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目の前に在るのは過去

主人公の設定は若干、暗いです。

高校1年の初夏に亡くなった爺ちゃんの話だと、俺が5歳の時に亡くなった、年寄りのばあちゃん(ひいばあちゃん)は、幼かった俺の事を、「この子みたいな子供なら、もう一回、産んで育ててみたい。」と言っていたが、それは買い被りだと思ったし、今でもそう思っている。


地下40階層ボス部屋 入り口


地下40階層を魔法の実戦・訓練・魔法使用回数の確認などで、3回にわたって探索し、残すは今、話題のボス討伐を残すのみとなった。

だけど、俺は正直ビビッている、俺とは違い、厳しい訓練をして、ダンジョンの探索の最先端をしてきた、某国の軍隊が全滅させた敵が、この真っ黒な入り口の先に、いるのだから仕方がないと思う。




小学校に上がる前までは、俺は周りの友達と比べて足が遅いだけで、みんなと同じだと思っていた。

初めておかしいと思ったのは、算数での足し算で一の位から十の位に桁が上がる際に、どうして数字が一つから二つに桁が繰り上がるのかが不思議だった。

国語では、どうして「山」と言う漢字は、「やま」と「さん」と二つの言葉で読むのか。

他の教科でも今になって、思えばくだらない疑問でに興味を持って、それに気になって勉強が捗らず、最初の一学期から酷い成績で、父から拳骨を貰って泣いたのを覚えている。

小3位になると、自分が覚えるのが苦手と自覚してきたので、予習して授業の先を覚えて、授業を受ける事によって成績も人並みになった。

家で勉強す時間があった為、テレビの話題についていけなかったが、休み時間や放課後は友達と一緒に遊んだりして、12年間の学生生活の中で、小学校の時が一番に充実していたと思う。

小6の時に、僅かではあるが周りの空気に、何だか自分だけ皆から置いて行かれる、そんな雰囲気を感じながら中学生になった。


中学に上がると、小学校と違って先輩・後輩の体育会系の雰囲気、他の小学校出身者の同級生との人間関係、中学校から習い始める新しい教科、これらの様々な変化に苦労しながらも、俺は皆に置いて行かれまいと、家では予習と復習の日々、学校では授業を真面目に受け、新しい友達と休み時間には遊んだりと、普通の中学1年生の一学期だったと思う。

そんな中学校生活は最初の中間テストで終わりを告げた。

毎日2時間の自宅学習をしたのに、中間テストの俺の点数が平均50点だったが、他のクラスメイトは全員70点以上で、クラスで一番、成績が悪かったのだ。

俺はこの事を、家族に話したら、お父ちゃんは怒って俺に拳骨をした。

あんちゃんは俺に自分が、週2日、通っている駄菓子屋に隣接している、私塾に通わないかと誘ったが、同じクラスの子もいたし、以前から聞いてたあんちゃんの話だと塾と言うよりも皆、遊びに来ている感じがして、とても通う気がしなかった。

それでも授業で分からない事があっても、先生に聞きに行ったり、何回も予習したり分からなくなったら、分かる所まで戻って復習したりして、ようやく皆の成績についていくのが精一杯だった。


中学2年生になると、そんな俺にイジメが始まった。

最初は我慢したが家族に話すと、すぐに先生に話が渡り問題となった。

その当時、日本各地の学校は荒れていて、『不良・ツッパリ=かっこいい』みたいな、変な空気があって、俺の母校もそんな空気に充てられた為、クラスメイトは、イジメが終わる訳が無かった。

「チクリ、チクリ」と言っていたが、無視をしていたが、色々いやがらせをしてきた時は、先生に逐一報告して言った為、イジメはなくなったが、クラス全員から無視をされ続けた。

ある出来事があってからは普通になったが、それまでは、友達と言えば小学校時代の他のクラスメイトの子だけだった。


高校には県立高校に進学したが、やはり、自分と周りの能力の差に苦しみながらも、無難に卒業をし地元スーパーへ就職することが出来た。


就職しても仕事を覚える悪さ、仕事を要領やる手際の無さ、更に頭の回転の悪さ、これらの自分の能力の無さに悩みながらも、やがて、仕事を覚え、マニュアルの沿った手順を覚え、効率良く仕事が出来る様になり、入社10年目からチーフ職についた30歳の時に、当時店長のパワハラを受けて、鬱病になってしまった。


地下40階層のボス部屋を前にして、俺は真っ黒の入り口を見て、この先にいる強敵をイジメをしていたクラスメイト達、パワハラをした当時の店長を重ね合わせながら俺は、


『ここまでかな、俺にしてはよくやった方かな』


と思いながら地上空間へと戻ってきた。

すると、お母ちゃんがそこにいて、自身に魔法を掛けている所だった。


「ただいま、あれ、夕方も掛けているの?」


「そうなのよ、何だか最近、朝と夕方の2回掛けているのよ。私も年ね。」


「ふ~ん」


その時、俺は何となくイタズラ心で、あ母ちゃんに解析を掛けた。

そして背中に冷たい物が流れ落ちた。


村田 光子

レベル 10

属性 空間

称号 

チキンハート



悪性進化新生物ステージ1

レベル10







強敵を前にして、勇次郎の弱い部分を、どうしても書きたかったです。

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