「手の内」なる虚構
軍研に何時ものようにキヨさんの記事があった。
カール・グスタフM3の購入に関する記事だが、まあ、それを読んで首を傾げてしまう内容があったのだが、ナゼ、予算やら計画を幕(制服)や局(背広)の問題として、自衛隊や防衛省叩きをやってるんだ?
叩き内容自体が間違いとは思わん。
確かに、普通の計画ならば全体像を示してその整備計画を書いていくのが普通のやり方だから。
で、そこで問題となるのは、制服や背広の話しなのかというと、そうではない。
キヨ曰く、全体像を示さず中期防や単年で僅かばかりの調達を計画し、それをチマチマ進めようとするから、メーカー側がモデルチェンジや生産停止すると困った事態になる。
全体像を示して総調達数をまず示していれば、メーカー側の説得や交渉も楽になるではないかというのは、まあ、その通りだろう。
事実、カール・グスタフは20世紀に開発されたM3からさらに軽量化を推し進めたM4へとモデルチェンジしており、日本の調達はあまりにやり方が杜撰でコスパが悪いという指摘はその通りである。
単年度主義の弊害だし、僅か5年しか見通さない中期防衛力整備計画にも漏れや問題は存在している。
更に、ゴタゴタが起きたアパッチ導入の最大の問題も、メーカーがモデルチェンジをするという頃になってようやく旧型の生産ラインを国内に設け、二進も三進も行かなくなり、請負ったスバルと裁判沙汰にまで発展する大失態を演じた。
カール・グスタフも下手をすれば似た状態になりかねない話しだったが、その根源は全体像を示して総調達を明示しなかっかった事にある。
うん、その事に異論はないんだけど、だから、幕が悪い。買い物下手だって話しで終わらせるの、おかしくないか?
これは文民トーセーの根幹の話しよ?
ヤフコメには「難しい話はセンモンカに任せれば良い」やら、「敵に手の内を晒さなくて良い」というバカが沢山生息している。
残念ながら、これは文民あるいは主権者として不適格と言わざるを得ない。
そもそも、センモンカなる生モノに無謬性を求める事自体が間違いなのだが、それすら理解出来ていない。
センモンカなる生モノが言うとおりにやれば全て良いなら。ミンス主義など不要だし、セージカすら要らん。
文民トーセと言うなんかよく分からん制度は、軍がボーソーとやらをしたから設けられたのではないのか?
軍事のセンモンカとは、軍人ではないか。その軍人がボーソーしたから文民トーセーなんだろう?
言ってる事が本末転倒だよ。
だったら、下手な批評もコメントも要らん。そもそもそんな稚拙で無益な言葉はタイパが悪いだろ?
そして「手の内を晒さなくて良い」などと意味不明な供述をして、誰が真に受けるんだね?
兵器の数や兵数なんぞは編成表みりゃ判る話で、ちょっとその辺噛じれば誰でも知ってる。
例えば、10式戦車には120ミリ砲が積まれ、16式には105ミリ砲が積まれる。戦車隊や偵察隊の数は決まってるから、74式や90式、87式をどうするかで調達数の計算も可能になる。
これ、「手の内」かね?砲弾威力や詳細な装甲性能を出せって訳でも無いから「手の内」にはならんよ。
しかし、その総調達が示されない。
文民トーセーから見たらあり得ない話だよ。
だって、家を建てる。マンションを借りる。その時に「費用は建ててみないと分からないのでローンは変動するよ」とか、「賃料は来月の補修費用が分からないから払う時に決める」なんて、言われて納得するかね?
予めそれらを見積もり済ませて契約するだろ?
契約責任者は誰よ。文民トーセーなんだろう?
セージカが「契約内容なんて知りません。アレは防衛省の案件だから」ってのが文民トーセーかね?
キヨはそれで良しと済ませてんだが、んなわけあるかいな。
センモンカなる曖昧な連中の言いなりでパケ内容すら確認せずにスマホの契約するんだろうか。身近な話に置き換えて考えれば解るだろうに。
そんな当事者意識がないまま、嫌中だの反北だのって感情論のみで脊椎反射してるからオカシな話しを真に受けるんだよ。
その前提として「手の内」を考えれないといけない訳だが、自分達は何も知らなくて良い。議論の内容が「手の内」だって認識されてるのがもはやアリエナイ。
そりゃ、買い物の際に仕入れ値が幾らで、ナゼ売値がこの額かって話しをする奴は居ないし、普通はしない。「手の内」って、仕入れ値や利益率だよな?販売価格すら話に出してはイケないって話しではない。
しかし、センモンカに任せるから「手の内」である山田とKsの価格差すら話しをしませんよ。と?
バカか?
「手の内」の内容をまるで理解していない。身近な買い物に置き換えて考えればすぐに解るだろうに。
センモンカの無謬性を前提にした話しをしているから、こんな馬鹿げた事に疑問を抱かない。
しかし、責任者はセンモンカとされる幕や局の武官や文官。イワユル官僚ではなく、政治家であり、それを選ぶ主権者とケンポーに書かれている国民自身な事を忘れているんじゃなかろうか。
結局のところ、「手の内」なるものは官僚の無謬性を前提にそう思わされているに過ぎない。
センモンカは何も日本にだけ居るわけではなく、中国や北朝鮮のセンモンカがヤフコメ民よりアホや無知な訳では無。公表されている資料から推察、算出出来る情報など、隠すべき「手の内」の範囲には当たらない。
一般企業や身近な買い物に置き換えて考えれば解るだろうにね。
そうした常識をセージやボーエーに求めるのは普通の事だし、ボーエーが特殊な話しって訳でも無い。
変に特別扱いして見ようともしない。その姿勢は戦前の軍部の暴走とやらと、何がどう違うんだぃ?
ちょっとネットを漁ればポーランドが何両の戦車を輸入する。フィンランドが何発の巡航ミサイルを輸入するって記事に出会うはずだ。
今、「手の内」としている内容など、外国の公開情報から紐解けば、自衛隊の編成や規模なら戦車は何両調達して、巡航ミサイルなら何発買いそうかは推察出来る。
外国が公開している程度の情報なんて「手の内」ではない。
いつになればそんな当たり前に気がつくんだろう?
さて、ちょっと余談だが、もう一人の有名人、文ちゃんの記事にあったヤフコメがまた論理逆転してたから、その話を少し書くと、
輸出出来ずに価格高騰するから輸入で良いって、本末転倒だからね?
輸出出来ないってのは、国内企業が他国同業と提携や協力出来ないって事よ?
高くても国産するしかないじゃなか。
逆に、輸出が可能ならば、他国同業と提携や協力して容易に商品や部品、設備が融通出来るから、海外商品を輸入しても遣り繰り出来る。何となればメーカー同士が提携、協力すれば済むからね。
何でこうも発想がチグハグなんだ?