DTは30歳で魔法使いになるっていうけれど、俺は44歳で魔法使いになりました。
江戸川先生の少年探偵団シリーズの中に、東京の街中で道路ではなく、トンネルを使ったトリックが、あった様な記憶がある。
ダンジョンに、基本1日8時間、週休2日制、水曜日と日曜日は公休日、祝日は用事が無ければ、祝日出勤と自分で設定した勤務条件には、不満がないが、給料を貰わなければ意味がない。
合計出勤10日間に公休4日を過ごした、俺は、初めての給料を貰うべく、大平山ダンジョンに出勤するべく、荷物を装備して、ママチャリで、大平山ダンジョンへ遅刻しないように、ペダルを漕いでいた。
なぜ、車で行かないかというと、一つ、探索者の車で渋滞しているから、二つ、駐車場がいっぱいだから、三つ、俺ん家からだと、普通に車よりチャリの方が、早く着くからである。
つまりね、車だと車が通れる、市道、環状道路を運転して、あんちゃんのコンビニの前を、通り過ぎて、大平山ダンジョンに辿り着くわけ、このルートだと数十メートルの山々を、地図上だと迂回する形になる訳。
でもね、自転車だと家の集落からだと、軽自動車ならギリギリ通れる舗装された道が、獣道の様にあって、普段は、山の管理者か市の職員しか、使わないような道があるんだよ。
地元の人は当然、知っているけど、バイクかチャリで使うぐらいで、車じゃあ絶対に通らないんだよ。
このルートだと家の集落から、山中の道路とはいえ、1㎞位の道のりだから、早く着くんだよ。
地図上だと小さいとはいえ、山々を挟んだ形だし、町名も違うから、離れているように、見えるけど、大平山ダンジョンは、以外と近かったりする。
10日間の成果だが実は、地下10階層をクリアしている。
ダンジョンは、各階層のどこかに、ボス部屋があって、マッピングしてみると、大体10メートルの正方形で、その入り口からは、中が真っ暗じゃなくって、真っ黒で何も見えない。でも、今のところ出入りは、自由に行き来できるみたいだ。その部屋は、地上内部空間と同じく、あきらかにマッピングより、広い部屋というか空間で、ボスが待ち構えている。10階層までは、今のところ、スライムしかいなくて、ボスもフロアモンスターの強化版だったり、色違いのスライムだったり、その階層のスライムが、ボス部屋に大量にいただけだったり、そしてボスを倒すとドロップアイテムと、部屋のどこかに、下に続く階段が現われる。
階段を降りていくと中階層に、4メートル四方の小部屋があって、真ん中に白く光る玉が浮いていて、触れたら地上内部空間に瞬間移動した。それからは、地上内部空間には、地下への階段のすぐ横に、小部屋と同じ白い球が浮いている。もう一度触れると、また小部屋へと瞬間移動をする。
つまり、一種のセーブポイントみたいなもの、但し、死んだらそこまでだけど。
そんな感じで俺は昨日、10階層のボスを倒して、10階層をクリアした。
10階層のボスは、瞬間的に速く動く時があるけど、気配感知と聴覚感知で、前兆が、はっきり分かるので、楽だったけど。スキルが、なくても距離をとって、速く動いたあとに、攻撃を繰り返せば楽勝だったね。自分のレベルが幾つか、全然、数えてないけど、4回、攻撃したら簡単に光の粒となって、消えていったよ。
そいつが、消えた後には、いつもの鉱物資源と魔石、そして初めてみる、薬の入ったビンと、待ちに待った赤い巻物が、ドロップしていた。
赤い巻物はマジックスクロール・青い巻物はスキルスクロール
そう実は、俺は、昨日、44歳にして魔法使いになりました。
魔法と言えば攻撃魔法・回復魔法が王道、この作品でも当然、これらが花形・主役です。
そして補助魔法は、脇役です。だけど勇次郎の魔法はね、ちょっとね。




