第三話「接敵」
正式に魔導師の弟子となったレビィ、一夜明けていざ出発と行きたい所だが・・・?
レビィの送別会が終わり夜が開け村に朝が訪れた。
メルとカナンは出発する前にレビィの父親の墓参りに来ていた。村の墓地には一つ真新しい墓が出来ていてそこには
「誰よりも他者を愛し他者に愛された夫テルス・ロットここに眠る」
と彫られており左右に溢れんばかりの花が添えられていた。
「流石に出来たばかりとは言え手向けられてる花が多すぎないか?。墓より花の方が目立ってるな。」
メルが苦笑いしながらこぼすとテルスの墓にワインを置いた。そしてすぐに立ち上がって隣の墓に向かった。
「あれ、何か報告とか無いんですか?」
カナンがメルに聞いた。
「そこにはアイツは埋まってないからな、それにアタシが来たかったのは…こっちの方さ。」
そこには
「自分への向かい風すらも誇りとした気高い妻ロタ・ロットここに眠る」
と書いてあり墓にはきれいな一輪の花が添えられていた。
「先客がいたみたいだな。」
「多分レビィ君ですね、出発の挨拶をしたんでしょう。」
メルは墓の前に片膝をついた。
「安心してくれ、アンタの息子は必ず魔導士にしてみせるよ。たとえ何があってもね。」
一方カナンはテルスの方の墓に片膝をついていた。
「今の俺がいるのは全部貴方のお陰です。だから貴方の大事な息子さんは絶対に守ります。」
二人共10秒程祈るとすぐに立ち上がりレビィの待つ村の玄関口に向かった。
村の玄関口には村人の全員が集まりレビィを見送ろうとしていた。
「あ!来た、おーいカナンさーんメルさーんこっちでーす!」
レビィが大きく手を振り二人を呼んだ。
「ごめんなレビィ、待たせちまったみたいで…なんだその大荷物。」
メルが指さした方にはレビィの鞄があり今にも弾けそうなくらい膨らんでいた。
「ア…アハハ、一応ちょっと前までは鞄に全然余裕がある状態だったんですけど村のみんながあれ持ってけこれ持ってけって感じでどんどん増えちゃって…」
「な…なるほど…まぁいいさ、早速行きたい所だけどその前にレビィにこれをやるよ。」
メルは自分の荷物から黒いローブと三角帽子を取り出した。
「流石に魔導士の弟子が普通の格好ってのはどうもしめしがつかんからな、これだけでも身に着けてくれよ。」
「あ…はい!分かりました。」
レビィはローブを羽織り三角帽子を被った。
「うん、似合ってるぞレビィ。じゃあ早速行こうか。」
メルがレビィの頭をポンポンと叩いた。
「あ…ありがとうございます。」
レビィは照れながら鞄を背負ってミラやモンドに達に挨拶をした。
「じゃあモンドさんお世話になりました。」
レビィはモンドの手を握った。
「い…いつでも…グスッ帰ってゴホッきてもいいんだからなレビィ。」
モンドは顔は涙と鼻水でくしゃくしゃだった。
「全くこのデカブツは…ちなみにメルさん、まずはどこに向かうんだい?」
「ひとまずは隣町のイグロを目指すよ。商業が盛んな所と聞いてるからそこで食い物とか必要な物を調達する予定だね。」
「そうかいそうかい。それじゃあメルさん、レビィは本当にいい子だ、もしこの子を無駄に悲しませたら私は化けて出てでもあなたを追いかけるからね。まぁとにかくこの子をよろしくね。」
「あぁ、分かってる。任せて…ッ!」
メルが唐突に村の外に振り向いた。それとほぼ同時にカナンも同じ方を向いた。
「ど…どうしたんですか二人共?」
レビィが二人に問いかけた。
「モンド、村人全員こっから離れさせる様に言ってくれ。」
メルは張り詰めた空気を出しながらモンドに言った。
「え?ど…どうしたんだいきなり、向こう何かあるのか?」
モンドは状況が掴めず混乱気味だった。
「魔法騎士団です。それも凄い大物が。」
カナンも緊迫した面立ちだった。
「だから俺は契約書を書くのは反対したんですよ師匠。」
カナンはメルを横目で見た。
「うるせぇな、アタシだってたった一夜で来るとは思わなかったんだよ。とにかくモンド、村人の避難を頼む。もしかしたらここで暴れるかもしれん。」
「わ…分かった!任せてくれ。」
モンドは村人に対して玄関口からの避難を始めた。
「あ、僕も手伝うよモンドさん!」
レビィはモンドを手伝おうとした。
「待てレビィ!お前はここにいろ!」
メルがレビィを呼び止めた。
「で…でも皆を巻き込むワケにはいかないです!」
「奴らの目的はあくまでアタシとレビィだ、だから村人と離れた方が安全だ。お前の気持ちも分かるが今はカナンの近くにいろ!」
「は…はい、分かりました。」
レビィはカナンの後ろに立った。
「安心してよレビィ君、何があっても君を守るから。何かあったら俺を盾にしてもいいから。」
カナンがレビィに優しく言った。
「レビィ君、見てご覧、あそこにいるのが魔法騎士団だ。」
カナンが指さした方を見ると白い鎧を身に着け先頭の男以外は杖を持って村に向けて歩いて来ていた。
「数は五人か、と言っても見た感じ強いのは一人だけみたいだが…」
メルは表情は笑っていたが穏やかな雰囲気では無かった。
「その強いのが問題ですね。まさか北部支部の騎士団長が来るとは…」
カナンは冷や汗をかいていた。
「北部支部?…それに今騎士団長って言いました?」
レビィは何のことが分からず置いてけぼりだった。
「魔法騎士団は大きく分けて東西南北に支部があるんだ。それで今来ている連中で先頭にいるのが魔法騎士団の中でも人望、実力共に歴代最高と言われてるラティ・オールだ。しかし何でこんな片田舎に来てるんだ?」
メルは頭を抱えて悩んでいた。
「に…逃げるとかは出来ないんですか?」
レビィが二人に提案した。
「残念だが無理だ。とても見逃してくれるような優しい奴じゃないからな。やるしかないな。」
メルは若干足を開き臨戦態勢をとっていた。
「あ…あのメルさん!これが無いと戦え無いんじゃないですか?」
レビィは昨日メルから貰った杖メルに見せた。
「ん?あぁ大丈夫さその杖はアタシのお下がりだけどお前にやるよ。それにアタシにはこいつがある」
メルが羽織っているローブの左側を少しずらすと腰に豪華な宝飾が入った剣が差さっていた。
「え?剣?」
レビィは目を丸くしていた。
「魔導士が持つのは意外か?でも剣は慣れれば触媒の中では戦闘用として最高だぞ。」
メルの説明が終わる頃には魔法騎士団はすぐ近くまで来ていた。その中の先頭を歩いていたメルと同じく腰に剣を差したブロンドの髪が美しい男が一歩前に踏み出した。
「君がレビィ・ロット君だな。」
男が切り出した。
「は…はい、そうです。」
レビィはカナンの後ろからたどたどしく答えた。
「ようラティ、お久しぶりってとこか?」
メルが気さくに話しかけた。
ラティと呼ばれた男はメルを睨みつけた。
「アルスター…貴様はいつも犯罪スレスレの行動ばかりだったが結果的に人助けをしていたから注意で済ませてきたが今回ばかりはそうはいかないぞ。貴様の行動は魔導士法第一条「国の認めた資格なき者を弟子にしてはならない」に反している。大人しく投稿するなら裁判ぐらいなら受けさせてやる。抵抗するならこの場で処罰する。」
ラティが剣を抜くと空中に光の塊が表れたかと思うと剣の様な形になり切っ先がメルに向いた。
「お気遣いどうも、だけど処罰も裁判も遠慮させてもらうよ。だから力づくでも通して…」
メルが言い終わる前に光の剣が飛んで来た。
「ッ!」
メルはとっさに腰の剣を抜き光の剣を弾いた。
「つれないなぁ、最後まで言わせろよ。」
メルの周りにラティと同じ様に黒い塊が浮かび上がり剣の様な形になった。
「カナン!レビィと残りのザコは任せた。ケガさせたら承知しないぞ。」
「分かってますよ。レビィ君、なるべく動かないでね。」
カナンは自分の杖を構えた。
その様子を見たラティが自分の部下達の方を見た。
「おいお前達、もう一人の方は説得してみろ、駄目なら多少手荒な手を使っても構わん。。最悪レビィの確保だけでも良い。」
「ハッ!」
ラティの部下達はカナンに近づいて来た。
「カナン殿、まだ魔法使いでありながら氷の貴公子とまで言われている貴方がこれからの未来を全てを投げ出す事もないでしょう。どうかその子をこちらへ。」
騎士団達はカナンに交渉を持ち掛けた。
「え?氷の貴公子って何ですか?」
レビィがカナンの方を見た
「周りが勝手に呼んでるだけさ、大したものじゃないよ。それよりも…」
カナンは騎士団の方を見てニヤリと笑った。
「お前達、俺の事を気遣ってるふりなんかせずに正直に言ったらどうだ?俺には勝てないからこの子を渡してくれって。」
「…私達個人の力ではあなたには勝てないでしょうがこの場にいるのは全員火属性の魔法使いです、たとえ貴方が水属性も使えるといってもこの数では不利なのは目に見えていると思いますがそれでも我々と戦うと言うのですか。」
騎士団は最終警告ともとれる物言いだった。
カナンはそれに杖を向け沈黙で答えた。
「分かりました。では覚悟してください、行くぞ皆、後ろの少年には当てるなよ!」
騎士団達が杖を全員が同じ様に構えると地面に赤い五芒星が表れた。
「太陽を巡りし紅炎よ、奴の灰すら残すな!プロミネンス!」
五芒星から血の様に赤い炎が放たれカナンの方に向かって来た。
「来…来ますよ!」
カナンの後ろにいたレビィは後ずさった。
「大丈夫、じっとしてて。」
カナンは杖を構えた。
すると巨大な氷塊が地面から現れて炎と氷がぶつかり合うことで蒸気が出来て周りが何も見えなくなった。
「くっ!当たったのか?これでは何も見えないぞ。」
「駄目です!この中では何も見えません!」
騎士団達は狼狽えて動けずにいた。
一方カナンは氷のドームを作りレビィと一緒に入っていた。
「えっと…これからどうするんですか?」
騎士団と同じく何も見えない状況にレビィも狼狽えていた。
「大丈夫、もう勝ったから。」
「え?それってどういう…」
レビィが聞くよりも先にカナンは杖を構えた。
「これだけ蒸気が出ていると作り放題だな。
水達よ雹へと姿を変え災害となり降り注げ!ヘールストーンズ!」
カナンが魔法を唱えると蒸気の中の水分がどんどん固まり大粒の雹に変わり降り注いだ。
ドドドドと凄まじい音を鳴らしながら沢山の雹が地面にぶつかりその衝撃で土煙がたち更に視界が悪くなっていった。落ちて来た雹はカナンの作った氷のドームにもぶつかりヒビが入っていくがカナンが手をかざすだけですぐに修復された。
蒸気も土煙も晴れると地面にはボロボロになっていた騎士団達が転がっていた。
「うぅ…」
「ほ…骨が…」
全員生きてはいるがとてもすぐには動ける様には見えなかった。
「よし、片付いたな。」
カナンはローブについた土埃を払いながらレビィに振り向いた。
「言ったろレビィ君、こいつらが俺には勝てないって。さて、師匠の加勢に行かなきゃな。」
カナンは4人を一気に打ちのめしたとは思えない程落ち着いた表情でメル達の方を見た。
「ッ!伏せて!」
カナンがレビィの前に立ち、一瞬で氷の壁を作った。それとほぼ同時にその壁にメルが突っ込んで来た。
ガシャァンと音を立てて氷の壁に亀裂が入る。
「いってぇ〜、ん?おっどうやらそっちは片付いたみたいだな。」
メルは背中を擦りながらカナンが倒した騎士団達を見た。
「はい、ですので俺も手伝いますよ。」
カナンは杖を構えて先程までにメルがいた方を向いた。
「いや、アタシだけで十分だ。」
メルは一旦剣を置きカナンの構えた杖を右手で抑え左手でローブに付いた土埃を落としていた。
「…大丈夫ですか?」
カナンはメルを心配そうにじっと見つめていた。
「応とも、とりあえず引き続き荷物とレビィ頼む。」
そう言うとメルは剣を取り上に掲げると剣が黒く染まっていった。
「フンッ!」
剣を一気に振り下ろすと黒い衝撃波が出てきてメルの方まで歩いて来ていたラティ目掛けて飛んでいった。
ドォンと大きな音を立てて土煙が巻き上がったが何事も無かった様にラティは表情一つ変えずに歩いて来た。
「あーもどかしい!お互い様とは言え全力を出せないってのはイライラすんなぁもぅ!」
全く有効打になっていない様子にメルは頭をガリガリかいた後に剣を構えて突っ込んだ。
飛び上がって振り下ろされた剣はあっさりと防がれつばぜり合いとなった。
メルはニヤリと笑うと彼女の影から槍の様な線がラティ目掛けて伸びていった。
「ちょこざいな!」
ラティは後ろに下がって影をかわすと更に伸びてくる影に剣を向ける剣先がと強い光を放ち影をかき消した。光が消えるとメルの姿が無かった。
ラティは直ぐ左右を見渡す、それとほぼ同時に彼の頭上が暗くなった。
「上か!」
ラティが上に向けて剣を突いたが刺さったのはメルの着けていたローブだった。ラティが直ぐにローブをはらいのけるとローブよりも高い所にメルが無数の黒い玉と共に浮いていた。
メルが剣を掲げ振り下ろすと黒い玉が降り注ぐがラティは自分に当たりそうな物だけ瞬時に見分けまた光の剣を出して相殺しそのままメルへと飛ばした。
「ちぇっあっさり見破られた。」
メルはばつの悪そうな顔をしながら飛んで来た光の剣を落下しながらひらりとかわしまた切りかかり二人は魔法が殆ど関係なさそうな切り合いを始めた。
その様子をレビィとカナンの二人は少し離れた所で見ていた。
「あの…カナンさん…あれって魔法を使った戦いなんですか?」
レビィはメルとラティの切り合いを見ながらカナンに聞いた。
「一応二人共魔法を使ってるよ、今は身体強化の魔法のみだけど。魔法使いらしからぬ戦い方が好きだからなぁあの人達は。しかし…」
カナンは顎に手を当てた。
「何で師匠は闇魔法しか使わないんだ?タダでさえ全力を出せないのにあの人には闇魔法だけでは不利だろうに。」
カナンはブツブツと呟き始めた。
「え?どういう事ですか?それにさっきメルさんも言ってましたけど全力を出せないってどういう事ですか?」
レビィはカナンの方に振り向き聞いた。
「師匠もラティさんも実力は最強クラスの魔導師だからね、二人共全力を出して最高位魔法なんて使ったらここぐらい小さな村は消し飛ぶと思うよ。師匠は君の身を預かる者として君の信頼を得る為に、ラティさんは正義の魔法騎士団として無関係な人を巻き込むワケにはいかないから全力を出せないんだ。」
「そ…それは…良かったです。」
「次は属性についてだけどそもそも師匠は一つの属性で戦う事がまず無いんだ。特に今回はお互いの力量がほぼ互角だから正面からの力のぶつかり合いよりも様々な属性による絡み手を使うほうが有利なのに…。」
メルとラティの二人はカナンの考察を全く気にする様子も無くお互いの剣を紙一重でかわしながら隙を見て魔法による攻撃も行っていた。両者が出した魔法が至近距離でぶつかり爆発が起こりメルとラティの両者共少し後ろに吹き飛ばされた。
「ハハッ流石に疲れてきたんじゃないか?」
「…お互いにな。」
両者共に息があがっていた。
「しょうがない、こんな事はやりたく無かったけどやむを得んか。」
メルが空に飛び上がり剣を掲げた。剣先から黒い粒が次々と飛んでいき黒い粒が空中で集まり家一軒程の大きさの黒い塊が出来た。
「なっ!?メル、貴様何を考えている!それ程の魔法を使えば村に被害が出るぞ!」
これまで一切表情を変えなかったラティが慌てだした。
「ならウダウダ言ってねぇで止めてみせろよ。」
メルは挑発的な笑みを浮かべた。
「え?ええぇぇ!?ちょっとメルさん!?村は巻き込まないって…」
レビィが慌てて割り込もうとしたがカナンがレビィの肩をガッシリと掴んだ。
「大丈夫だよレビィ君、いくら師匠でもそんな事はしない、多分あれはハッタリだ。師匠を信じて。」
カナンはこっそり耳打ちでラティに聞こえない様にささやいた。
「い…いや、それでももし本気だったら…」
当然レビィは慌てていた。
「信じてくれ!それにあの状況は君一人が参戦した所で何も変わらないよ。」
カナンは更に語気を強めて肩を握った。
「ぐっ、わ…分かりました。」
レビィは疑念を抱えつつ再びカナンの後ろに隠れた。
一方ラティは剣を構えた。
(あの魔法に真っ向からぶつかる訳にはいかないな。どの道村に被害が出てしまう。なら、魔法が発動する前にメルを殺す!)
地面がひび割れる程の力で地面を蹴り上げメルに切りかかろうとした。だがメルは不敵な笑みを浮かべていた。
「お前が馬鹿真面目で助かったよ。ダークキューブ!」
メルが魔法を唱えるとラティは黒い箱に飲み込まれた。
「なっ!?」
一瞬だが出来たラティの隙をメルは見逃さなかった。
「まだまだァ!ダークシェルター!シャドウケージ!ブラックスクウェア!ブラックコフィン!」
ラティの入った黒い箱はマトリョーシカの様に更に大きな黒い箱に飲み込まれた。
「こいつで最後だ!如何なる厄災をものともせず中にある物を隠匿せよ!ブラックボックス!」
メルの頭上の黒い塊が箱へと姿を変えドズゥゥンと音を立てて既に何重にも重なっていきラティの入っている箱を中に閉じ込めた。中からラティが暴れていると思われる大きな音が響いていたが箱はビクともしていなかった。
「ハハハ、無駄だよラティ、いくらアンタでもそんだけ疲れてちゃあそいつを破るのは2日はかかるよ。大人しく携帯食でも食べながら休憩しつつ破りなよ。急いだって得しないぞ〜。」
メルはニヤニヤしながら箱を叩いた。
「あっ!そう言えば中にトイレとか何も用意してないな。」
その言葉に中の音がピタッと止まった。
「まぁ…その…頑張れよ。」
中で暴れている音が凄まじく大きくなった。
メルは轟音を無視しながらカナンとレビィの前に降りてきた。
「いやぁ待たせたね。それじゃあ早速行こうか。」
メルは自分の荷物を背負った。
「師匠、ちょっと待ってください。」
カナンがメルの肩をトントンと叩いた。
「んぁ?何?何か忘れ物でもあるのか?」
メルがカナンに振り返った。
「彼等はどうしましょうか?」
カナンは横で倒れている騎士団達を親指で指した。
「あ〜…どうしようかな~。こいつ等も2日もすれば本部の方から救援がきて回収されるだろうけど流石に村の連中に丸投げする訳にはいかないしな~。」
二人が唸っていると
「お〜い!大丈夫かぁ〜!」
大きな声を出しながらモンドが走って来ていた。どうやら上の箱が気になって戻って来た様だ。
「あの箱は一体…ってなんだこいつ等は!?何があったんだ!?」
モンドは周りで倒れている騎士団達を見て驚愕していた。
「まぁまぁ落ち着いてくれよ。ちゃんと説明するからさ。」
メルはモンドに上の箱はメルが出した物である事と中に誰がいるのか、周りに倒れている連中は2日もすれば迎えが来ることを伝えた。
「う〜む、上の箱に人がいるのは信じられんが、とりあえずこの人達は2日もすれば帰れるんだろ?だったらそれまでこっちで面倒を見るから、アンタ達は早いとこ出発しなよ。その方が良いだろ?」
「いやぁその通りなんだが…良いのか?」
メルは申し訳なさそうに聞いた。
「あぁ良いって良いって、それよりもレビィの事頼んだよ。」
「あぁ任せてくれ、もし騎士団がアンタらに対してアタシらとグルじゃないかと聞かれたらアタシに脅されましたと言えばいいから、じゃあカナン!レビィ!もう行けるか?」
「あっ!少し待ってくださいメルさん!」
レビィがモンドの方に駆け寄った。
「じゃあモンドさん行ってくるね。ミラおばあちゃんに元気でねって伝えてくれる?」
「お…お〜う!任しとけ!グスッゲホッいつでも帰って来いよ〜!」
モンドの顔が一瞬で涙と鼻水でくしゃくしゃになった。
「あそこまでくるとレビィの居なくなった後のアイツの方が心配だな。」
メルはカナンに耳打ちで話しカナンも無言で頷いた。
「すいませんお待たせしました。」
レビィが小走りでメル達の方に戻って来た。
「良し!じゃあ出発だな!」
3人はモンドに手を振りながら村を出発した。
少し歩いて村全体が見れる場所についたのでレビィが自分の家の方を見るとミラが手を降っていたのでレビィは遠くからでも見える様に更に大きく手を降った。
モンドもミラもレビィが完全に見えなくなるまで手を振るのを辞めなかった。
誰も見てないと言うのは急ぐ必要がないから気楽ですなぁ
書けること何もないんでキャラ紹介でもしますね。
とりあえずは本作の主人公のレビィ君から
本名 レビィ ロット
年齢13歳
身長150センチ体重45キロ
名前の由来 適当
見た目 緑眼緑髪でショタコン受けの良さそうな見た目(直球)
属性魔法適性
得意属性 不明 副属性 光・火
メルの違法弟子第一号、純粋無垢で少し世間知らずの少年、両親に良く似て他者を助ける事が大好きで故郷の村人達からもとても愛されている。




