黒と金と再び蒼白
やっと世界観に触れられそうです(笑)
「オルオラぁああああああああああああああああああ!!」
「人の名前で遊ぶな!」
「ぷぷーーあんた、だって『オル』とかぷぷ・・・厨二病!?」
「いったって普通の言葉だろうが、人の名前で笑うな!」
「ふつうって言ってる時点でお前は終わってるんだよぁああか!第一絶対それ本名じゃないでしょ、自分の名前明かさずにバレバレの偽名使っちゃう辺りでお前終わってるよ」
ゲラゲラゲラ・・・・と少女は笑い続けている、顎が外れてしまいそうなくらいに、いや寧ろ外れてしまえというのが彼・・・・オルにとっての本音である。黒霧が爆笑している理由もわからないし何故自分の名前に偽名を使っただけでこの有様なのだろうかとさえ思う。疑問と腹立ちしか沸いて来ない、謎である。でも流石にここまで笑われると恥ずかしくてたまらなくて言い訳を言いたくなるのが人間ってものである。別に自分が悪いという訳でもないというのに、何故人間というやつぁこうも打たれ弱いのだろう。
「人の事どうこう言うのは良くないと思います!」
「お前人だったの?」
「人だったよ!」
おいおい、とんでもねーじゃじゃ馬ちゃんだよ。乗りこなす前に何度落馬して何度首の骨を折り何度踏み殺されれればこの馬を乗りこなせるのだろうか。首の骨を折るだけで死ぬというのにそこを間髪入れずに踏み殺すような女だ。妥協を許さない、人が付け入る余裕を許さないてゆーか・・・――――
「冗談でしょ?」
「いやいや冗談でしょ!?なんでそんな不思議そうな表情で僕の事を見ているの本気で訊いてたの!?」
「冗談よ・・・・はぁ・・・・」
「『はぁ・・』!?何でそんなに残念そうなんだ!」
「わたし・・・・嘘ついちゃった・・・」
「冗談じゃない!?」
先が読めないって言うかなんなんだろうか。正直なんだろうけどわざとというかー・・・・・ひねくれているのかと思えば時には屈託のない笑顔をちらほらと見せてくる。別にいやな奴という訳では無いのだろうが何に致してこんな違和感を感じているのだろうか。
あの長い廊下を二人で少し迷いながらこうやって話しながら歩いていた、途中で一番最初に仕留めたウサギも回収できたそこからオルが住んでいるという部屋に向かっていた、そこはここよりも断然安全と言うし生活環境も整っているという事らしい。その事を訊いて黒霧 天李は少し安心したようだ。その道中部屋の事についてもしつこく訊かれたし僕の名前でいじって来たりもした。こうやって見るとただの少女だ。だからこそ気になる。俺ならともかくよりによって彼女がきてしまったのだろう、この少女を見ているとただそんな事ばかり考える。
「ところで金ちゃんよ、あんたそんな物騒なもの持ってるけれども何者なのよ、普通あんなもん持ってないけどさ。外人さん??にしちゃあ日本語うまいねどぅゆうーあんだーすたんだーど?」
屈託のない笑顔だ。そんな顔で銃が入ってるポッケットを指さして訊いてきた。
「お前何言ってんだよ・・・俺基準ってどうゆう意味だよ。第一俺は日本語は喋れるが今は喋っているつもりはないぞ寧ろお前こそ見慣れない格好だな、なんだ?観光か?それにイギリス語も得意ときたもんだよくやるぜ」
「ちょっと待ってよ、イギリス語何言ってんのよ。イギリス語ってあれでしょ?とれびあ~んとか・・・・」
「それはフランス語だ。実はお前そんなに頭良くないだろ。」
「うっせぇクソ眼鏡。」
「何暴言!?」
「違うわよ、ただのテストよ言葉が通じるかどうかの」
「何故その言葉のチョイス!」
「とおりあえず今の言葉が通じたか確認を取るわ。今私は何て言ったか答えてみてよ」
「何ってー・・・・・クソ眼鏡だ「なんだ自分でも解っているじゃないの」
「お前てやつぁー!お前ってやつぁーよぉ!!」
余りの暴言に襲い掛かる僕を彼女はどうどうと沈めてくる、はっきり言おう。そんなじゃ収まらない事を。そう、こうなんかひっちゃかめっちゃかにしないと収まらない。もう助けてくれと言っても許さないし誰も助けに来ないこの場を利用して黒霧をひっちゃかめっちゃかにしてやろうというのだ。覚悟しろ!!黒霧!!お前がこの悪代官に年貢を納めなっかたのだ。そぉう、年貢の納め時をのがしたんだよぉおおお、おまえはぁ!。
「さっきわたしが喋ったの日本語だよ?何語で話された様に聞こえた?」
黒霧に襲い掛かろうとしていた体が動きをぴたりと止めた。そしてそれと反比例するように頭は高速で動いていた。っさっきの言葉はいつも自分の訊いている聞きなれた言葉だった。いくら他国の言葉を知っているからといってそんな違和感も無く脳内で変換されて俊敏に反応できるわけがな。
「おい、それ本気で言ってるのか?」
「それも日本語に私には聞える」
!!
日本語で話しているつもりはない、いつも道理の話慣れた母国語・・・イギリス居る時と同じ言葉で今も喋っている。それを今黒霧は『日本語』で聞こえるというのだ。そんな事があるのか?有るとすればきっと僕の頭の言葉をつかさどる場所がぶっ壊れちまったに違いない。全く持って訳がわからない、違う言葉が通じ合っている?もちろん黒霧が嘘をついているようには見えなかった。
「もちろんわたしにも訳が解らないわ、最初に喋った時かららアンタがわたしに合わせてるのかと思った。でも今考えるとアンタはそんなそぶり一つ見せないしまるで最初からそうであったみたいにぺらぺらと・・・いよいよ訳がわからないわ!アンタはそれでも英語県内の言葉を喋ってるつもりなのでしょう!?」
気づかなかった、今の今まで。この一週間ここに居たが人と喋る事など無かったのだから。まさか言葉までこうも面白おかしくされてしまうとは。
「はは・・・母国語愛玩者のアメリカ人がここにいたらさぞ悲観なさるだろうな。違う国の言葉を喋らされちまってるなんて、しかも知らないうちに」
「?」
首をかしげる黒霧、確かかにそうなるだろう。だがここでは無くは無い話だとも思う、この訳の解らない状況なら尚更だ。
「つまり俺達はここ、この訳の解らないここに来させられた時にもう勝手にこの世に存在するかしないかも解らない言葉を勝手に知らない内に頭にぶち込まれちまったってことだよ、催眠術か洗脳かなにかでな」
本当にそうとは思わないただ頭の中で整理をつける必要が有る、この場合。例えそうで無くとも無理やりにでもこじつけて・・。それに俺なんてまだいい。心配なのは彼女、黒霧天李なのである。俺には時間があった、ただ彼女には時間が無さ過ぎた。ここに来てイベントが余りにも起こりすぎていたのだ、それも唐突に。この異常な空間を理解して諦めるには時間が無さ過ぎだった。
気になって彼女に目線を配る。その視線に気付いたのか彼女もこっちを見て。そして一言「便利だね」っと屈託のない笑みを浮かべてそう言った。
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「ここだ」
あれから特に会話らしい会話は無く元来た道則をただ行軍を行うが如く黙々と歩いてきた。道中特に何も無く黙々と、まあこの世界で何かと言うとろくな事が無さそうだから特に何も起きてほしくはないのだけれど。
まぁ、そんな幸福にも見舞われながら遂に元の部屋に戻って来れたのである。ただ一つ何が違う事が有るかと言えば独り増えたのだ、この部屋に住む住人が。
「やっとついた~・・早くやすもかぁ~」
「ふん、小娘あの程度で疲れたのか。日頃の鍛錬が足りんのだよ、日頃の鍛錬が」
「あんた何キャラよ・・・それ・・・」
僕のボケに薄く浅くツッコミを黒霧を入れてきた。少し納得いかないが今回はまだ日が浅いからな、許してやろう。
そんな疲労困憊な様子の黒霧は右側のドアに手を掛けた、そう、それは緑色の扉、危ないのだ。
だから・・・・面白いから少しタイミングをずらして注意をしてやろう。いや仕方がないやはりそのままにしていたら僕の両親が傷んでしまう、そんな事は僕にはできない!だから優しい僕が警告してやろう!小さな声で掠れそうなほど。
「黒霧あぶなーぃ」
「え?」
言うが早く彼女は扉を手前に引いた。
その扉の中には扉一杯に人の顔を凝縮してパーツをばらばらに配置したようなモノが扉の向こうで大口を開いて待っていた。
「いらっしゃいませぇ!!?!」
慌てて扉を閉める黒霧言っている事が訳がわからないがそれはそれでまたこっけい・・・・面白かったので良しとしよう。
「なんでもっとはきはきしない!」
「え?何が!」
「何驚いてるんだよ!ムカつくなぁ!!警告だよ!!け・い・こ・くだよ!!警告ぅ!!!」
「大丈夫、安全は私が保証しますよ」
「薄いなぁ、お前の安全保障は!軽薄すぎるね!オブラートで作られてんじゃないかしらね、あんたの安全保証は」
「安心しろって、安全だから安心して見てたんだ、俺はな」
「安全ってあんた『危ない』って言ってたじゃん」
「そりゃあお前が『内側』に扉を開けたら危なかったけどお前は『外側』に引いただろ?だから大丈夫なんだよ。」
「じゃあ内側だったら?」
「内側だったら・・・・ぱっくんちょ?」
「ぱっくんちょおおおおおおおおおおお!?普通扉空ける前に警告するレベルだよそれ」
「だってぇえ、そりゃあ誰だって扉ぶつけられれば怒るよね?そうでしょ?ねぇ?」
「だからって人を見殺しにする理由にはなってないぞクソ野郎」
そう言うと黒霧はその隣の白い木製の扉へとふらふらと突けば倒れそうな足取りで歩みを進めると白の扉の取っ手ををつかむとこっちを睨んできたので大丈夫という風に首えお頷かせる。すると安心した様にドアノブを捻ると部屋の中へと消えていった。
むぅ・・・・あそこでのもう少し受けがいの有るツッコミが有ると思ったのだが。どうやら本当に疲れているようだな。あそこまでのことをしたというのにアレだけとは、少しばかり残念だが今回は諦めて彼女を追って部屋に入るとする、まず目に映るのは黒霧の背中。なんだ、先にソファーにでもこしを掛けて待ってるのかと思えば家主を待っているなんて中々なんて律儀な奴だなと部屋の中に入るとそこには黒崎 天李以外にも人影が一つ・・いや、独り居たのだ。
別にここで実はもう一人仲間がいて部屋で待機させていたのだ。・・・・・などという乙な状況では無いのは僕の記憶が正しければ無いはずだ。それに、言ったはずだ。ここに来て一週間独りだったと。だが余りにもイレギュラー的存在のそいつはソファーにふんぞり返り小さな卓上を寄せそこでお菓子をむさぼりながらお茶なんかをたしなんでいた。はっきり言って僕はこいつを見たことがある。少し伸びた髭に仏頂面、だらしなく伸びた銀髪にそれ等に相反するように整えられたスーツ姿のこの男。人間の脳ってのは時が経てば忘れるのが当たり前なのだがこの男はそれを許さないような・・・・寧ろ忘れる方が頭おかしーんじゃねーかと言われかねない風貌の男なのだ、一度見れば忘れられない。そんな男・・・。
そう。だから僕は忘れられない方の正常な人間に違いない。僕は一週間前、この世界に自分の落とした奴だと即座に思い出せたのだから。
そして何故かそいつは今、僕の部屋で何故かくつろいでいるのである。
「やぁ、遅かったねェ・・・待ちくたびれちゃったんだけド」
いかがでしたでしょうか、やっとお話に入れた様な気がします(汗)
まだまだ未熟で誤字脱字も見られると思いますがそこら辺は御愛嬌でおねがいします(笑)