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10.『藍』の魔女

更新が遅くなりすみません!!

季節の変わり目と冬は持病と低気圧で動けなくなるんです…


あらすじを変更、誤字修正しました!

魔女は長寿なだけで不死ではありません!

不死なのはリッチです、2回くらい読み直して誤字がないか確認はしているのですが誤字しまくってすみません泣

復讐はつつがなく終えて、ちゃんと檻の中の様子も記憶結晶に収めた。


それは見事な地獄絵図で、肉の焼ける匂いから始まり3日後にはむせかえるような鉄の匂いで満たされた。

悲鳴や慟哭、何かを食べる音や硬いものが折れる音、絶えず響く絶叫も余さず記憶結晶に入っている。


約1ヶ月そのまま放置したあとは飽きてきたから趣向を凝らしてみたけど、つまらなくてすぐに焼却処分した。

全てが灰になり風を舞い、消えていった死の大地に残されたのは記憶結晶と私の消えない怨嗟の炎だけ。


妹がこの世界にもういないのなら、私がこんな姿でいたって仕方ない。かといってどんな工夫を凝らしてもこの炎が満足して消えることはないだろう。


なら、別の方法でこの中途半端な存在に終止符を打とうとした。魔物はズバリ、核を破壊すること。


魔物の核は人間の心臓みたいな役割で、壊されると存在が消滅する。

しかしこれが非常に厄介で、生半可に攻撃をしても壊れずに再生してくる大変優れもの(厄介なもの)である。


人間達が報復に来ても、各部隊の隊長でさえ核を少し削るので精一杯だろう。

怨嗟の炎から解放されないことは死の大地の一見で丸わかりだったことから、それならばと核を自分で壊そうとした。少し砕けたけどすぐにピカピカに再生して壊れなかった。



三日三晩全力を注いで自分の核と対峙したけど完全敗北した。

私が肉塊になっても核は綺麗なツルツルのままだった。本体が原型を留めてないのに心臓はツルツルってどんな原理だと突っ込みたくなるけど、ここまで頑丈なところを見るに魔物で言うところの本体は核なのかもしれない。


もう良い加減疲れてきてごろりといつぞやの草原に寝転がる。

いくら動いても骨折り損だし、これは私より強いものを探して、負けた時に核を壊して貰った方が簡単に解決するかもしれないなと、雲ひとつない青空を眺めながらふと思いついた。


そうだ、図鑑には魔王が魔物の中で1番強く、そのすぐ下に四天王と言われる魔王に直接血を分け与えられた魔族や四天王の配下がいるらしい。


ガバリと起き上がり思考を巡らせることに集中する。

魔物の森はそのままの意味で魔族に溢れている森だ。奥に進んでいけば、いずれ四天王にも会えるのではないか…と思いついた自分に思わずガッツポーズをする。


そうと決まれば即行動しよう、こんな状態でもし生まれ変わった妹と出会っても迷惑をかけるだけで何一つ良いことがないから、早くこの自分の意思と乖離している身体とおさらばしたい。




転移してサンハ聖王国側から魔物の森を歩いていく。

この森は奥深く進むにつれてどんどん暗くなっていき、背後の国が見えなくなる辺りまで進むと暗闇の中にいるような、光を通さない闇が広がっていく。


足元が見えにくくなる前に広範囲の光魔法を発動させる。辺り一面が昼の様に明るくなり、これで光魔法が弱点の魔物は近寄れなくなる。


彼らは闇の中で生活しているからか大半は光魔法が弱点になる。急激な光の刺激に彼らは慣れなくて身体にダメージを受けるからだと思う。

意思疎通のとれる様な魔物は光魔法が弱点ではなくなると捉えられているらしい。


そういう魔物達はこの森から出て人間に化けて知識を蓄え、また魔王のいる森に戻るからだと言い伝えられているが、真偽は定かではない。


奥に進むにつれて好戦的な魔物が増えてきた。

数が増えていくにつれて段々と四足歩行から二足歩行に変わっていく。見た目も獣から獣人、それから限りなく人間に近くなる。


魔力の塊と言って良いほどの魔物達は魔力探知でどこにいるか簡単に把握できるから、片っ端から襲いかかってくる魔物達を無詠唱魔法で一掃していく。


向かってくる個体数が増え、どんどん強くなってくる魔物達に不思議と高揚感が募ってくる。

無数に魔法が打てる、当たる、どんどん強い敵が現れて一撃では倒れなくなる。

そうなると魔法の威力が高いものへ切り替えていく。それに呼応するように魔物も強くなっていく。



もう何時間戦っているか分からないけど魔法を雨のように降らせながらどんどん森の奥へ進むと、こちらへ向かってくる強い魔物達が増えてくる、楽しい。


自動追尾性能付きの攻撃魔法を避ける魔物達も出てきた、楽しい。

身体を引き裂かんと魔法を避け切って懐に入り込んでくる魔物まで現れてきた!楽しい、楽しい……楽しい!!!


緻密に構成した攻撃魔法やデバフ向きの魔法まで複数同時発動して、向かってくる強者へ放つ。

懐に入り込む輩には光の剣で迎え撃つ。


避けてくる魔物達の着地地点にピンポイントで魔法を放つ、死角に向かって最大出力の魔法を放つ。

脇腹が抉れ、左腕が千切れ、右目が爪を掠って見えなくなった、右足がぐちゃぐちゃになった。

でも魔物は絶えず向かってくる。


いつのまにか声に出して笑いながら魔法を発動しまくっていた。身体もめちゃくちゃに動かして戦う。

この瞬間だけは炎に身を灼かれる苦痛がなかった、ただ楽しかった。

自分の意思で動いていると実感できるのが嬉しくて無我夢中で魔物達と死闘を繰り広げる。


意識がプツンと途切れた。






_______、______? ______。

誰かが話しかけている。うるさいな、寝かせたままでいさせてよ。


今だけは身体の中の炎がうるさくなくて気持ちよく寝られてるんだから。

どうせ起きても私の核は残ったままでしょ?それだったらもう寝たままでいいよ。私に構わないで。


そのまま目を瞑ったまま寝たふりをする。

________?___________。


声が途切れたと思ったら、口に何か入れられた。

丸くコロンとした何かが口の中に入った瞬間、叫びたくなるほどの苦味が襲ってきた。

「〜〜〜〜っ!?ッッ」


思わずぱっと目を開ける。この不快な苦味を口から排除しようと頭を動かしたら口を塞がれ、頭を固定される。相手は指しか動いていないから魔法を使ったのだろう。


新雪の様な、白銀のような髪をした女性が座りながらこちらを覗き込んでいる。目は赤紫、まるで妹のような綺麗な瞳の色をしている。


その色が懐かしくてそのままぼーっと眺めていると、その女性は私がまだ吐き出そうと画策しているように見えたのか話しかけてくる。


「吐き出さないで飲み込んでください。瀕死状態の人に食べさせると、かろうじて生き残れるようになる木の実なので。


痛み止めも今は持ってないので気合いで我慢していてください。私は魔女ですが、回復魔法は使えないのです。

なのでこの激渋ドリンクを飲んでついてきてください。とても不味い味ですが、身体に受ける魔法の負荷を抑えられます。


飲まないのでしたら無理やり口に突っ込みます。」


言うが早いか口に悶絶するほど苦い木の実が入っているのに、さらに味覚破壊させるように気を失いそうになるほどの渋い液体を飲まされた。しかもなんかトロッとしてて嫌だ。口の中の混沌をなんとかしたくて必死に飲み込んだ。


唐突すぎて頭の中が混乱していたのと、口の中の渋さとえぐさが消えなくて放心していた。現実逃避したくて遠い目もしていると思う。

そもそも時間が経てば勝手に身体は再生していくからほっといてほしかった。


私が再生しきったあとに見つけたのだろうか?と思い、身体を動かそうとしたけど左腕と右足の感覚が無いからまだ再生途中なのだろう。傷口が疼くとか違和感がなくて良かった。


あの吐き気がするほど苦い木の実と相手を失神させるために作ったのかと言わんばかりのえぐみのある液体はなんだったんだろう。

私が見たことない他国の新手の拷問だろうか?


飲み込んだのを確認したその女性は立ち上がり、周囲を照らす光魔法を発動した。「そろそろ行きますよ、あまりのんびりしていると彼らも戦闘欲を我慢できないでしょうし。」


こちらを振り返り指を一振りして浮遊魔法をかけられる、彼女の後をついて行っているので追尾魔法もつけているようだ。


明るい光の下、フヨフヨと身体が浮きながら女性の後をついていく。

なるほど、彼女は魔女か。普通の人間は3つ同時に魔法を使ったら廃人になると図鑑に描いてあった。


攻撃魔法や補助魔法を一つずつ発動させる分には問題ないのだが、種類問わず魔法を3つ同時発動すると脳が焼き切れて廃人になるらしい。


そもそも脳が焼き切れる前に人体の防衛機能で3つ同時発動できないけど。


つまり周囲を照らす光、浮遊、追尾を複数同時に発動している彼女は魔女で確定だろう。


図鑑でしか見たことがない存在だからとても興味深い。

本当の姿を見せていないだけで、人間社会に溶け込んでいる魔女は複数いると、この前どこぞのお偉いさんが言っていた。


彼女はどちらなんだろうか。ひっそりとしたところで暮らしているか、それとも王都のような賑やかな街に住んでいるのだろうか。


魔女一人一人によって気にいる場所も様々で、中には崖の上や海の上から海底、山の上まで幅広く生息しているらしい。


寿命が長いだけでほとんど人間と同じらしく、魔女も心臓を貫かれたり致命的な攻撃を受ければ死に至ると書物で読んだ記憶がある。記憶を取り戻す前はそれほぼ人間だからあんまり長寿関係ないやん!と思ったものだが、今はただ羨ましいと思った。


数十分ほどフヨフヨと運ばれて少し周りが明るくなったところに大木があった。木の根元のところに人が入れるような広さの穴がぽっかりと空いている。


彼女はそのまま進んで大木の中に入り、私が隣に並ぶのを待ってから術式を作動させた。

どうやら大木の中に設置型の転移魔法を張っていたらしい。


王都では専用の移動魔術師が交代で役目を担っていたが、彼女は1人で慣れたように起動させる。なんでこんなにスムーズにできるんだっけ?ああ、魔女だから1人でできるか。


欠損した箇所の再生に身体の機能が全て持っていかれているのか意識がぼーっとして頭がうまく回らない。ウトウトとしながらなんとか意識を保っていると、光に呑まれた。



転移先は魔物の森とは違った穏やかな森の中で、近くに大きな湖があった。森の中を少し進むと一般家庭よりは大きく、貴族よりは小さい一軒家があった。

家へと続く道に月花が咲いて脇にある石に光る苔がくっついており、足元がほのかな光に照らされている。


彼女はスイスイと歩いて行き家の中へ入る。

広めの居間を通り過ぎ、入り口に近い部屋の一室に寝かされたことで抗い難い眠気が襲ってくる。


「少し待っていてください、痛みを和らげる薬と、……を持って……ので。ちなみに…は…と…どちら………か?」

彼女が何か言っているが眠くてうまく聞き取れない。


「ん…んんー…?あり…がと…」とりあえずお礼を言っておく。


身体が欠損した時はすぐに深い眠りに入ろうとするから意識が飛ぶ前に転移魔法で安全なところに行き、結界を張るまでが日課だが、ここが安全だと理解したのか意識を保てなくなる。


寝てる間に再生しているらしく、いつもは目が覚めると特に違和感もなく身体が元に戻っている。

今は再生途中だったらしく、原型のある部位はくっついていたけど、欠損しているところはまだ再生できていなかった。


ということは欠損した部位を再生させるために、ベッドはモニョモニョ蠢く肉塊で覆い尽くされることになる。


その様を見て恐怖や気持ち悪さを感じたりとかは無いかなと心配になるけど、そもそも再生途中に起こしてきたのだから見ているかと気にしないことにした。

ところどころ内容が前後することがあるかもしれません。読みにくいところもあると思いますが、楽しんでいただけると幸いです。

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