金色<こんじき>と蒼
そろそろ本編はじめたいです。
「あ・・・・・・もうベーコンないじゃん」
白いシャツに黒のベストそして赤い紐を襟まわりに通すと首の前で綺麗な蝶結びをしている青年はぼそりと呟いた。
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「あ”~・・なんなの?ここ・・・」
白と黒のチェス盤を連想させるような床に彼女は怒りをぶつける様にこの薄暗い長い廊下を歩いていた、上を見上げれば天井は目もくらみそうなほどはるか上・・・はっきり言って訳がわからないのだ・・・・この世界は。
「もうどれくらいあるいたっけ・・」
彼女は一人で呟く、だが答えてくれるものなど当然が如くいないわけなのだが。
だが、このまま一人で何も喋らずに歩いていれば彼女のコンディションも丸崩れを起こすことだろう。
故に仕方なくがらでもない独り言をぼそぼそといいながら歩いている訳なのだが・・・
「あー、もういいかげんんいしなさいよ・・・・」
しいぃーーーーん・・・・
「何これ、どこまで続いてるのよ・・・」
しぃいーーーーーん・・・・・
「あー、なんかもう・・・」
しぃぃいーーーー・・いい加減にしろぉお!!
行き場のない怒りは壁へと向けられた。
拳をとうして・・・・「めしゃ」
痛い・・・・もちろんが如く傷つくのは彼女の拳のほうだった。
「痛い・・・」そう呟くと再び足を前に進めることに心を向ける。
夢だと思うなら頬をつねってみろ、痛みがあるのならそれは真実だ。
この時ばかりは彼女はこの言葉が嘘であってほしっかったに違いない。
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うっし・・・っと気合を込めるは青年。
眼鏡のレンズの奥に見える見事な金色の瞳が印象的な青年だ。
彼は朝食と昼飯と夕食と晩酌になるはずの「ベーコン」が無くなりこれからそれを調達しようというのだ。
少年は軽い足取りでチェスバンのような地面を蹴りズンズンと進んでいく。
まるで恐れるものが無い様に・・・。
「んーーーー、前回はここら辺だったんだが・・」少年は辺りを見回すそこには少年が来た道以外に二つの道が枝分かれしていた。
そしてあいにく100m先は暗闇で閉ざされている。
「んん~~~ん~?」
目を狭め自然と眉間にしわがよる、べっつにわざとやってる訳ではない。癖なのだ、しょうがない。
すると少年から十一時の方向に何やら生き物と思われる影が見えた。
少年は影を目視するとっそとポッケトのてを忍ばせ、手に握られたモノは勢い良くその影に向かって投げられた。
するとその影は地面に崩れた。
歩み寄り影の正体を確かめる、青年の顔はにわかに歪んだ。
獲物を仕留めたのだ。
そこには何やら燕尾服を着たウサギがっぐたりと横たわっていた。
ウサギもさぞ無念だったろう、彼は胸の前で十字をえがいた、そして彼の手から放たれたナイフを抜き取ると獲物を担ぎ上げた。
さあ帰ろうなんて考えていたやさき。
「いやあああああああああああああ!!?」
何やら後方よりただ事ではない声が接近。彼も思わず振り向く事決死。
というか振り向いた、そこには少女がいた後二歩で青年と接触する距離にいた。
別に少女は彼がウサギを殺めた事で発狂している・・・・・と言う訳では無いようだ。
そう、例えば・・・いや、例える必要もない。何かから逃げているのだ、きっと。
そして彼女は後数歩で俺とぶつかる!と推理してみた。そして追突を避ける方法は、などと頭を動かしてみる。
結論、彼は彼女が避けるだろうという結論に至った。だって彼女も人間だもの。
どおう考えても考えても向こうも避けるって、ね。
あ、痛ったああああい、あはああああ、あ、いったああああああい。
彼女は避ける事をしなかった訳では無い、彼女は避けたが青年の顔は激痛を伴った痛い、熱い・・・・。
青年は踏み台に、そして彼女は高く飛んだ。
その時見えた青は青年のこころにとどめておこう。
「ぶへぁあ」
青年と少女が地面に到達するのは同時だった。着陸には違いは有るものの。
「あ、ごめん!!」
この女、人を踏みつけるものの礼儀は知っているのやしれん、と少年は考えていたすると少女は青年の手に手を伸ばした。
そんな少女の目は綺麗な澄みきっ蒼色だった。
また後々お話を進めるので少々お待ちください。