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秘封俱楽部活動記録 ~Last Occultician~  作者: 伽藍堂本舗
第二章『騒音塔は眠らない』
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騒音塔は眠らない

──騒音塔。一階。


 上階から降りてきた霊夢を見て魔理沙は撤退を決める。そんな魔理沙をあえて霊夢は挑発する。



 「まだやるなら私が相手になるけど?」


 「無茶言うなよ。私はおさらばさせてもらうぜ」


 菫子は魔理沙を引き留めようとするが、魔理沙はそれを無視する。


 「じゃあな」


 その直後、先ほどまで魔理沙が居た場所にボロボロの雑誌が出現する。菫子はすぐさま後を追おうとするが、霊夢に止められる。


 「やめときなさい」


 「麟を狙うやつをみすみす逃せっていうの!?」


 「アイツなら必ずまた現れるわよ」


 それに、と言って霊夢は菫子を指さす。


 「何よ」


 「ボロボロだって言ってるのよ。防戦一方だったんじゃない?」


 言葉に詰まる菫子。全力だったにも関わらず、魔理沙は余力を残していた。攻撃も当たりはしたが、決定打にはなり得なかった。戦闘の経験値が違いすぎた。明らかな格上だった。


 「あのままやり合って勝ててたワケ?」


 容赦ない霊夢の言葉。霊夢もまた今の菫子が勝てる相手ではない。仮に万全の状態であっても勝率は限りなくゼロに近いだろう。


 「意地を通すなら強くなりなさい」


 そう言って霊夢は振り向く。ちょうど麟が下りてきたところだった。麟の無事を確認した菫子は全てを飲み込み、霊夢に小さく感謝を述べる。


 「ん」


 そう言って霊夢はスタスタと出口に向かう。トボトボと霊夢の背中を追う菫子。慌てて二人を追う麟。外に出た三人を出迎えたのは空間の裂け目にもたれかかる紫だった。


 「無事で良かったわ」


 麟の方を見て紫は安心したように言う。霊夢さんと菫子さんのおかげですと言う麟。菫子はなぜ麟が狙われたのかを尋ねる。霊夢も麟を親指で指さしながら菫子と同じように尋ねる。麟は黙って紫を見つめる。だが、紫を首を横に振る。


 「そう。じゃあ仕方ないわね」


 それじゃ、と言って霊夢は立ち去る。紫は残された麟と菫子に学園へ戻るよう促す。麟は振り返り、騒音塔を見つめる。そして、紫がもたれかかる裂け目へと足を踏み入れる。続けて裂け目に入る菫子。裂け目の中は確かに上下や地面は存在するのだが、浮いているような感覚を覚える奇妙な空間だった。


 「これが学園長の魔導?」


 「私の幻想(レヴァリエ)の力のほんの一部だけれど」


 「ふぅん……」


 不可思議な空間を歩く三人。少しすると先頭を歩いていた紫が立ち止まる。手にした扇子を定規で線を引くように横に動かす。すると何もなかった空中がぱっくりと割れる。躊躇なくその裂け目に入る紫。麟と菫子は紫と同じようにおそるおそる中へと入る。


 「ここは寮の前ですか?」


 裂け目の中へ入ったはずがいつの間にか寮の前に居た二人。そんな二人に紫は気を付けて戻るのよと一言残し、再び裂け目の中へ入る。ほどなくして裂け目が閉じる。先ほどまで大きな裂け目があったにも関わらず、そこには何もなかった。不可思議な魔導を前に首をひねる菫子。


 「戻りましょうか。菫子さん」


 麟のその言葉で我に返る菫子。二人は門をくぐり、階段を上って部屋まで戻る。窓の外はすっかり暗くなり、夜の訪れを感じさせた。傷の手当てをし、二人はいつもより早くベッドに入る。寝息を立て始める菫子。麟は横になりながら昼間のことを回想していた。


 騒音塔。レイラ・プリズムリバーによって生み出された三姉妹が幽閉された生みの親を慰めるために演奏を続ける塔。こうしている今も三姉妹は演奏を続けているのだろう。昼も夜も明日も明後日も関係ない。演奏に終わりはない。


 ──騒音塔は眠らない。

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