金と白の会談2
ながらくお待たせいたしましたm(__)m
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・何か喋れよ」
「質問するのはそっちだろう、ボクはただいつはっせれれるかも解らないソレをただ待ち続ける事しかできない」
「あんだそれ・・・てか・・・・・カタカナで喋らないのな、あんた」
「君もそっちで喋って欲しい側の人間かい?」
「いや、別に・・・・・・なんならなんであんたはさっきまであんな妙な喋り方をしてたんだよ」
漢は紅茶を啜る手を止め漢は静かにカップをテーブルへと戻した。
「あれは・・・・こんなファンタジーみたいな世界だ、そん世界で謎の少年と出会ってその次に謎の生命体戦う。そーなったらもう謎の道案内役が突如現れるってーのが女の子が思い浮かべて胸をときめかせそうなシュチュエーションでしょうが、乙女心が解ってないなー君は」
「じゃあアンタのその変な気遣いは失敗だな、何せアンタはその女の子である黒霧にさながら思春期の女の子が父親を嫌うが如く嫌われた。そりゃーだれがどう見ても失敗だね、少なくとも俺はあんたのその心意気には賞賛を与えるけれど肝心の黒霧はそれをよしとはしていない、それは明らかに失敗の二文字でしかない」
そりゃーすまなかったね、っといって目の前の漢はくすくすと笑うと菓子をつまんだ。
こちらも、けらけらと笑う。
そして、机を踏みつけふざけたこの漢に銃口を向ける、すると漢は床に手をそえた。
「なんだい、少年。恐喝かい?」
「ちげーよ、時間の短縮化だ。アンタ、ただじゃ口を割らなそうだからな・・・それに、あんた今『道案内役』って確かに言ったよな?教えろよ、全容を」
「あーそれが人にモノを頼む態度かな、わかってねーなー人ってーのは何事も頼む側が下に出た方が事が素直に運びやすいんだぜ?」
「これが頼んでるように見えるか?」
横目でちろりと銃口を見ると再びそのにやけた口を男は開いた。
「いんや、たのんじゃいなっかたね悪い悪い」
「そうだ頼みごとってーのは片方が下になる状況の事だ、だが今は俺が上だ」
「いんや?対等だね」
「・・・・・・・・・・?」
「寧ろボクの方が少し優位に立っているよ」
「何を言っている?意味が解らないぞ」
背中に汗が流れる、冷たい嫌な感覚だ。銃口を突き付けられて何故こんな表情をしていられる、俺の中でこんな状況でこんな飄々《ひょうひょう》としていられるのはただ一人・・・・・だが今はその一人以外のもう一人が目の前にいる。
死を恐れない死んだ様な紫の瞳、嫌な感じしかしない・・・・嫌いな眼だ。
「引き金を引くなら引いてみればいいさ、ソコに弾は入ってはいない」
「・・・・・馬鹿言うな、俺はアマチュアじゃないんだぜ」
駄目だ、嫌な汗が止まらない・・・本当に嫌いだ。
「例えキミがそうでなくとも彼女がキミのそれをそうにしてしまっていたら?」
「ありえなくも無いかもな、だがそうかもしれないが入ってるかもしれないぞ?」
「ははは、これじゃあ君とのいたちごっこだ、まるでその銃の中身を言い当てるクイズみたいだ。だが問題の出題者も回答者もこの中身の答えを知らない。まるでシュレーディンガーの猫の様じゃないか。だが・・・そんな賭けみたいな事でいいのかい?ボクは君がその人差し指で引き金を引いた瞬間にそこら辺り一面から三万五千七百の針を発生させて君の命を奪うよ。それが例え弾倉に弾が込められていなくともね、だってそうだろ?普通の人間は人に向かって引き金を引いたりはしない、だからそりゃあ引き金なんて引かれた日には仕返しの一万や二万したくなるのが人間さ、だから君はその点をよく考えて事を選んだ方がいね」
「・・・は、出まかせ言うな」
「さあどうかな」
沈黙、二人は口こそ笑っているがそれ以外動かず声すら発しない、それ故の沈黙。
互いの間に気まずい沈黙が流れる。
だが果てしなく続くと思われたこの沈黙はそうは続かなかった。
「あああああ~・・・お腹へった」
ふと眼を横に向けるとさっきまでソファーにに横になっていた黒霧が片腕を上に伸ばしストレッチの様な体制をとっていた。
にしてもかなりをはやい起床である。
本当に寝ていたのであろうか、この女は。
ふと視線を漢に戻すと漢もオルと同じ様に黒霧を凝視していた、まるで面倒が増えたと言わんばかりの眼差しで。
そんな漢に躊躇なく引き金を引く。
撃鉄が落ち、発砲音と共に漢が後方に頭からのけ反る。
頭に一撃、これで終わり。
後はこの死体を隣の部屋の化け物にでも食わせればいい。
そんなプランが青年の頭の中で構築される。
冷静な青年、うってかわるのは黒霧。
目の前で人が撃ち殺されて顔は青ざめ、冷静ではいられない様子だ。
「あんた何してるの!こいつ殺しちゃったらせっかくの手がかりがっ・・・!!」
「仕方がない、撃たなければこちらがやられてたかもしれないんだ」
「そうだねェ~確かにやられてたかもしれないぃ、でもやられてなかったかもしれない・・・マァ未来なんて誰にもわからないんだけどネ」
「!!」
殺したはずだったそいつはむくりと起き上がり気だるそうな声でそういった、なんだこいつは、不死身か?
「なんだこいつは不死身か?・・・と言わんばかりの表情だねェ」
「・・・なにお前人の感情読めんの?」
額に嫌な汗を感じる。黒霧はただ唖然とたちくつくし、僕はただひたすら冷静を装うのに必死だった。また頭のなかで整理がつかないことが増えてしまった。
「なんてことも考えてそうだねええェ」
「何言ってるんだお前は、ふざけるのも大概にな。まず俺が聞きたいのはなぜ貴様が生きてる?まさか不死身か?」
「だったラ?」
「証明するためにお前のその子憎たらしい顔面に残り五発全部叩き込ませろ」
「何を言うかと思えば物騒だねネ!君は!キット不死身の人でも痛がるヨ」
そう言うと漢は口の前に人差し指と中指をヒラつかせ、勢いよく動かすとソコには小さい鉛だまが挟まれていた。答えはコレだといわんばかりに。
「成る程、不死ではないのだな、ただ被弾する前に受け止めたと・・・」
「何冷静に頷いてるの!?弾指二本で止めたっていってるのよ!?」
ここでようやく我に帰った黒霧が口を挟む。
「いや、止めるって事は当たったらヤバイってことじゃん?だったら不死じゃないって事じゃん?だったらまあまあかなーって」
「私あんたの基準が解らないわ・・・」
黒霧が呆れたように言う。
その事に関してはまあ黒霧自体の考えと僕の考えの違いと言うことで気にしないでおくことにした。
「マア、少年の言うとうりだね。別に不死ってわっけじゃあぁない、ただ・・・」
「化物だな」
「キミよりかは少し化物なだけサ」
ふぅん~とニヤニヤしてみる、この事から解ることはただこいつは人間ではない化物だと言うだけだ。つまらん答えが帰ってきてしまったなんて僕は今考えてるわけだ。
そんでもってこの漢はきっとこの後僕に報復に立ち上がるはずだ、三万うん千の針だかなんだかできっと僕に報復行動を起こすに違いないのだ。
その事にたいして少しばかりの警戒心を持っておくことにする。
「そんなに身構えなくっていいヨ」
「いやいや、絶対お前俺になんかしてくるでしょ。俺撃ったでしょ?だから」
「ウン、するネ、報復。でも一つ少年、君は間違ってるヨ、ウン、「してくる」じゃないんだよ「もうしている」んだよ」
「は?」
鳩がロンドンで機関銃を食らってる気分である。
何せこの漢が言う報復とやらは一切何の効力も被害も僕にしろましてや黒霧にも与えられてないのだから。
なのに自信満々にこんなことを言われた。
そしてまた、頭のなかで理解できないことがまた一つ増えていく訳だ。