表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Not Divine  作者: kode-kode


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/58

5-5 「基本から始まる強さ」

弱い朝日が空き地に落ち、鉄屑がほんのり光っていた。

その光の中で、ナユタはひとり目を閉じていた。

少し離れた場所で、ルシファーは腕を組んだまま、

その小さな背中を静かに見つめていた。


ナユタの瞳のふちから、青い粒子がぱっと散った。

一瞬だけ火花みたいに浮かび、彼は息をのんだ。

けれど光に触れる前に、霧のように消えていった。


「……でてくれない。

あの時はドローンを止められたのに。

どうして今日は出ないの……?」


ルシファーは黒い羽をゆるく揺らしながら歩み寄る。


「ナユタ」


振り返ったナユタは、困ったように唇を噛んだ。


ルシファーは肩をすくめた。

その表情は淡々としているが、声はどこか柔らかい。


「そんなもんに頼るな。

不安定な力は、裏切るときに限って派手に裏切る」


風が、二人の間を通った。

朝の匂いがわずかに動く。


「じゃあ……どうすれば、いいの?」


ナユタは目を伏せた。

胸に残る焦りが、喉の奥で小さく鳴った。


ルシファーはため息をひとつ。

地面に足を開いて構えをつくる。


「基本だ。

力が出ようが出まいが、体が動けば戦える。

まずはそこからだ」


ナユタは一瞬だけ迷ったが、すぐに頷いた。

両足をそろえ、ルシファーの正面に立つ。


「……やる。やってみる」


ルシファーは指先で合図をし、静かに息を吐いた。

空気がわずかに澄んだように見えた。


彼は足を前へ滑らせる。

体の線がゆっくりと流れ、ひとつの形へとまとまっていく。

足の運び、膝のしなり、肩の開き──

それらが同じ速度で滑り、乱れが一つもない。

朝の光が、その軌跡を細くなぞっていった。


派手さはない。

ただ、美しい。

静かな強さが、流れのすべてに宿っていた。


ナユタは息をのみ、目を奪われた。


「……すごい」


ルシファーは動きを止め、軽く息を吐いた。

その表情は変わらず無表情なのに、どこか誇らしげに見える。


「当たり前だ。

で、お前もやるんだよ。ほら、構えろ」


ナユタは慌てて構える。

二人きりの朝が、ゆっくりと動き始めた。


面白かった、続きが気になると思った方。

ぜひ下の☆から作品の評価、応援よろしくお願いします。

ptやコメント、ブックマークをいただけると大変励みになります。


読みにくい、ここがわかりにくいなどコメントで教えていただけると幸いです!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ