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悪の根源

………サァー………



……バサバサ………




「………スー………スー………」



……………




「………んー………もう夜かしら………」




チラッ



「ん………まだ薄暗いじゃない………何よもう……変な時間に起きちゃったわね………」




「スー………スー………」



「ん?」



「スー………スー………」



「………誰?」


















さて!こんばんわ!いつもの美鈴お姉さんですよ!今館には昨日来てくれた楓さんと紅葉ちゃんが泊まってます。あのあとハンバーグを食べた紅葉ちゃんがすぐ寝ちゃって……。ですから部屋をお貸しして泊まって頂くことにしました。楓さんももう寝てるかな?何せ気を張った毎日だから疲れてると思いますし……。そんなこんなで私もそろそろ眠いな!勤務時間もあと数時間。特に異常無しで終わってくれたらいいんだけど……ん?



「……美鈴」


「あらお嬢様、早いですね。どうしたんですか?」


「いや、私の布団に見たこともない子供が入ってたからね。起こさないように私が出てきたよ」



以外と大人……



「あぁ、それは多分今日のお昼にこの館に訪問された方の家族の方ですよ。寝ぼけてたのかな」


「へぇ。それであんたらあんなにうるさかったの」


「あ、聞こえてました?」


「シクシクシクシクここはお化け屋敷かってんの」


「あはは……すいません」


「まぁいいけど……咲夜が来るまで時間があるからさ、美鈴。あの子供を元の部屋に戻してきてちょうだい」


「はぁい」



ふら〜……




「…………さっきからそこにいるの、出てきなさい」


「………」



ガサガサ……



「……いつ頃から気づいていた」


「ここに近づいて来る途中ですでに気づいてたわ」


「……話している様子を伺うところ、この館の主人と見たが……」


「そうね。ここの主人よ」


「いいのか?主人があっさりと表に出てきて」


「……まぁ実際美鈴も気づいてたっぽいけどね。久しぶりに暴れたいのよ。腕がなまってるかもしれないから。あの子も空気読んでくれたみたいだし」


「……自分の腕に自信があるようだな」


「どうかしら。あなた達で確かめてみたら?」


「……いいだろう!」



ザザッ!!



バッ!













……お嬢様大丈夫かなぁ。………まぁあのお嬢様だ、心配するだけ無駄かもね。



スタスタ……



……ガチャ



おー空いてる空いてる



ギィ……



……バタン



チラッ




「スー……スー………」



気持ち良さそうに寝てるなぁ……



「起こさずに起こさずに……」



コンコン



「うひゃあ!」


「ん?美鈴?お嬢様の部屋で何してるの?」


「あ!これは……違うんです!」


「まさか……寝ているお嬢様にあんなことやこんなことやそんなことや大変なことを……………殺す」


「……んー………」


「あ、やば……起き……」


「入るわよ!」




ガチャ!


バタン!




「!!」


「いや、咲夜さん……これは……」


「なんでこの子が……いやそれよりお嬢様は!?」


「あー……お嬢様は……かくかくしかじかで……」


「お嬢様……」


「あ、お姉ちゃんたち」


「あらら、ごめんね起こしちゃって」


「おトイレ行きたい」


「あらあらちょっと待ってね〜」


「……美鈴」


「はい?」


「その子お願いね。お嬢様見てくる」


「い、行くんですか?咲夜さん……」


「暴走する主人を止められなくて何が専属メイドよ。じゃあ後は任せたわよ、美鈴」


「はい……頑張って下さいね」



シュタ!













「あら、どうしたの」


「ハァ……ハァ……」


「もう終わり?」


「ぐ……(こいつ……なんてぇ強さだ……力、速さ、戦闘能力……全てにおいて化け物じみてる…….。それに風で斬れないだと……?なんなんだあの体は……どうすれば……)」


「早くしなさいよ。咲夜にバレたら怒られるわ」


「……ぐ……撤退だ!」


「ハッ!」



サッ!


バサバサッ!



バッサバッサ……



「………ふん」


「お嬢様!」


タッタッタ……



「咲夜……」


「お嬢様!!どうされたのですかその服は!!」


「ん?いやぁ相手が風使うヤツでさぁ、まぁ斬られる斬られる」


「お、お怪我などは……」


「あるわけないじゃない。あんなやわな攻撃じゃあ傷一つ付かないわ」


「良かった……」


「何よ。まさか私が負けるとか思ってたの?馬鹿にしないでちょうだい」


「……万が一ということがあります……お嬢様に万が一のことがあっては……お嬢様のお側に仕える者として……自分を許すことができません……!」


「……そう。ごめんね」


「……え?」


「次は心配かけないわ。もうこんなバカもしない。これでいいかしら?」


「お嬢様……!」


「……んもーそこまで心配されると辛いじゃない。私だって最近動いてなくて退屈なのよ。少し位許して」


「すいません……何か……悪い予感がしたものですから……」


「ん?」


「いえ……なんでもございません……」


「……そう。……さぁ咲夜、今日の夕食は何かしら?満足させられなかったら許さないわよ?」


「……はい!」

















「なにぃ!?失敗しただと!?」


「ハッ!運悪くその館の主人が出てきまして……これがもう化け物じみた強さでして……」


「言い訳はいい!……クソ!これではあの方に会わす顔が……」


「……どうかしましたか……」


「!!!こ、これはこれはアヴァンテ様!こ、こんなところまで、ど、どうかされましたか?」


「どうですか?私の力で居場所は特定できたはずです。あの子はまだですか?」


「も、申し訳ございません!すぐに捕らえるので今しばらくお待ちを……」


「…………わかりました。ですが次で最後にします。もしこれで捕まえられない場合は、また別の隊に出撃準備をしてもらい、あなた方はその部隊の一部となってもらいます」


「一部……ですか?」


「そうです」


「ということはその部隊でまた力をふるって行けと……」


「いえ、その部隊のために生贄になってもらいます」


「い、生贄!?」


「はい。その身を捧げてあなた方の力を新たな部隊に分け与えるのです」


「ちょ、ちょっと待ってください。そ、それって俺たち死ぬんですか?」


「もちろんですよ」


「もちろんですよって……」


「それでは頑張ってください」



ザッザッザ……



「……じょ、冗談じゃねぇよ……!あんな化け物に勝てるかよ!かと言ってこのままじゃ死んじまう!だから言ったんだ!こんなこと止めようって!俺は逃げるぜ副村長!」


「お、俺もだ!」


「俺も!」


「お、お前らちょっと待……」


「じゃあな副村長!二度と会うこたぁねぇと思うが!」



ダダダダダダダ……



「おい待て!待ってくれ!おい!」



シーン……



「嘘だろ……」























「……そろそろ夜が明けそうねぇ」


「そうですねぇ」


「パチュリーは起きてるかしら」


「恐らくはお休みになられてるかと……」


「だよねー」



コンコン




(窓側!?)


「……」


「羽が生えて……」



コンコン



「……開けてってらことかしら」


「ダ、ダメですお嬢様!」


「大丈夫よ。悪意を感じられないわ」



テクテク……


ガチャ



「なぁに?」


「夜分遅くに申し訳ない」


「いいのよ、フクロウだから」


「……そうか。こちらに楓と紅葉という者が泊まっているという情報を得てな、私の妻と娘なのだ」


「嘘が下手すぎね。もう少しまともな嘘をついたら?」


「……とにかくその二人を返していただきたい。そうしてもらえればあなた方に迷惑はかけない」


「私にとっちゃあそれが迷惑なのよね」


「……何?」


「お嬢様……」


「どこの馬の骨ともわからないヤツがいきなりウチの客人を取ろうだなんていい度胸だわ。身の程を知りなさい」


「……後悔するぞ」


「あんたがね」



………



(お嬢様……)




「………まぁ、あなたと戦うつもりはない。私の部下から化け物じみた強さだと言うのは聞いている」


「そう。じゃあどうするの?」


「……私を助けて頂きたい」


「……はぁ?」


「もう気づいているとは思うが、先ほどあなた方を襲った者共は私の部下だ。少し事情があってな、申し訳ない」


「いいのよ、暇つぶしになったわ。風だなんて面白いの使うのね」


「我々は皆生まれた時から少なからず風を操ることができてな、それは訓練することによってより強くなる」


「あんたはなかなかなの?」


「……まぁ並以上だと思ってくれれば間違いはないだろう」


「へぇ。で、助けてってのは?」


「……私の村ではある風習があってな……」



〜楓が話した話とほぼ同じなので略〜



「……ふーん、で?」


「私は紅葉に逃げられたことが恐ろしかった。村の掟で裁きが下ると思っていたからだ」


「うんうん」


「私は黒いグリフォン……名はアヴァンテというんだが、アヴァンテ様の祀られている祭壇に向かい、祭壇に向かってそのことを話した。その祭壇な絶対に入ってはならないという場所でな。入ってはならないというより、通常では入ることができないよう、厳重に呪文で鍵を掛けられていた。だが私は村長から時期村長としてその呪文を教えられていたため、なんとか入ることができた。その絶対に入ってはいけないという祭壇に」









「……という事態に陥ってしまいました。誠に申し訳ございません!」


シーン……



話しかけても返答は無し……普通に考えればそうだ。何かが祀られているとはいえ所詮は祭壇。何も起こるわけがない、そう思っていたら……



「………力を貸しましょうか?」


「!!!」



俯いていた顔を上げると、目の前には我々と同じコーカサス村の住人のような姿をした美しい青年が立っていた。ただ唯一、羽が黒かった。



「あ、あなたは!」


「アヴァンテと言います。話は聞かせてもらいました。『千里眼』の子が逃げたのですね?」


「はい!申し訳ございません!」


「いえ、追えばいいのです。その子はこの村の救世主。その身を捧げることによってこの村は新たな未来へと向かいます」


「……」


「場所を突き止めるのは私が力を貸しましょう。あとは軍隊を作ってください。少数の軍隊をなるべく多く……」


「…かしこまりました。仰せのままに」









「私は言われるがままに軍隊を数十隊作り、あなたの館に一隊ずつ向かわせるつもりだった。先ほど訪れたのがその一隊目だ」


「……」


「だが……予想外なことに、そこの館の者が強かった。渋々帰ってきて報告すると、次失敗すると我々を生贄に捧げ、次の隊の力にすると言われたんだ」


「……ん?それって殺すってこと?」


「そうだ」


「いやいや、祀られてるいっぱしの神?だかなんだか知らないけど、生贄にして力にするってのは意味不明だわね。仮にも神なんだから殺しちゃダメでしょ。聞いてる限りじゃあ精鋭を作ってる感じがするわ」


「……何?」


「だってそうでしょ?負けて帰ってきたんなら数を増やして再度送ればいいじゃない。わざわざ生贄に捧げて次の者を強くするってさ、それを何回も続けて最終的にはものすごく強い精鋭作るつもりじゃないの?」


「………!」


「それにさ、生贄に捧げるっていう話はよく聞くけど……パチェから聞いた話だと生贄をよくするところってのは結局災いが降り注ぐらしいわよ」


「………あながち間違ってはいないかもしれないな」


「なぜかわかる?」


「……?」


「生贄方法を間違える。それもまたある。けど、一番やっちゃいけないのは間違った者を祀るってこと」


「間違った者……?」


「その黒いグリフォン……アヴァンテだっけ?それは本当に祀られるべき存在なのかしら」


「………!」


「絶対に入っちゃいけない祭壇とか言ってたわね。それはそのアヴァンテとかいうのを封印してたからじゃない?そしてその封印を解くのが祭壇に入るための呪文。あなた、その呪文の鍵の掛け方も知ってるんでしょ?」


「…あぁ、村長に教えてもらった」


「それはその呪文を知っている何者かが万が一開けてしまった場合、すぐに鍵を掛けられるように教えられたんだと思うわ。ただそれだとなぜ開ける方法まで教わったのかと言うと…….おそらく鍵を掛ける時の呪文を反対から読むだけなんだろうね。だからこれも万が一のことがないよう、一応時期村長だし?教えたってわけじゃないかしら」


「まさか……今の話が本当だとすれば私はとんでもないものを……」


「だとすれば『千里眼』の子をそいつが集めるのもわかるわ。来るべき時に備えて力を付けておくのよ。元々その生贄を始めるキッカケとなったのは何?」


「昔我々の村を訪れた魔導師が村に入った瞬間いきなりアヴァンテを祀れと言い出して……そこから何やら色々あってこの風習が始まったと聞くが……」


「そいつ多分サマナーじゃないかしら。それも悪い方の」


「サマナーというのは……何か魔物や怪物を召喚して操るという……」


「そそ。一般的にはその悪い方が出回ってるけど、ちゃんと良いのもいるのよ?妖精みたいなのを召喚して家事とかさせるだけとかさ。多分そのサマナーがどこかでアヴァンテの話を聞いて自分の駒にしようとしたんじゃないかしら。だから村の危機を救うなどと言って生贄の方法を行いそれを伝統にさせた。完全体で復活させるために。なんらかの形でサマナーとアヴァンテは接触してるんじゃない?んで復活をネタに何か契約したんだろうね」


「な……なんと……まさか………私は………とんでもないことを……とんでもないことを……!!」


「早く封印をしてきなさい。あんたしか封印法しらないんだから」


「……できんのだ……」


「?」


「俺はアヴァンテが表に出たあと祭壇に鍵を掛けようと呪文を唱えたんだが……掛からなかったんだ……何度やっても……」


「……っつーことはそいつを倒さなきゃいけないわけね。あんたちょっと中に入りなさい」


「お、お嬢様?」


「……?」



ジジジ……



「お、お嬢様!」



「早く!」



サササ……



「!!なんだあの大群は!!」



スピア・ザ・グングニル!




ブンッ!!



ぎゃあああああああああああああ!!




「ま、まさかアヴァンテが直々に……」


「恐らくはそのまさかね」


「……お願いがある。村の者はなるべく殺さないでくれ!」


「はぁ?そんなこと言ってる場合じゃ……」


「頼む!」


「……はぁ。仕方ないわね。咲夜」


「ハッ!」



フッ



「!?消え……」


「まぁ見てなさい」




パッ




うわぁぁ!




「!!」



「いかがいたしましょうか」


「そのまま全員ほっときなさい。上出来よ」


「な、何をしたんだ?あの一瞬で全員が館の中に……」


「まぁ世の中にはいろんなのがいるってことよ」


「お嬢様、外では美鈴がすでに戦闘に入っています。私も少なからず手を出したのですが……恐らく効いておりません」


「そう。パチュリーを起こしてきて。どれほどかわかんないけど、咲夜が悪い予感がするとか言ってたからね」


「かしこまりました」


タッタッタ……



「……さて……行ってくるわ」


「ま、待て!俺達も……」


「今行ったらみんな死ぬわよ」


「………っ」


「あなた達をバカにしてるわけじゃないけど、今回のは実際ヤバイわ。私が本気でも仕留められるかわからない。だからあんたらはそこで寝てなさい」


「……俺は行ってもいいだろうか」


「………」


「元はと言えばこのような惨事になったのは俺が原因。奴に一矢でも報いなければ…….これから先、のうのうと生きる自信がない」


「……逆に考えなさい」


「……え?」


「あなたがこんなバカなことをやらなければ、これから先尊い命が何度も切って捨てられ、放っておけばこれ以上に酷いことになってたと思うわよ」


「な……」


「……ついてくるのは構わないけど、守れる自信はないわよ。よく考えてから来なさい」



バッ!


バッサバッサ……



………


「………どうすんだ?副村長……」


「………」












「…………ふん!」


ドン!


バチィッ!


うわっ!



「………」



ヒュー……ストッ



「んー、全然効いてる感じがしないなぁ」



「美鈴」


「あ、お嬢様」


「どう?」


「どうもこうも……何にも効かないんですもん」


「そう……何か特徴はある?」


「そうですね……基本的な強さ、力だとか速さだとかはやっぱりズバ抜けてますね。普通に強いです。それに加えて何か特別な何かがヤツを護ってる気がするんです。気がするってか十中八九そうですね」


「特別な何かねぇ……パッと見、怪しいのはあの黒い羽かしら」


「ですねぇ。あとはヤツが首に掛けてる羽の形をしたネックレス……」


「あんた目いいわね」


「ありがとうございます」


「……どうしようかしら」


「じゃあ私が気を引くのでお嬢様が羽を狙ってください」


「そうね」


バッ!

バッ!



「!」


シュ


「ハイ!」


「!!」


ドンッ!


「ハイ!」


ドンッ!


「ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!」


ドンッ!ドカッ!ドンッ!ドンッ!ドカッ!


「………」



……んー……やっぱり受けてるくせに全く効いてないなぁ



「………今度は私の番ですよ」



しゃべった!



ゴォォ……



黒い塊!?



ヒュッ



ドゴォォォォォォォ!!!



「………」



サラサラサラ……



「………」



「……ふぃー危ない危ない」


「……避けましたか」


「間一髪だったけどね」


「それに後ろの者、私が気づいてないとでも?」



ジジジ……バチバチ……



「……気づいてたからと言って防げるのかしら?」


「なめられたものですね」


「ふん!!」



神槍『スピア・ザ・グングニル』



ブンッ!



「ふふ………!!?」



彩符『彩雨』



「動けるとでも思ったんですか?」



「……くっ……!」




ザシュッ!



















スタスタ……



「……んで、そいつの容姿は?」


「そうですね……大きさで言うと2mくらいじゃないでしょうか。結構大きかったです。顔は優男のようなゆったりとした顔で……」


(ゆったりとした顔て……)


「現在お泊まりしている楓さんとは違って羽が黒く、名はアヴァンテと言うようです」


「……んー、聞いたことあるわね。けど記憶が薄いわ」


「はぁ……」


「まぁまず見てみようかしら。その優男とやらをね」


「はい」


「あの……」


「ん?」



ススス……



「何かあったんですか……?」


「あぁすいません、起こしちゃいましたか」


「……あなた、アヴァンテって知ってる?」


「?いえ……聞いたことありませんが……」


「……そう。あなた、ついて来て」


「え?」


「パ、パチュリー様?」


「何か関係がありそうだからね」




















「ぐ…………」



あ、あいつ……



「………」



お嬢様のグングニルを……受け切っ……



「すごい攻撃ですね……少し驚きました」


「終わると思ってんの?」


「!?」



ズッ!



「グッ……」



バチバチ……



それにしても何だろう……明らかに見えない何かに覆われていて、それが全ての攻撃を防いでるみたいだった……今のお嬢様もそんな感じだろうけど、これならいけそう……



「ま、まずい……『千里眼』が足りない……このままでは……」





ボンッ!!



「ぐふっ!?な、何が……」


「パチェ!」


「レミィ、早くそんなヤツ倒しなさいよ」


「うるさいなぁ、こう見えて結構本気なんだ」


「………禍々しいですね……」


「そうね、ここ最近じゃなかなか見ないレベルだわ」


「……でも……」


「ん?」


「どこか………懐かしい感じが……」


「…………?」


「楓さん……?」


「ぐ、ぐぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


「!!?」




バチィッ!!



「む!」


「いて!」




バチバチ……



「なめくさりおって小娘共が……一匹残らず消し炭にしてくれる……」


「何コイツ、いきなり性格変わりやがった。姿形も」


「ですねぇ」


日符『ロイヤルフレア』



ボン!ボン!



「ぐ、ぬぅ!」


「何のんきな事言ってんのよ。早く行ってきなさい」


「わかってるわよ」


「はぁい」



ババッ!




ドン!ドン!




「……あんたさっき……懐かしいとか言ってたわね」


「え?あ、はい……」


「それってどういう感情?」


「え?」


「風景や物質に関する感情。あるじゃない、久しぶりに見た時『あーなつかしー』とかなるでしょ?あぁいう感情」


「はぁ……」


「もう一つが生物に関する感情。『あー久しぶりー』とかそんな感じのよ」


「パチュリー様……」


「………!!」


「何か思い出した?」


「いえ、思い出したのではなく……今あの禍々しい者から多くの怨念を感じ取りました」


「……あんたって何、霊能力者なの?」


「いえ、この力を持つ者は時折思念をも捉えることがあるんです。その中でも私はこの力を鍛えておりましたから、自在に見ることができるレベルなのですが……一瞬しか見えなかったということは、あの者がそれらの怨念を抑えているような気がします」


「……怨念ねぇ」



投稿に一年もの空きが出来てしまった……( ´Д`)

申し訳ない……

まぁ新たにこのサイトを利用してる人も増えただろうから、その人達がこのシリーズを最初からまた知ってもらえるとすごく嬉しいかな( *`ω´)

次は速く書きます……

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