でさえ希少な銀の中で0.数パーセントのドロップ率と言う低さと、実際に加工する難しさ、武器・防具としてドロップする確率の低さがネックだった。

しかし魔石火力発電の炉心内部のコーディング素材として、現在は政府・企業が買取に力を入れている為、買取価格が高騰しているので、民間探索者達はミスリルのドロップに一攫千金の夢を描いている。


魔法金属エルドラが偶然、アメリカと日本で数百gずつドロップし、鑑定と科学検査で発見され、その物理学的非常識さに世界は驚いた。

ミスリル以上の魔法防御、物理防御を持ち、現在の地球の技術では傷一つ付けることが出来ず、金より明らかに小さい質量と重い密度、金より輝く光沢、それはまるでギリシャ神話に出てくる、オルハルコンの様な魔法金属で、黄金郷エルドラドからエルドラと名付けられた。

俺は『付与』を身に着けた時、もしかしてと思い金を魔素付与を極限まで強化したら、エルドラに変化いや進化したので、99階層までに集めた金を全て、『エルドラソード』を製作し俺専用に『設定』した。

現在アイテム魔法の所持者で、レベル4まで体得していてレベル3『アイテム解析』を持っている人数はどれだけいるかは、分からないが近い将来、俺を含むアイテム魔法所持者に変化があるのは間違いないだろう。



地下99階層のボス部屋で待っていたのは最初は、ホームページの情報通りの赤い羽根付きの四足歩行のトカゲだった。

だけど解析で身に覚えのある称号を見た時から、いや~な予感がしてきたんだよな。







裏話

オルハルコンって文字数が長いのでエルドラに変えました。

架空の魔法金属です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ