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俺の異世界姉妹が自重しない!  作者: 緋色の雨
第七章 イヌミミ族との共存

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エピソード 1ー6 あらたな義妹達

 俺達は無事にミューレの街へ帰還。屋敷に戻って旅の疲れを取っていると、クレアねぇに足湯のない応接室へと呼び出された。

 どうせなら足湯のある応接室の方が良いのに、なんて思いつつ部屋の扉をノックした。


「クレアねぇ、俺だけど入って良いか?」

「おう、ようやく帰ってきたか。入ってこい」

 エルフの里に行ってるあいだに、クレアねぇの声が野太く!? ……って、そんな訳ないな。いまの声は……クレインさんか?

 俺はガチャリと扉を開けてリビングの中に。そこにはクレアねぇとソフィア。それにクレインさんとマヤちゃんが向き合ってソファに座っていた。


「クレインさん、来てたんですね。マヤちゃんも、こんにちは」

 俺はみんなの側面にある席に座ろうとする――が、ソフィアに腕を捕まれた。

「……ソフィア?」

「お兄ちゃんはこっち」

 ぽんぽんとソフィアが叩くのは、クレアねぇとソフィアが座るソファ。……俺に二人のあいだに挟まれと?


「座ってあげなさいよ。二週間も留守にしてたんだから」

 クレアねぇが穏やかな口調で紡いだのは、ソフィアが寂しがってるというニュアンスの言葉。けど、たぶんクレアねぇも同じ気持ちなのだろう。

 プラチナブロンドに縁取られた小顔に、少し甘えるような表情が浮かんでいる。

 そんな訳で俺は、かまわないかとクレインさんをちらり。



「は、いまさら俺に気を遣うな」

「それじゃ失礼して――っと」

 俺はクレアねぇとソフィアのあいだに座る。と言うか、もう少し端が空いてると思うんですけどね、なんでそんな詰め詰めなんですかねっ。

「そんなの、久しぶりにリオンお兄ちゃんに会えたからに決まってるよ~」

 ソフィアがぎゅーっと腕にしがみついてくる。そして反対側では、クレアねぇが俺の腕を自分の胸に抱き寄せる。同じようなことをしてても、微妙に性格の違いが現れてるな。

 ……って、そんなことを分析してる場合ではない。


「それで、クレインさんは今日はなにをしに来たんですか?」

「うむ。噂のイヌミミ族とやらをモフリに――痛い、痛いぞっ!?」

 急にクレインさんがうめき声を上げる。どうやら、隣にいるマヤちゃんが、クレインさんの脇腹あたりをつねったらしい。


「こほん。俺がグランシェス領まで来たのは他でもない。マヤをお前の義妹にするためだ」

「……なるほど」

 俺はクレインさんと賭をして――と言うか、賭けをさせられて、もし義妹を一人でも増やしたら、クレインさんの娘であるマヤちゃんを義妹にすると約束していた。

 そして今回の訪問のタイミング。ザッカニア帝国の第二王女、オリヴィアが俺の義妹になったという話を聞きつけたのだろう。


 色々と思うところはあるけど……約束は約束だと、俺はマヤちゃんに視線を向ける。

 夜色の長い髪と、吸い込まれそうな漆黒の瞳。クレインさんの娘と言うだけあって整った顔立ちだけど、ソフィアよりずっと幼く見える。

 年齢はたしか……俺より六歳年下――二月生まれだそうなので、四月基準で考えると五歳年下で、このあいだ十一歳になったばかり。いくらなんでも幼すぎだろう。


「さすがにその歳で義妹にするのは問題だと思います。まだ未成年ですよ?」

「……お前はなにを言ってるんだ?」

「だから――はっ!?」

 いかん、義妹と妾がごっちゃになっている。たしかに義妹なら、未成年でも五歳離れててもまったく問題ないな。……いや、それで良いのか?

 ……なんか、なにが正しくて、なにが間違ってるのか、自信なくなってきた。けど、約束は約束だ。いまさら断る訳にはいかない。


「えっと、マヤちゃん。マヤちゃんって呼んで良いかな?」

「……はい。そう呼んでくれたら、嬉しい、です」

 恥ずかしそうな口調。初めて会ったときも思ったけど、マヤちゃんはかなり引っ込み思案だよな。その割に、前回はコンサートで人前に立って歌ってたけど……


「マヤちゃんは、衣装を着たら人が変わるみたいだよ」

 恩恵で俺の心を読んだのだろう。ソフィアが俺に耳打ちで教えてくれる。と言うか、ソフィアの息が耳にかかってくすぐったい。

「えへへ、わざとだよ?」

 ……そうですか。天使のようだったソフィアが、最近少しずつ小悪魔化してる気がする。まったく、誰の影響を受けたんだか……って、考えるまでもないけどさ。

 それはともかく――と、俺はマヤちゃんを見る。


「マヤちゃんは本当に、俺の義妹になりたいのか?」

「……はい。リオン様が許してくれるのなら、私は妹になりたいです」

「そう、か……」

 恥ずかしげに頬を染めながらも、まっすぐに俺の目を見てそらさない。マヤちゃんに迷いがあるのならと思ったけど……こうなったら仕方ない(、、、、)


 そう覚悟を決めて口を開く寸前、それを遮るようにクレインさんが先に口を開いた。

「リオン、例の賭だが……あれは無効で良い」

「……え? いきなりなんですか?」

 賭があったから、俺がマヤちゃんを義理の妹にするという話だ。それなのに、なぜそんなことをこのタイミングで言うのか、意図が分からなくてクレインさんを見る。

 そしてそれと同時、マヤちゃんも驚いたように自分の父を見上げていた。その顔が少し悲しげに見えるのは、たぶん気のせいなんかじゃないだろう。


「……おとう、さん?」

「そんな顔をするな、マヤ。リオンは義理堅い。だから賭けを理由に迫れば、たとえ望んでいなくても頷くに決まっている。だが……マヤはそれでも良いのか?」

「望んで……ないの?」

「それは分からん。だが、このままじゃ分からんままだ。お前はそれでも良いのか?」

「それは……ゃだ」

 マヤちゃんは少し困った表情を浮かべた後、ふるふると首を横に振った。


「という訳だ、リオン。以前も言ったとおり、俺はお前達に色々と救われた。お前達には本当に感謝しているのだ」

「それは……えっと、どういたしまして? でも、お互い様ですよね。俺も、クレインさんには色々と助けられましたし」

「そうだな。だからこそ、マヤをお前の義妹にと考えたのだ。そして、マヤ自身もそれを心から願っている。だから……賭に負けたからではなく、お前の意思で受け入れてくれないか?」


「クレインさん……」

 真っ先に思ったのは、このタイミングでそれは卑怯だってこと。そんな風に言われて断れる人間がいたら見てみたい。

 だけど……もし本当に波風を立てずに断れるとしても……そんな風に言われたら断りたくないって思ってしまう。クレインさんやマヤちゃんと家族になりたいって、そう思ってしまう。

 将来的に自分の首を絞めそうだって、分かってるんだけどな。


「……俺ってチョロいのかなぁ」

 思わずそんな言葉が口をついた。そして、本当にその通りだなと思いつつ、俺は両隣にいるソフィアとクレアねぇに視線を向ける。普通なら色々と言うことがあるはずなんだけど……普通じゃない二人はなぜか嬉しそうだ。

 ……まぁ、良いか。


「クレインさんの娘、マヤちゃんを義妹にすることに対しては、なんの問題もありません」

 たとえその先に思惑があるのだとしても、クレインさんを頼りになるおじさんくらいには思っているのも事実。だから――

「みなが良いと言ってくれるなら、ぜひマヤちゃんを俺の義妹にさせてください」

 俺はクレインさんに向かって頭を下げた。


「……リオン。お前という奴は……俺のことをお義父さんと呼ぶか?」

「それは遠慮します。……今のところは」

 拒絶したあと、ぼそっと付け加える。聞こえるほどの大きな声のつもりはなかったんだけど、クレインさんにはそれが分かったのだろう。にやりと笑われてしまった。



 その後、マヤちゃんはミューレ学園への入学を希望したので、まずは学生寮で暮らしてもらうことになった。と言っても、屋敷のすぐ近くだけどな。

 ちなみに、クレインさんは一週間ほど滞在してから、自分の領地へと帰って行った。

 ずいぶんとミューレの街を満喫していたようだけど……主な目的は、マヤちゃんがこっちの生活に慣れるまで、側にいようという親心だったように思える。

 まあ、俺の勝手な想像だけどな。


 なお、人間とイヌミミ族のあいだに、今のところ目立ったトラブルはない。近くには住んでいても、完全に隔離しているような状況だから、当然と言えば当然なんだけどな。

 なにはともあれ、平和な日々が続いている。


 そんなある日、オリヴィアの一行が屋敷へと到着した。

 俺はオリヴィア達を足湯のある応接間に招く。ほどなく、オリヴィアにアーニャ、それにミュウとセルジオが姿を現した。

「いらっしゃい――いや、お帰り、オリヴィア」

 色々あってザッカニア帝国の第二王女は俺の義妹になった。なので俺はオリヴィアをお客様としてではなく、家族として迎える。


「えっと……ただいまです、リオン兄様。パフェが食べたいです!」

「……いやまぁ、良いけど」

 開口一番で紡がれた言葉に、俺は思わず苦笑いを浮かべた。

 ともあれ、長旅で疲れているのだろ。なのでパフェを了承、ほかのみんなにも欲しいものを聞いて、纏めてミリィ母さんに注文した。

 そうしてあらためて、みんなに足湯へとつかってもらう。


「それで……ヴィオラの両親は?」

「お二人なら先ほど、メイドにお任せいたしました。今頃はヴィオラさんのところへ向かっていると思います」

「そかそか。急にお使いを頼んで悪かったな」

「いいえ、あたくしはもうリオン兄様の妹。用事があればなんでも言ってください」

「ありがとう。それで……アーニャとミュウは、オリヴィアについてきた感じか?」

 そんな風に尋ね、まずはアーニャへと視線を向ける。彼女はブラウンの瞳になんらかの決意を秘め、先ほどから緊張したような面持ちで俺を見ていた。


「リオン様にお願いがあります」

「察するに、いままでどおり、オリヴィアに仕えたいってところだろ?」

「は、はい。その通りです。どうかお許し頂けませんでしょうか?」

「俺としては問題ないけど……領地は放っておいて大丈夫なのか?」

 お姫様であるオリヴィアの騎士ともなれば、アーニャはたぶん上級騎士。つまりは土地の管理を任されているはずだ。

 管理は部下なんかに任せて、本人は経営に関わらないなんて話は良く聞くけど、さすがに隣国に行くのに、土地をそのままはまずい気がする。

 そう思って聞いたんだけど――


「その点についてはご心配いりません。この国に来ることが決まった際、管理を任されていた土地は別の者に引き継ぎました」

「そうなのか……」

 端的に言ってしまえば、収入源がなくなったという意味。オリヴィアのためなんだろうけど、結構思い切ったことをしたんだな。

「あ、あのリオン兄様、アーニャの生活費はあたくしがなんとかしますから、どうか許可頂けないでしょうか?」

 考え込んでいた俺をみて、難色を示していると誤解したんだろう。オリヴィアが慌てて、頼み込んできた。だから俺は慌てて「大丈夫だよ」と答えた。

 そうして、アーニャへと視線を向ける。


「さっきも言ったけど、こっちはなんの問題もない。オリヴィアも気心が知れてる相手がいた方が良いだろうしな。これまで通り仕えると良い」

「よろしいのですか?」

「もちろんだ。それに、アーニャの給金はもちろんグランシェス家が支払うから心配しなくていい。そうだな……月、金貨十枚くらいでどうだ?」

「――なっ!?」

 何故かアーニャとオリヴィアが硬直した。


「ごめんごめん。お姫様に仕える騎士だし、十枚じゃ少ないよな」

「いやいやいや、多すぎですよ!?」

「……多いのか?」

「多すぎですっ、金貨三枚でも多いくらいですよ!?」

「多いのかぁ……」

 最近は税収も膨れあがって、金銭感覚が狂ってきてるからなぁ。

「まあ多すぎて申し訳ないというのなら、取りあえず毎月金貨五枚にしよう。そこから、働きとかをみて昇格していく形で」

 その方がアーニャ達も気を使わなくてすむだろう。と言うことで、アーニャの給料は取りあえず金貨五枚となった。まぁ……すぐに増えそうだけど。


「それでミュウも同じ理由か? それとも、故郷へ帰るのか?」

「お父さんとお母さんに無事は知らしたいですけど、私も出来ればオリヴィア様と一緒が良いです――くしゅんっ」

 可愛らしいくしゃみ。よく見ると、目が少し赤い。

「……大丈夫か?」

「す、すみません。私は昔っから病弱で。ザッカニア帝国にいるあいだは治まっていたんですけど、こっちに戻ってきてからまた――っしゅんっ、うぅ。ごめんなさい」

 ……そう言えば、病弱が原因で休学してたところを攫われたんだっけ。と言うか、この症状ってもしかして……花粉症じゃないか?


「……なあ、その病気って、いつも同じ時期だったりしないか?」

「え、あ、はい……だいたい春頃、だと思います」

「じゃあたぶんアレルギーだな」

「アレルくしゅん……なんですか?」

 ……なんか涙目だし、くしゃみばっかりだし、目をかゆそうにこすってるし、どう見ても花粉症にしか見えない。ザッカニア帝国にいるあいだ治まっていたのはたぶん、リゼルヘイムと比べてアレルギーの原因となる木かなんかが少ないんだろう。


「もしかして、私の病は治せるんでしょうか?」

「治すのは難しいけど、対策はあるよ」

「それは……くしゅん。うぅ……嬉しいですが、ご迷惑をかける訳には」

「――そんなにくしゃみをして、やせ我慢をするモノじゃないわ。リオン兄様、私からもお願いします。なんとか出来るのなら、してあげてください」

「ああ。心配するな。アリスに頼んでおくよ」

 辛そうなミュウは見てられないのもあるし、実はこっちとしても都合が良い。

 ボーキサイト発掘に必要な防塵効果のある紋様魔術を、アリスに開発してもらっているのだけど、本当に効果があるか試す必要がある。

 目に見えないモノが対象だから、どうやって遮断できているかを確認するか考えていたんだけど……ミュウの花粉症は良い実験対象になる。

 とまあそんな訳で、後でアリスに頼むことにした。


「それで、セルジオはどうしたんだ?」

「僕はこの大陸で商売をやりたいと思いまして」

「あぁ、なるほど」

 セルジオは迫害されていたイヌミミ族を逃がしたという理由で、ザッカニア帝国で一番影響力のあるゼニス商会から干されていたからな。この国でやり直そうと言うのだろう。


「そういうことなら、アカネに紹介状を書いてやるよ」

「アカネって……まさかアカネ商会のアカネさんですか!?」

「そうそう、そのアカネだ。特別扱いはしてくれないと思うけど、才能のある人間を無碍にしたりはしないからな。セルジオならのし上がれると思うぞ」

「さすがリオンさん! いやぁ、初めて会ったときから、リオンさんとは仲良くなれそうな気がしてたんですよねっ!」

「調子良いなぁ」

 俺に三人も婚約者がいると知って、あなたとは仲良くしたくありませんとか言ってたくせに――なんて、悪い奴じゃないのは知ってるし、俺も同じように思ってるから良いんだけどさ。

 取りあえず、これで他のみんなについては話が聞けた――と、オリヴィアに視線を戻す。


「それで、オリヴィア自身はこれからどうするんだ?」

「え……パフェを食べますけど?」

「それはもうすぐ届くから待ってろ。じゃなくて、将来的な話だ」

「ええっと……パフェを食べて生活します?」

「……太るぞ?」

 ぼそりと突っ込みを入れると、オリヴィアはびくりと身を震わせた。前に俺が、甘いものばっかり食べたら太ると教えたことを思い出したのだろう。


「ええっと……その、さすがに太らないように気をつけたいとは思います。ですが、その……あたくし、食べるくらいしかすることがないですよね?」

「……………は?」

 なんでと首をひねると、オリヴィアは赤みがかった長髪を揺らして、俺と同じように首をかしげて見せた。

 大粒で紫色の瞳をしばたたかせる姿は可愛いけど……なにを言ってるんだ?

「オリヴィアはその……食べて寝るだけの堕落した生活を送るつもりなのか?」

 いや、オリヴィアは帝国の娘だけど、跡継ぎとかではない。だから、そういう生活でも許される立場なんだけど……リズとか、同じような境遇でバイトまでしている。

 食べて寝るだけとか、凄い違和感がある――と思ったんだけど、オリヴィアはやっぱり、不思議そうな表情。


「ええっと……リオン兄様。あたくしには、その……自由とかないですよね?」

「いや、別に自由にしてくれて良いよ。だからまぁ、オリヴィアが望むなら、食べて寝るだけの生活でも怒ったりはしないけどな」

「いえ、そうではなくて。あたくしが屋敷から出たりするのは当然ながら禁止ですよね?」

「……なんで? あぁもしかして、護衛の心配をしてるのか? 治安がいいからアーニャだけで大丈夫だと思うぞ? 心配なら、家の騎士も連れて行ってくれてかまわないけど……」

「そうではなくて! あの……あたくしは、リオン兄様の義妹という名目ですけど、実際は人質みたいなものですよね?」

「あぁ……そういう意味か」


 ここに来て、ようやくオリヴィアがなにを心配しているか理解した。

 ザッカニア帝国と同盟を組む時、軍部の暴走によってリズ達が――リゼルヘイムから来た和平の使者であるお姫様が襲撃され、その賠償的な形でオリヴィアが差し出された。

 義妹という名の人質であることは間違いないだろう。


「名目はなんであれ、俺は義妹として扱うつもりだから好きにしてくれて良いぞ?」

「そう、なのですか?」

「うん。だからもし帰りたいって言うなら、ザッカニア帝国に帰っても良いぞ」

「あ、それはないです。向こうにはパフェがありませんし」

 即答かよ。そんなにパフェが気に入ったか。わりと本気でオリヴィアが太らないよう、誰かに監視させた方が良いかもしれない。


「でも……そうですか。好きに……」

 どことなく困ったような顔。姫様として決められたレールを走っていたから、急に好きにして良いと言われても、どうして良いか分からない、とかかな?。

「オリヴィアにはなにか、やりたいことはないのか?」

「うぅん、そうですわね。……リオン兄様は、あたくしがなにをしたら嬉しいですか?」

「え、俺? 俺のためじゃなくて、自分のしたいことで良いんだぞ?」

「ですから、それがあたくしのしたいことです。リオン兄様には色々と救って頂きましたから、ちゃんと恩返しをしたいです」

「うぅん……そう言われても……」

 と、そこまで考えたとき、あることを思い出した。


「……先生」

「先生、ですか?」

「うん。オリヴィアは黒魔術が使えるとか言ってたよな?」

「え? えぇ、まぁ……少し、と言うか本当に少しだけなら、使えると言っても……良いでしょうか? たぶん」

「……なんでそんなに自信なさげ?」

「だって、あたくしには無詠唱で無数の騎士をなぎ倒したり、城壁を破壊するようなマネ、天地がひっくり返っても不可能です」

「……いや、あれは例外だから」

 あんなマネを出来るのはアリスとリズくらいだ。さすがに比較対象が悪すぎる。


「ええっと、基礎程度なら分かってるつもりですが……?」

「うん。それならさ、希望する生徒に黒魔術を教えてくれないか?」

「そんなことで良いのですか?」

「うんうん、ぜひ頼みたい」

「リオン兄様がそう言うのなら……あたくし、やってみますわ」

「おうっ! ありがとな、オリヴィア!」

「……い、いえ、その……気にしないでください。あたくしも、その……リオン兄様に喜んでもらえるなら嬉しいです」

 とまあ、そんな感じで、ミューレ学園に黒魔術の学科が導入され、白魔術と黒魔術の学科が揃った。後は……リズに精霊魔術、アリスに紋様魔術を頼んでみようかな?

 イヌミミ族の受け入れも順調だし、街の発展も順調。順調すぎてちょっと怖いくらいだ。

 

 

 最近増えていなかった義妹がついに増えてしまいました。


 それと、新作の短編バージョンを試験的にアップしてあります。

 最強の吸血姫が、妹が欲しくて夢想するお話――の導入部分です。

 良ければご覧ください。ご意見いただけると嬉しいです。

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