イチから始める魔法の作り方
ゼロでないのは確かでしょ。
アイテム魔法の合成実験を行った結果、ポーションの場合ポーション1を2個でポーション2に、ポーション2を4個分でポーション3に合成が出来た。
肝心な魔石の合成だが、栄養補助食品リポシー1個分の質量の魔石をトンカチとノミを使い、水に浸けて質量を図って合成を行った、理屈や原理は分からないが、魔石はマナが変化した物と見て間違いない。
だから、俺はポーションの様に2個分の質量を1個分にして、合成が出来ると推測した。
その結果は思った通りになったのだが、具現化させるとブリットの効果にはまだ足りなかった。
そこでポーション同様に4個の合成した魔石、つまり元の魔石8個分を1個分に合成した、魔石 氷レベル3(仮)を具現化して、漸くブリット分の威力になりそうな氷になったのだが、前へ打ち出す事が出来なかった。
俺は高橋君と白石さんのファイアーブリットとフリーズブリットが、放たれた瞬間の状況と魔力の流れを、目を瞑って思い出していた。特に高橋君のファイアーブリットは分かりやすかった。
指先から放たれた魔法は、魔力の流れがその瞬間、魔力の溜めと螺旋状を描いていた。
「うーん、何か違うんだよなー。」
俺は色々、魔力の力を溜めて打ち出して見たのだが、思う様に飛んでいかない。前へ飛ぶけど速度は俺が小石を投げた方が速いし遠く威力も及ばない。
そもそも投げた小石ではダメージを与える事が出来ないし
彼らの攻撃魔法は、そもそも具現化した後に飛ばすのではなく、具現化した時には飛んでいるんだよなー。
それに彼ら自身もどうやって飛ばしているのかも、多分わかっていないだろうし、攻撃魔法はそう言う物だと認識しているんだろう。
そもそも自分の魔力って、どこにあるんだ?自分の中にあると分かるけど、アイテムボックスは何となく俺の頭の中という感じだし。
仮に魔力ボックスと呼んでいる物は、レベルが低い時は太極拳ではないけど、丹田の周りの、お臍のあたりにあって、今では自分の体より2周り位の大きさで、自分の周りを包み込んでいる感覚だけど、それでも見えないけど自分の中と認識しているし・・ん?
目には見えないけど別次元にある自分の中と言う認識は、アイテムボックスも魔力ボックスも同じか・・。
・・アイテムボックス・・収納・排出・・魔力ボックス・・具現化・射出・・目には見えない・・亜空間・・、排出・・射出・・アイテムボックス・・時間が止まっている・・魔力ボックス・・魔力を動かせる・・・もしかして、アイテムと魔力のと中身と場所、それぞれ違いはあるけど、基本的な事は同じだとしたら、時間が限りなく止まっている状態の所から、流れている所へと勢い良く、魔力ボックスの中で、予め具現化させておいてから、魔力ボックスから射出させるイメージで行ったらどうなる?
人差し指の先に氷の弾丸を魔力ボックス内で形を作る、
魔力ボックスの射出口を拳銃に線状痕のイメージ、
魔力ボックスの射出口に向けて、
時間の止まった場所から流れている場所へ、
勢い良く蓋で押し出す
「フリーズブリット」
その瞬間、指先程の弾丸ではなく、片腕の大きさと長さの氷の矢が、白石さんのアイスブリットの数倍の速さで打ち出された。
更に氷の矢は20階層のボス「紫兎」がいた、ブリットの有効射程距離である50メートル先にある、裏のダンジョンの壁に届き勢いを殺さずに、ぶつかって粉々に砕け散った。
この後、実験と検証の為、魔力がある限り、ファイアーブリット、フリーズブリットを使ってみた。
確かに威力も射程距離は問題ないが、本職が使う魔法から比べて、魔力消費量が大きい上に無駄があるし魔力変換効率が悪いような気がする。
実際、脳内アナウンスも流れないし、アイテム魔法による「なんちゃって攻撃魔法」だからかもしれないな。
いずれにせよ改善の余地有だが、攻撃魔法は手に入った。
なんちゃて魔法理論です。深く考えないで下さい。




