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もし、誰かに「卵が先か?親鳥が先か?」と聞かれたら、「親鳥だ」と答えてやれ!

日常系アニメも好きなんだよね。

兄が春に小学校に入学する年の冬に、引き渡しがあった5LDKの我が家の玄関から見て、正面には、自家用自動車が3台停まられる庭。左手には2階建ての物置。物置の裏にダンジョン。右手には父が亡くなる1年前に亡くなった祖母が、かつて祖父と二人で暮らした2LDKの平屋の離れがある。

かつては、大叔父夫婦が住んでいたが、俺が生まれる前に亡くなっていて、一人息子である、父の従兄である、その息子さんも、東京で独立していたので、大叔父が亡くなった時に、ただ同然で譲り受けたそうだ。


我が家は、将来、次男である、俺が独立して、他所に家を建てると、思っていたので、その離れを、20年前にリフォームしていた。そして、蓋を開けて見れば、結婚を機に、兄が他所で家を建て、俺が結婚せずに実家暮らし、というありさまだった。


祖母と父が亡くなり、俺は会社勤めで鬱病経験者、零細兼業農家とはいえ、それなりに広い田んぼや畑を、いくら俺が手伝うといっても、母一人で維持できるはずもなく、結局、父が亡くなった時に、兄や俺は、コンビニとアパートで、お互いの収入の糧にしたのである。


祖母が亡くなり、遺品を整理して、家財を処分した離れは、簡単には、取り壊すわけにはいかなかった。

取り壊して、更地にしてしまうと、おかしな話だが、土地の評価額が、6倍になる為、それならばと、母は、将来、俺が結婚した時の、自分の住処にと、残すことにした。

その離れの維持の為、母は毎日換気をし、毎週水曜日と日曜日に掃除機を掛けて、夜は灯油で沸かす風呂に入る習慣だった。


そんな、母の口癖は「継続は、力なり」で、俺はよく、「一日坊主だ」と幼い頃から言われ、よく叱られていた。


大平山ダンジョンから、給料を無事に戴いた、翌日の水曜日の朝、朝いつもより早く起きて、離れの掃除を終えた母は、珍しく俺に、お願い事をしてきた。


「えっ、ダンジョンに潜りたい?」


「うん、今、そう話をしたでしょ。」


「誰が?」


「私が、」


「何で?」


「だから、魔法を使いたいのよ。」


朝食時にテレビを、見ながら食べていた為、お母ちゃんの話を半ば聞き逃した俺に、お母ちゃんは慣れた様に、話し始めた。

どうやら、お母ちゃんは、俺に魔法を掛けて貰ったのが、気に入ったらしく、自分も使いたいんだってさ。



俺と同じ様な格好した、お母ちゃんと俺は、地下1階層にやってきた。

お母ちゃんは、古い壊れかけの鍬を使って、慣れた様にスライムを耕し始めた。

兎に角、お母ちゃんには、レベルを上げて、スクロールがドロップした、スライム下層部でも、対応出来るように、頑張ってレベルアップしてもらった。

だけど、お母ちゃんは、分かっているんだろうか、適正がないと回復魔法は、使えないんだけど。

お母ちゃんにレベルアップした時、俺に教えてもらい、地下空間で昼飯のおにぎりを食べてから、再び地下1階で、スライムを耕し続けて、3時の休みを考えた頃、お母ちゃんが、鍬を振り下ろした時、スライムが、例の如く光の粒となった、その後には赤い巻物が、残されていた。

赤い巻物を手に取った俺は、なぜか呆けている、お母ちゃんの手を取って、地上空間に戻った。

何だか様子がおかしい、お母ちゃんに話を、聞いてみたらこう答えた。


「誰だか知らないけど、失礼な話だわ!私の声真似までして!」


「!、もしかして、何か手に入れましたって、聞こえた?」


「そうよ、全く失礼よね、『臆病者』を手に入れましただなんて。」


「は、はい?」


話を要約すると、レベル0からレベル10にレベルアップした時に、『チキンハート』を手に入れた様なのだが、お母ちゃんには、『チキンハート』ではなく、『臆病者』と声が聴けた様だった。実際、『気配感知』と『聴覚感知』を手に入れた見たいだったし。

そしてなんと母が、手に入れたのは、『アイテム魔法』でした。

やっぱり親子二人おそろいの、ハズレ魔法でした。


結局、俺は所持していたポーションを、お母ちゃんに挙げて、宥めるのだった。


結局、お母ちゃんは、この日以降、念願の魔法を手に入れたのか、めんどくさくなったのか、ダンジョンには、潜る事はなっかった。


ホント、「継続は力」だね、お母ちゃん。







勇次郎は勘違いをしていますが、魔法の適正に遺伝は関係ありません。

母親がアイテム魔法を、手に入れたのは偶然です。


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