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第一話 終わりの始まり

週1くらいで投稿していく予定です。

よろしくお願いします。


2050年10月5日16時19分


残暑。

鬱陶しい夏の暑さは9月中にさり、気持ちの良い涼しさへとすっかり変わり果ててしまっていた。

最近の夏は本当に暑いし長いし、今年は特に酷く9月になっても30度を超える日が多かった。

昔はもっと暑さが続いていたと聞くが、本当に人間が地球全体に与える影響というものは大きなものだ。


そんなことを考えながら俺は一人、賑わう街を冷静に見つめながら、あらかじめ決めておいたルートを一定のペースで巡回し続ける。

着々と傾き続ける太陽とは対照に、日曜日の夜に向けて徐々に街が賑わっていく。

まだまだピークはこれからだ。

これから何が起こるのかはわからないがなんだか浮ついた、そわそわしたような雰囲気が漂っている。

この様子。カップルが多いからだけではないだろう。

何かイベントでもあるのだろうか。

何も起こらなければそれに越したことはないが━━━━━残念ながらそうはいかないみたいだ。


何かが発生した時にこの街の安心安全を守るのは、この地域を担当している事務所所属のヒーローである俺たちの仕事だ。

この街にいる魔物は1匹残さず洗い出してすべて片付ける。

たとえ人を襲う前だったとしても必ず。


「こちら、まだ魔物の気配はなし。他も報告を頼む。」

『こちらはない。』

『こちらもまだない。今日は遅くなりそうだ。くれぐれも気を抜くなよ。』


“まだ“という含みのある言い方。

なんだか怪しい雰囲気ではあるのだが、肝心の魔物は出てくる気配がない。

それは別行動をしている煌も俊介&凪も少なからず感じているのだろう。

一応魔物以外、主に犯罪者がこの街で他の人間に危害を加えるなどという事件があったという場合も、事態を収束させる、犯罪者を捕まえるということまでは俺たちの仕事である。

気を抜かずに先ほどよりも確かな足取りでこの街を巡回する。

昼のパトロールはよく担当するが、夜のパトロールは大体一週間ぶりほどだ。

秋になり短くなった日とも、落ち着いた気温とも裏腹に、今日は長い長い落ち着かない夜になりそうだ。




★★★




2050年10月5日18時32分


警戒していた駅のすぐ目の前のこの街で一番大きな交差点の向こう側、駅側に怪しげな男を発見し、少し前から見張っている。

6時になる前からずっと駅舎に寄っ掛かりっぱなしで、ずっとスマホを見ており、周囲を警戒している様子だった。

最初に見かけたときからなんだか落ち着かない様子で少し怪しいなとは思っていたが、30分以上居座り続けていたため、皆に報告をした上で見張りを開始した。

誰かと待ち合わせしているのか等は全くわからないが、何かを企てているのは間違いなさそうだ。

皆に報告した際に、巨大な交差点を隔ていたとしても余裕で届いてしまう射程範囲がデカすぎるビームを連発できるめちゃつよ魔法使いの煌とともに見張ることになった。

今は煌と合流し、こちら側、駅とは反対側にある、この街の中で一番大きな総合スーパーの店内で待機しながら見張り中だ。


「煌、どうだ?あいつは強そうに見えるか?」

「あんまし筋肉もなさそうだし、多分こちらの攻撃が当たりにくい、例えばスピードアップとかっていう系統の加護を受けたように見えるね。奇襲でビームを一発打って当たるかどうかってところかな。」

「俺はお前のビームより速い攻撃見たことねえから流石に大丈夫だろ。あいつ、やけにキョロキョロしてるところも手練には見えないし。」

「結局加護次第ってことだよ。」


なるほど。

ただこれもあの男が何かを仕掛けてきたらの話。

とりあえず奴が何かをするまでは待ち続けるのみだ。

我慢比べだな。

どんなことをしようが、どんな奴であろうが、この街で犯罪を犯すやつは必ず捕まえる。




★★★




2050年10月5日8時0分


ついにあの男が動いた。

ここからはよく見えないが何かに光が反射しているということはなんとなく見えた。

恐らくナイフだろう。


「煌、いくぞ。」


煌を連れて、車がビュンビュンと走り抜ける交差点の前で、何があったやら、楽しかったねなど、とざわざわと話す人たちの人ごみの中に紛れ込んだ。

向かいの赤く光る信号機の下には例の男がいる。

今からこの街で何かをする人はほぼいないため、見失うことはなかった。

誰かを狙っている様子もないため、駅へ向かっている人たちをとりあえず誰でもいいから刺そうという狙っているのだろう。

無差別殺人。正直殺人の中でも最悪のケースだ。

車道の信号が青から、黄色、赤、と順に変わった。

そして歩道の信号は赤、青と一瞬の内に変わった。

何かの始まりのスタートを表しているようにも見えた。

少しずつ男との距離は近づいていく。

手汗を服で拭う。

男は何故か不敵な笑みを浮かべている。

人を殺めることも、その後自分が捕まって自分が死ぬことになっても、何も恐れていないような勝ち誇ったような笑みだった。




わかった。


何もかもが。


そして俺は俊介にイヤホンを繋げて、手短に話さなければならない真実を話した。


『おとなしく聞いてくれ━━━━━━━━』

樹 18歳 

煌 16歳 魔法使い

俊介16歳

凪 16歳

次の話も見てくれたら嬉しいです。

わしの傑作です。


あとなんか色々よろしくお願いします。

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