豪雨
たまには、なんの意味もない作品を書いてみたくなった。
精神メンテナンス的なアレ。
ゆるく書いてみた。
ふとパソコンから視線を外に向けると、空は今にも降り出しそうな分厚い雲に覆われていた。
「あー……ゲリラ豪雨ってやつか」
スマホにも雷・大雨警報が流れてきた。これは降るな。
と思っていたら、本当に降ってきた。
しかし、降ってきたのだが……
「今より、投下訓練を開始する‼」
『イエッサー‼』
「ふぁっ!?」
なんと雲から無数の兵士がパラシュートで投下してきた。
「な、なにごと!?」
「我々の作戦の隠ぺいは完璧だ‼ 今日こそ日本に革命を起こすぞ‼」
『イエッサー‼』
「我らゲリラの底力見せてやる‼」
「イエッサー‼」
「この戦いに日本の未来が決まるんだ‼ 油断するなよ⁉」
「イエッサー‼」
「まさか、これが本当のゲリラ豪雨ってか⁉」
つぶやきを肯定するように、次々と落下するゲリラ。
すると、今度は別の雲から降ってきた。
『ウホォォォォォ‼』
「ゴリラァァァァァ!?」
森の賢者ことゴリラが降ってきた。
これではゴリラ豪雨である。
ゴリラたちはいわゆるスーパーヒーロー着地や五点着地など様々な方法で無傷で着地すると、次々に咆哮を上げてゲリラに襲い掛かる。
「くっゴリラたちめ‼ 貴様らの好きにはさせんぞぉぉぉぉぉ‼」
「なんで⁉」
ゲリラたちもゴリラに立ち向かう。
コンバットナイフを取り出し、ゴリラに襲い掛かるゲリラ。そのコンバットナイフを真剣白刃取りするゴリラ。
マシンガンを撃ちまくるゲリラ。銃弾を軽やかに寸前で避けるゴリラ。
戦車でゴリラをロックオン。ファイア! するゲリラ。砲弾の回転に合わせて威力を抑え、受け止めるゴリラ。
「ゴリラすげぇ!?」
ゴリラが器用さを十二分に活かしながらゲリラに対抗する。
ゴリラの圧倒的な腕力の前に、次第にゲリラは追い詰められていく中、一人のゲリラが楽器を持ち出した。
「こうなれば音楽で対抗だ‼」
「なぜに!?」
超展開を他所にゲリラは即興でバンドを組んで演奏を開始。ゲリラライブである。
ゴリラも負けじとドラミングで対抗する。
互いのセッションが交わり合い、偶然にもハーモニーが生まれ始めた。
すると音楽を通じ、ゲリラとゴリラの間には友情が生まれた。
「戦いは無意味だ。やめよう」
「ウホッ」
「いや、意味わかんねぇよ⁉」
降りしきる雨の中、彼らはいずこかへと立ち去って行った。
すべてのゲリラとゴリラが立ち去ったのを確認し、男はふと大切なことを思い出す。
「やべっ、洗濯物取り込んでなかった」
思った通り、洗濯物は全滅していた。
『本日限りで無能な政治家は全員辞めてもらう。新しい日本の誕生だ‼』
『うぉぉぉぉぉ‼』
あと革命は成功した。消費税が少し下がり、日本はちょっとだけ良くなった。
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