5-3 「明日へ向けて、宴だああああ!」
アンダーグラウンドの静寂が、ゆっくりと息を吹き返した。
闇の奥で反響していた笑い声が、波のように引いていく。
ルシファーが立ち上がった。
羽音が、低く響く。
その視線がナユタと悪魔たちを順にとらえた。
「明日から、生きるってことを教えてやる」
悪魔たちが一斉にざわめいた。
「ヤダ……」「オレ、サボリタイ」「キビシイノ、イヤ」
ルシファーは片眉を上げた。
「息を吸って吐くだけは今日で終わりだ」
空気が固まった。
数秒の沈黙のあと、ナユタが手を上げて叫ぶ。
「ぼく、やってやるー!」
レビが両手を叩く。
「いいぞナユター!がんばれー!」
リュックも跳ねながら声を上げた。
「根性見せろチビ!燃えろナユタ!!」
ルシファーが口の端を裂くように、ニヤァと笑った。
声を張り上げた。
「よーし!明日へ向けて──宴だああああ!!!」
一拍の間。
次の瞬間、悪魔たちが歓声を上げた。
「エンカイ!」「ウタウ!」「クウ!」
ルシファーが指を鳴らし、声を響かせた。
「酒だ!全部持ってこい!!」
レビは困った顔で首を振った。
「そんなのないよ!」
リュックがニヤリと笑う。
「なら俺様の出番だ!」
口がパカッと開き、ゴロゴロと酒瓶が転がり出た。
「マタゲロ……」
悪魔たちが一斉にのけぞる。
ルシファーが腕を広げた。
「時が来たーー!!」
全員が声を合わせた。
「ときがきたーー!!!」
笑い声と喧騒が、アンダーグラウンドを満たしていく。
火のような明かりが灯り、蒸気の立つ鍋が並んだ。
ナユタは悪魔たちに混ざり、串焼きを回している。
レビは笑いながらコップを掲げ、リュックが注いだきらめく液体を受け取った。
「ねぇ、これ……飲めるの?」
「安心しろ!俺様特製の“悪魔ジュース”だ!」リュックが胸を張る。
「……名前がすでに怪しいんだけど!」レビが笑いながら突っ込む。
悪魔の一人がギターのような骨の楽器を鳴らし、他の者たちが太鼓を叩く。
重く、熱いリズムが鉄骨を揺らした。
ナユタはレビの隣で声を上げた。
「ほら、もっと歌おう!」
レビが笑い返す。
「負けないからねー!」
酒の匂いと笑い声が渦を巻き、
闇の街の奥まで、命の音が響いていった。
ルシファーは壁際に腰を下ろしていた。
片手に酒瓶を持ち、酔いが頬に滲んでいる。
悪魔たちの騒ぎを見つめながら、静かに笑った。
「……悪くねぇな」
空に見えない星を探すように、目を細める。
その背に、翼がゆっくりと揺れた。
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