5-2 「アンダーグラウンド宅配制度」
アンダーグラウンドは静かだった。
湿った空気の中、鉄骨が軋む音と水滴の落ちる音だけが響いている。
壁の隙間から漏れる光が、薄く揺れていた。
ナユタは拳を握りしめ、小さく息を吸った。
「やるよ」
その声を切り裂くように、通路の奥から金属を蹴るような音が響く。
「もしもーし、ルシファーさーん!」
「届けに来てやったぞー!」
明るい声が闇を破った。レビとリュックだ。
二人の姿が現れた途端、周囲の悪魔たちがざわめき始める。
レビは立ち止まり、目を丸くした。
「なに、この……リュックより汚い生き物は……?」
「俺様は拭かれたあとだからキレイだ!!」
悪魔たちが群れでざわめく。
「グフッ……ギギギ……オマエ、キタナイ」「オマエ……モット……キタナイ……」
ナユタは二人を見て首をかしげた。
「何しに来たのさ?」
レビが胸を張る。
「お届けに決まってるでしょ!」
リュックが誇らしげに跳ねる。
「そうだ、俺様は正義の配達係だ!」
ルシファーは面倒そうに片手を上げた。
「宅配制度だ」
リュックの口がパカッと開き、中から牛乳瓶や食料──得体の知れない肉までごろごろと転がり出る。
「うわ……それ……大丈夫?」
ナユタが眉をひそめる。
リュックは胸を張った。
「大丈夫だ、俺様は保冷つきだからな!」
悪魔たちがまた声を重ねた。
「グシグシ……グフフ……ゲロ……キタナイ……」
ナユタが小さく頷く。
ルシファーがふっと笑った。
レビは苦笑して言う。
「そう見えるよね……」
リュックが怒鳴った。
「うるせぇ! お前ら味もわかんねぇくせに!」
リュックの叫びがアンダーグラウンドの入口へとこだまし、
湿った壁を伝って、遠くでまだ響いていた。
笑い声と怒鳴り声が混じり、闇の奥で溶けていく。
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