4-3 「黒翼の来訪」
こんにちは。今週は三連休なので、今日は2話。明日から月曜日まで1話ずつ投稿していきます。
よろしくお願いします!
店内には朝の冷たい空気が残っていた。
並んだ牛乳瓶が白い光を反射して、棚の奥で静かにきらめいている。
冷蔵庫の低い唸りだけが、静まり返った空間に響いていた。
レビは手を腰に当て、ナユタをじろじろと見た。
「あなたが噂のナユタね?」
「ほめないでよー」
ナユタが胸を張った。
レビが吹き出した。
「おめでたい人だね」
レビはカウンターから身を乗り出し、ナユタの横に並んだ。
背中をピンと伸ばして、ぴったりと背比べをする。
「んー、わたしのほうがちょっとお姉さんね」
「なっ!」
ナユタは思わずつま先立ちになった。
リュックが鼻で笑うようにジッパーを鳴らした。
「ガキ同士、仲良くしな〜」
ナユタが言い返そうとしたとき、空気が一変した。
朝もやを切り裂くように上空から白い光が差し込む。
羽音とともに天使たちが列を組んで降下してきた。
その先頭に黒いコートを翻す一人の影──アザゼルがいた。
レビが目を丸くして声を上げた。
「なに、あれ!」
リュックが震えるようにジッパーを鳴らす。
「おいおい、なんだよこの羽祭り…あの黒い奴は…」
ナユタは一歩後ずさり、息を止めた。
胸の奥がきゅっと縮む。
「……いっぱいいる……」
ルシファーがゆっくりと外へ歩み出す。
「今度は、なんの用だ」
天使たちが武器を構え、一斉に羽を広げた。
街路の空気がひやりと張りつめる。
その中でアザゼルだけが動かずに静止の手を上げた。
羽ばたきの音が止まる。
アザゼルの視線がナユタをとらえる。
「大きくなった」
ナユタは息を呑み、目を見開いた。
アザゼルはそれ以上なにも言わず、天使たちに撤収を命じる。
列が空へと舞い上がり、黒い羽が一片、地面に落ちた。
ナユタはその羽を見つめながら、小さくつぶやいた。
「あの仮面の人……だれ?」
ルシファーがうつむき加減に短く答える。
「昔の戦友だ」
黒い羽が、静かに風に流れていった。
空には、もう誰の影もなかった。
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