彼らは、ありとあらゆる場所に存在する(俺も含めて)
なかなかストーリーが進まないよう~。
「すまないが村田さん、今なら有給休暇も、完全消化で2か月間休めるし、退職金も50%でるそうです。」
ダンジョンが、出現した2週間後の月末、10歳年下の店長は、俺に早期退職を打診してきた。
世界中の鉱山から鉱物資源が消滅し、魔物を倒してドロップアイテムとして、鉱物資源を獲得するしかない、
日本政府が発表してから、製造業と違って食品販売業は、直接的には経済打撃は、受けないものの、緩やかに売り上げが、下降線をたどっているのを見て、40代以上の独身者を対象に、会社はリストラをすることにしたようだ。
「わかりました。では、今週末31日の日曜日が、最後の出勤日ですね。」
俺は正社員として定年退職まで働き、そのあとシルバー社員として、働けるところまで働く、そんな人生設計を、大幅に修正を余儀なくされたようだ。それでも2か月分の給料と半分とは言え、退職金が出るのはありがたい、多くの製造業は、有給休暇はもとより、下手すると退職金すら、支払ってくれるか判らないのだから。これからの生活や、お金の事を思いながら、目の前で申し訳なさそうにしている、10歳年下のリア充で優秀な店長に、返事をするのだった。
世界中のダンジョン内で、各国の軍隊・警察官が、ゲームで定番の魔物、球体ゼリー状大きさ1メートル程の『スライム』に、少なくない犠牲者を出す中、殉職者を出さずに、真っ先にダンジョン内の、特殊な法則性を見抜き、魔物の討伐方法を見出したのは、日本の自衛隊・警察関係者・民間のヲタクだった。
各国の軍・警察が、銃火器でダンジョン内部を、探索しスライムに蹂躙されるのに対して、日本の若い『ヲタク達』は、鉄パイプ・スコップ・金属製の農機具・のように直接、手で持って(手袋しても可)攻撃すると、スライムは、あっけない程、簡単に倒せる事が判った。但しパチンコ・投石・弓矢・火炎瓶のように、手から離れた状態での、攻撃では全く通じない事も判った。
更に日本各地のヲタクたちは、スライムを倒すと、光の粒になって空気中に溶け、そのあとには、鉱物資源や、色とりどりの魔石(勝手に命名)が、残され獲得できる事、更にゲーム同様身体のレベルアップする事も、世界各国・日本政府より早く解明して、インターネットに映像込みで発表し、全国の警察関係者を中心に、政府関係者を慌てさせた。
それから先の日本の官僚の対応は、実に手際よく、素晴らしく早かった。自衛隊・警察を中心に、全国のあらゆる場所にある、ダンジョンを確保し、それぞれの行政機関に属する、警察・消防を中心とした、専属の探査チームに、外部アドバイザーとして、インターネットで活躍した民間人をスカウトし、探索に乗り出した。
これは後から聞いたのだが、この時点で、霞が関の極々一部の優秀な官僚たちは、ある可能性を期待して、新しい行政機関の立ち上げや、短期的・長期的な経済・人事・国家運営・外交のシュミレーションを、さまざまな分野のコネを使って、行っていたと聞いた。
確かにこの国、日本にはラノベ・漫画・アニメ・ゲームが、好きな人達は存在する。全国各地、様々な組織の中に男女問わず、俺のような平凡な者から、周囲の人間から『才能の無駄使い』と言われる、天才・鬼才まで。
作者も同類だよ。恥ずかしいと思った事は、一度もない!




