人は誰もが大器晩成
いよいよ勇次郎はアイテム魔法の真価に届きます。
しかし・・・・
魔石をアイテム魔法で効果を具現化させた時、常に思っていた事の一つに、具現化するまでの時間が掛かる。
これは魔石の効果を、魔力ボックスの中で構築する過程の中で、俺には不純物が混じっている気がして、ポーションの時と違って、魔力が重く感じていた。
もう一つが、具現化した魔法の効果が、同レベルの本職の魔法使いのそれと違い、魔力の使用した割に、威力が明らかに弱かった。
例に挙げるならば、高橋君のファイアーブリットと同じ魔力を使用しても、目算で威力が三分の一位の威力でしかなかった。
だから、39階層のボスを倒したサンダーランスもどきも、本職のレベル2 サンダーアローより劣っていたはずだ。
お陰で慣れるのに時間が掛かったり、構築するスピードが速くなったり、魔法を構築しながら直接攻撃が出来る様になったり、トレーニングを兼ねて一度倒したボスと何回か戦ってみたりした。
その結果、攻略に時間が掛かりはしたけれど、その過程で何回かレベルアップしたから、別にかまわないけどさ。
全く安全第一主義の慎重派の俺ではなかったら、我慢出来なかったと思うぞ。
魔石が無属性魔素と、各種の属性魔素の、2種類の魔素が合成して物質化してできた物と分かった。
属性魔素は合成を繰り返すうちに、レベル2の表示が出てきたので、その作業を繰り返した結果、それぞれの属性魔素がレベル2からレベル4までを、各種1個以上出来た所で丸1日を終えた。
翌日
俺は期待を胸に膨らませながら、実験に挑んだ。
危険はないと思うが、水の魔法から始める事にした。
水魔法
「ウォーターブリット」
「ウォーターアロー」
「ウォーターランス」
「ウォーターボム」
氷魔法
「フリーズブリット」
「フリーズアロー」
「フリーズランス」
「フリーズボム」
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「ファイアーボム」
信じられない、まさか、この俺が、火・風・雷・水・氷とホームページに載っていた魔法が全部使えた。
しかも本職の魔法使いと遜色ない威力、いや、自画自賛かもしれないが、高橋君と白石さんの魔法より、魔法変換効率が良かったかも知れない。
いや、それはないな、彼らだって俺の知らないところで、レベルアップしているだろうし、基本的に彼らの方が才能に満ち溢れているし、頭も良いし真面目で努力家だ。
危ない、危ない、自身を持つのは良い事だけど、自信過剰は油断の元だ。
昔からいつだって、そうじゃないか、俺がどんなに努力しても、頑張っても、みんな俺より上に、俺より先を行って引き離して、
そして、
俺を馬鹿にしてきたじゃあないか、
『無駄な努力、ゴクロウサマ』
・・勇次郎の心には闇があります。




