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秘封俱楽部活動記録 ~Last Occultician~  作者: 伽藍堂本舗
第一章『時代遅れの異世界転移』
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ランクマッチ

 合図と同時に銃を抜き、引き金を引く鈴仙。放たれた銃弾をフランは容易く打ち払う。銃弾を躱し、懐へ飛び込むフラン。即座に発砲する鈴仙。後ろへ跳躍したフランを蹴り飛ばす鈴仙。だが、着地と同時に鈴仙へ向けて弾かれたように突進する。鈴仙が引き金を引くより早く、フランは蹴りを放つ。だが、フランの蹴りは鈴仙をすり抜けた。柱が蹴り砕かれる。




 「幻影?」




 冷静に周囲を観察するフラン。辺りに鈴仙の姿は無い。フランが横へ跳ぶ。同時に鈴仙がナイフを突き立てる。すぐにナイフを蹴り飛ばすフラン。




 「外した……」




 その言葉とともにスゥッと消える鈴仙。フランは蹴り飛ばしたナイフを拾い上げ、握り潰す。辺りを警戒するフラン。


 ──次の瞬間、五人に増えた鈴仙が一斉にフランへと襲い掛かる。


 直後、フランを中心にドーム状に広がった()()によって鈴仙は吹き飛ばされ、コンクリートの壁に激突する。




 「どうやらあなたの魔導は私の魔導と相性が悪いみたい」


 「らしいわね」


 「降参する?」


 「遠慮しとくわ。まだ勝負はついてないもの」




鈴仙の瞳が鮮やかに光り輝く。直後、フランの視界が黒で塗り潰される。




「こういうこともできるのね、幻影って」




 自分の身に起きた異常を即座に見抜くフラン。しかし、理由が分かったところで視界は奪われたままだ。一方、鈴仙はフランの背後に回りつつ、そっと二本目のナイフを抜く。

 乾いた破裂音が響く。投擲されるナイフ。その両方を完璧に捌くフラン。直後、フランに組み付く鈴仙。一気にフランを締め上げる鈴仙。だが、フランは鈴仙ごと立ち上がる。片腕で鈴仙を引き剥がし、叩きつける。地面に激突した鈴仙はそのまま気絶する。




 「鈴仙・優曇華院・イナバ、戦闘不能。よってフランドール・スカーレットの勝利」




 そう紫が宣言すると同時に『勝者、フランドール・スカーレット』という文字がディスプレイ上でチカチカと点滅する。




 「これ、鈴仙は大丈夫なの?」


 「はい、異空間内での出来事は現実に影響しないので」




 ふと正面を見ると紫が何かを話そうとしていた。菫子はそちらに意識を向ける。




 「続いて新入生・転入生の魔導適正検査を始めるわ」




 ──魔導。先ほどの戦いを見る限り、能力バトルに登場するような特殊能力のたぐいなのだろう。だが、詳しいことはさっぱり分からない。




 「気になりますか? 適性検査」


 「まあ、かなり大事なことみたいだし」


 「そうですね、魔導は大事ですから……」


 どこか寂しそうな麟。麟に一言断って菫子は列の最後尾に回る。しばらくすると検査後の列が伸び始める。頃合いを見て瞬間移動(テレポーテーション)する菫子。検査を躱した菫子は流れに任せて進んでいく。生徒の流れから抜け出した菫子は廊下の端に寄る。そうしてしばらく待っていると麟が駆け寄ってきた。




 「お待たせしました、菫子さん」


 「結構遅かったわね」


 「生徒の流れから中々抜け出せなくて」


 「そう」


 「ところで私たち、部屋が一緒のようです」


 「部屋って学生寮の?」


 「はい、凄い偶然ですよね」


 「部屋番号とか分かる?」




 瞬間移動(テレポーテーション)するために場所を尋ねる菫子。その時、背後から声をかけられる。振り向くと黒のワンピースを着た女生徒が立っていた。

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