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本当の魔導師達  作者: ライニー
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第一話「出会い」

特に大きな見所も名産品も無い農村「クラプト」、今日は村の農夫達が村にたった一軒しか無い酒場に真っ昼間から集まっていた。


彼らは毎月毎に決められた日のみ酒場で真っ昼間から飲む様にしていた。今日が正にその日で酒場は大いに賑わっていた。この日のみ家族に仕事を頼んだ者、こっそり仕事中に抜け出した者等とにかく村の農夫達が集まっていた。


農夫達が程よく出来上がり始めた頃、酒場の入り口が少し乱暴に音を出して開いた。農夫達が何事かと入り口に目をやると、真っ黒な三角帽子とローブといかにも魔法使いらしい格好と杖を持った女性と男性が入ってきた。女性の方はルビーの様に真っ赤な髪と、髪と同じくらい赤い目と世の男性を釘付けにするようなモデル体型で顔は目つきが鋭くかわいいというよりかっこいいと言った顔立ちだった。


男性の方は端正な顔立ちでアクアマリンの様な水色の髪と目に少しやせ形の高身長で二人共町を歩いていたらまず声を掛けられるだろう、といった感じだった。村では見た事のない二人に農夫達は唖然としていたがそんな農夫達を無視して女性の方はずかずかとカウンターに一直線に向かった。ドカッと全体重を一気に椅子に落とす様に椅子の上に座り、ただ一言


「ここで一番強いの頂戴!」


と嬉しそうに言った。農夫達も酒場のマスターも思いもよらぬオーダーに更に静まり返ったがすぐに全員がこの女いけるクチだなと思い農夫達は魔導師の女の方に歩み寄った。


「なぁ姉ちゃん、こんな田舎に何の用だい?ここは魔法使いが来るような大した村じゃないけど…あっ俺はモンドって言うんだ。一応この村の連中を纏めてんだ。」


モンドと名乗った男はマスターから酒瓶を貰うと魔導師の女のグラスに酒を注いだ。


「まぁ人探しだね。でもせっかくだからここで思いっきり楽しもうと思ってさ。」


魔導師の女が農夫達と乾杯するともう一人の魔導師の格好の男の方はため息をはきながらカウンターに一番遠い席に座った。


それから1時間と経たずに魔導師の女と農夫達はまるで友人と飲んでいるかの如く盛り上がっていた。魔導師の女と飲み比べをする者もいたが、誰一人として勝利する事は無かった。しかも酔っている気配は全く無かった。農夫達がどんどんつぶれていく中、もう一人の男の方が女の方に歩み寄り


「師匠、そろそろ行きましょう。ここに来た目的はお酒じゃ無いでしょう」


と少し不機嫌そうに言った。師匠と呼ばれた女は少し残念そうな顔をしたが渋々カウンターに金を置いた。そしてまだなんとか起きてるモンド達に男の絵が描いてある紙を見せながら


「この絵に描いてある男の息子を探しにきたんだが知ってるかい?」


と聞いた。モンド達は朦朧としながらも紙を手に取り見始めた。すると、さっきまでべろんべろんに酔っていたモンド達の酔いが一瞬で覚めていった。


「こ…この男ほどうしたんだ?」


モンドは恐る恐るこの絵の男はどうなった。と女に聞くが、


「死んだよ。そこにいるアタシの弟子を庇ってね。」


と冷酷に真実を伝えた。一瞬酒場の中はさっきまでの騒ぎが嘘だったかの様に静まり返ったが、マスターは少し悲しげな顔で女の知りたい情報に合う地図を書き始めた。


「なぁ、こいつの息子に何の用なんだ?」


モンドが恐る恐る聞いた。


「弟子にしに来た。」


と女は答えた。農夫達は少し驚いている様子でもあったがどこか嬉しそうでもあった。そして農夫達は絵の男の弔い酒と言わんばかりにまた飲み始めた。マスターも地図を書き終わりさらに一本のワインを女に渡した。


「まだ彼の墓は出来てないがいつか墓前に置いてやってください。」


マスターからの餞別と地図を受け取った魔導師の二人は酒場を後にした。二人は地図を頼りに進んでいると村の外れの一本の大きな木にたどり着いた。


「ここで合ってるよな?」


「はい。間違いないかと。」


二人は地図と木を交互に見つめた。


「ただのデカイ木じゃね?」


「良く見てください。家があります。」


男の方が木の葉の中に見えるドアらしき物を指差した。木の上に登る為の梯子もあったが、あまり手入れは完璧とは言えない感じだった。


「なるほど、ツリーハウスか。あいつにしちゃあオシャレな家だね。」


小言を漏らしつつ女は杖を持ち、何かブツブツと呪文の様な事を唱えると体が宙に浮き、樹上の家のドアの前まで飛んでいった。


「師匠、梯子があるんですからそっち使いましょうよ。」


男の方はご丁寧に少し痛んでいる梯子で登った。二人はドアの前に立ち女の方がノックしようと右手を出したら、ドアが勢いよく開いて女の手の甲に直撃した。鈍い音が鳴り、女は声にならない痛みに悶絶し、男の方は腹を抱えながら笑いをこらえている。するとドアの向こうから少し幼い少年の声で


「あれ?何か引っ掛かったかな?じゃあ勢いをつけて…」


「え?」


ドアの方からの声に男の方は嫌な予感を察知した。だが遅かった。再びドアが勢い良く開かれる今度は腹を抱えていて姿勢が低くなっている男の顔にドアノブが直撃した。ようやく家のドアが完全に開いて家の中からエメラルドの様な緑の目と髪の少年が出てきた。


「良し!開いた~。何が引っ掛かってたのかな。」


どこかやり遂げた感じの嬉しそうな声を出したが一瞬で少年の顔は青ざめた。二人の見たことの無い格好の二人がいて一人は右手を抱えて涙目になっていて、もう一人に至っては完全にのびていた。ひとまず少年は二人を家に入れた。


「あの本当にすいませんでした。これ、どうぞ。あ、僕はレビィ・ロットと申します」


レビィと名乗った少年は、二人に謝罪をして、患部を冷やすための冷たく濡らした手拭いをわたした。しかし男の方は手拭いを受け取らずに


「あぁ、大丈夫自分で用意できるから。」


と言った。男は不思議がるレビィを尻目に布袋を取り出した。すると男は杖を持ち何か呪文を唱えた。すると何もない空中に小粒の氷が複数現れ袋に落ちていき即席の氷嚢が出来た。目の前に起こった普通じゃあり得ない光景にレビィは唖然とした。


「まぁ、見て分かる通りアタシ達はいわゆる魔法使いだ。アタシはメル、メル・アルスター。こっちの水色が弟子のカナン。ここにはレビィしか住んでいないのかい?」


メルと名乗った女はレビィが落ち着く間もなく聞いてきた。


「あ、はい。母は5年前に亡くなり父は10年前から行方不明です。」


レビィは悲しそうに答えた。


「そうかい。やっぱり間に合わなかったか。」


メルは悔しそうに小声でつぶやいた。


「?」


レビィにはメルが何とつぶやいたかよく聞こえなかった。


「あ、いやこっちの話だ。念のため聞いとくが、こいつはお前の父親で合ってるよな?」


メルは酒場で見せた絵と同じものをレビィに見せた。未だに状況がつかめていないレビィだが絵を見たら血相を変えた。


「父を!父を知っているのですか!?今どこに!?」


レビィは食い込む様に聞いた。


「すまない、当時のアタシでは守る事が出来なかった。」


メルの伝えた真実にレビィは膝から崩れ落ちた。


「…そう…ですか。正直…覚悟はしていました。」


「アイツの最期について聞きたいならカナンに聞いとくれ。でもその前に…」


メルが懐からロケットペンダントを取り出した。ロケットペンダントには少し血がついており裏には母親の名前の「ロタ」と父親の名前の「テルス」そして「レビィ」の名前が彫られていた。


「アイツが肌身離さず持っていたペンダントだ。アイツが最期までずっと持っていたから少し血がついているが中に入っている絵にはついていないさ。」


レビィにペンダントを渡した。レビィがペンダントのロケットを開けると中には産まれてそんなに経っていないレビィと母の絵が入っていた。その絵を見て何か決心をした様子で


「あの、僕が幼い頃から父は旅に出ていてあまり父の事を知らないんです。父の最期はどんな感じだったんですか?」


レビィの問いに対してメルはカナンの方を見て、


「さぁカナン、次はお前が教える番だ。」


「はい。改めてレビィ君、始めまして。俺はカナン・コークス、君の父さんの最期については俺が教えるよ。元々君の父さんは僕の師匠、まぁこの人と旅をしていたんだ。」


「もう6年程前だな。アイツが勝手に付いてきたんだけどな。」


メルの訂正も気にせずカナンは話を続けた。


「君の父さんは魔導師に魔法を教わる権利を国に金を納めて手に入れたけど教わった魔導師が貴族の中でも特に農民嫌いの人でね。

農民である君の父さんを見下して魔法の基礎ぐらいしか教えてくれなかったんだ。

そしてその貴族の魔導師の元を離れてまた旅に出たんだ。

そして当時の師匠の魔法の腕を見て師匠に魔法を教えてもらおうと思い付いて旅に同行したんだ。

あの師匠、ああ見えて結構凄い人なんだよ。」


「あ?」


カナンのさりげない悪口を聞き漏らさずメルはとてつもなくドスの効いた声を出した。


「アタシの事はいいからさっさと続きを教えてやんなよ。全く。」


「ははは、話がそれたね。

とにかく君の父さんと師匠は俺が産まれ育った村に旅の途中で寄ったんだ。

当時の俺は二人が泊まっている宿屋の息子でね、部屋にお邪魔して旅の話や魔法の話を聞かせてもらったよ。

師匠は何も喋らなかったけどね。

二人が一泊した次の日の夜俺はまた話を聞こうと思い二人の部屋に行こうとしたけどある事件が起きたんだ。」


「事件…ですか?」


「あぁ、俺のいた村の近くには結構大きな勢力を持った山賊がいてね、そいつらが村を襲ったんだ。

君の父さんと師匠は自分の危険を省みず村の人達の為に戦ってくれた。

山賊達は東と西側の二手に分かれて村を襲って来たから君の父さんと師匠も二手に分かれたんだ。

君の父さんが東、西が師匠だった。

君の父さんは勇敢に戦ってくれて山賊たちを蹴散らしていていた。

ただその山賊達は氷の魔法を使う魔導師を雇っていてね。

その魔導師は君の父さんよりずっと魔法の腕が上だった。

更にその魔導師は残忍極まりなくてね。

とにかく目についた村の人達全員を殺していたんだ。

両親と逃げてた俺もそいつに見つかってしまったんだ。

奴は最初に俺の両親を殺して次に俺に向けて巨大なつららを飛ばしたんだ。

つららが俺に刺さりそうになった時君の父さんが目の前に立ち塞がって俺を庇ったんだ。

その後その魔導師は西側を片付けてすぐに駆けつけた師匠が退けさせたんだけど君の父さんはもう事切れてたんだ。山賊達の襲撃が収まった後俺は身寄りがなくなって村をさまよっていたらいつの間にか君の父さんが俺を庇ってくれた所に着いたんだ。

そこに師匠がいてね。

君の父さんの自分にもしもの事があったらって時の為に書いていた手紙を読んでいたんだ。

その手紙によって君の存在を知ったんだ。そして師匠は俺についてくるかと聞かれてね。もう俺には帰る家も無かったから俺は師匠について行った。そして紆余曲折を経て今に至るわけだ。」


「そう…ですか。父にそんな事が。」


レビィは息子の自分ですらあまり父の事が記憶にないのに他人であるカナンの方が魔導師としての父を見ているのに少し複雑な気分になったが、とにかく父の最期を受け取めた。するとメルがいきなり立ち上がり、


「さぁ、次はこっちが質問する番だ。」


「え?」


レビィは会話の流れからは全く予想出来ない事を言われて少し変な声が出た。そんな様子を気にせずにメルは続けた。


「なに、そんなに大した事じゃない、ただアタシ達は何でアイツが魔法使いになれたのを聞きたいんだ。

特に魔法の才能があって魔導師が弟子にしたいと言わない限り一般人には金の問題で弟子になることすら無理だ。

アイツの魔法の才能はそれなりに良い方だが一生に一度しか選べない権利を使う程じゃなかったと思う。

教えてくれ、アイツはどうやって魔導師になれた?それと、出来ればアイツの奥さんの事も」


「あ、は…はい。僕も村の人から聞いた話ですが父は自分のやりたい事を全くせずに常に人の助けになる事ばかりしてたんです。いつも誰かの為にヘトヘトになるまで動いている人だと

母はそんな父に惹かれたそうです。

だから父は村の人全員に好かれていました。

でもそんな父がある日突然魔導師になりたいと言い出したんです。

僕が産まれたのもその時ぐらいだったと聞いてます。

村の人達は今まで沢山助けてもらったお礼として全員協力してお金を用意したんです。

冬への蓄えもいくつか切り崩したと聞いてます。

最初は父は母と幼い僕も一緒に行こうと言ったそうですが母は待つ事を選んだんです。でも父が旅に出た5年後母は病でこの世を去りました。」


メルの問いにレビィは少したどたどしく答えた。


「なるほど、いかにもアイツらしいねぇ。」


そう答えたメルは少し嬉しそうだった。メルもカナンも聞きたい事も言いたい事も言いきったのか沈黙が続いた。


「あ…あの!お二人の旅は何か目的があるんですか?」


沈黙に耐えきれずレビィが質問した。


「あぁ、そういや言ってなかったね。」


メルが何か思い出したかの様な反応をした後咳払いをした後レビィの方を真っ直ぐ見つめて


「アタシ達はね、本当の魔導師になるために旅をしているんだ。」


「はい?」


レビィはメルの言ってる事が理解出来なかった。


「あの、本当のってどういう事ですか。」


レビィの当然とも言える返答にメルは少し意地悪そうな顔をして続けた。


「これはアタシの持論だけどね、魔導師ってのは誰であろうと人々を魔法の力に導くからこそ魔導師だと思ってるのさ。

しかし今の法律じゃ魔法は金持ち共が自分の子供に箔がつくからって理由で高い金払って教えさせる金持ちの道楽さ、自由に選べる弟子も一人のみでその弟子を探す為に一生を費やす魔導師だって少なくない。

アタシはその弟子はカナンと決めたからもう自由に弟子を選べなくてね、ここに来るまでにも何度か金持ちのガキを弟子として旅に同行させられたけどどいつもこいつもえらそうだわ、やる気はないわ、そもそも才能ないわ、カナンを平民だと見下すわでロクなのがいなかった。

だからアタシは思ったのさ。

国にコイツに教えろって言われた奴だけ教えてちゃ魔導師だなんて到底言えない。

たとえ法を犯そうが自分の弟子は自分で決めるってね。」


「…へ、へぇ。それは…凄いですね。」


予想以上の理由にレビィは少し引き気味だった。


「他人事みたいな反応だけど、師匠は君も弟子にしようと思ってるよ。しかも君が法律違反の弟子第一号候補。おめでとう。」


「え?」


カナンからさらりと恐ろしい事を告げられた。


「どうかな?アタシを本当の魔導師にしてくれないか?」


メルが子供の様に目を輝かせながらレビィに食い付く様な勢いで聞いた。


「ちょ、ちょっと待ってください。なんで僕なんですか!?」


「まぁ一番は恩返しだね。アタシはテルスには随分世話になったからね。」


「あ…あの考えさせて下さい。いきなり言われても困ります。」


「まぁ当然か。わかった。じゃあ私達は今日はこの辺で失礼するよ。ある程度聞きたいことは聞けたからね。私達はまだこの村にいるつもりだから答えが纏まったらまた呼んでくれ。」


そう告げるとメルとカナンは立ち上がり帰る準備を始めた。


「そういやさっきは家から出ようとしてたみたいだけど何か用事があったのかな?」


「あっはい。今日はちょっと知り合いの農作業を手伝う事になってるんです。まだ約束の時間と言うわけではないのですが少し早めに行こうとしたので時間はまだ大丈夫です。」


「そう。それは良かった。手拭い、ありがとうね。」


メルとカナンは手拭いを返して家を出た。


「ひとまずどうします?どうせあの子がうんと言うまでここに居座るつもりでしょう?」


外に出た後カナンが切り出した。


「当たり前だろ。それにあの子が魔導師に憧れているのは間違いないさ。」


「その根拠は?」


「酒場の連中の反応さ。アイツらはアタシらがあの子を弟子にすると言ったら心から喜んでた。

恐らくあの子もいつかは魔導師になるんだと言った事があるんだろうよ。

まぁでも今日の所は宿を探そう。いい加減まともな寝床で寝たいからね。」


今後のことを話しながら二人は宿を探すため村の中に消えた。その様子をレビィは家の窓から見つめつつひとまずは今日自分がすべきことを済ませるために家を出た。

レビィが向かったのは小さな畑でその真ん中で一人の老婆が農作業をしていた。


「おや、レビィ、今日はいつもより遅かったね。じゃあいつも通り草刈りを手伝っとくれ。」


少し無愛想な感じで老婆はレビィに鎌を渡した。


「ごめんね〜ミラおばあちゃん。実はお客さんが来ちゃってさぁ。」


そう言いつつレビィはミラと呼ばれた老婆から鎌を受け取り草刈りを始めた。


「酒場ののんだくれ共から聞いたよ。お父さんの事は残念だったね。」


唐突にミラが切り出した。


「…うん。と言うかもう皆は知ってるの?」


「さぁ…でもあののんだくれ共はもうお父さんの墓を作ろうとしてたよ。」


「…そっか、じゃあ僕も後で行かなきゃいけないな。」


「これものんだくれ共から聞いた話だけどレビィ、アンタ魔導師の弟子になるんだって?」


レビィの草刈りがピタッと止まった。


「それも聞いたんだね。…正直凄く迷ってる。

お父さんが唐突に村を出てまでなりたいと言い出した魔導師がどんなものなのか何度か独学でやってみようとしてみたけどどれも意味がなかった。

だからこの話は是非受けたいんだけど、でもそしたら僕は犯罪者になっちゃうんだ。

もう二度とここには帰ってこれない可能性だってある。

ミラおばあちゃん、僕はどうすれば良いんだろう?」


レビィは不安で仕方ないといった感じだった。


「…お父さんが何で魔導師になろうとしたか知ってるかい?」


「え…ミラおばあちゃんは知ってるの?」


ミラの発言にレビィは食いついた。


「多分今生きてる中では私だけだろうね、知ってるのは。

アンタのお母さん、ロタが死ぬ少し前に教えてくれたんだ。

まだアンタの両親がまだ小さかった頃村で二人はよく魔導師ごっこで遊んでいてね。

特にロタの方はよく魔導師になるんだって言っていたしね。

そんなある日村に旅の魔導師が来てね。

その魔導師曰くロタには魔法の才能があるらしく弟子にならないかと誘われたんだ。

でもロタは昔からあまり体が強くなかったしロタもまだ10歳だったから両親が強く反対して結局その話は無かったことになった。

仕方が無いとは言えロタは諦めなければならなかった。

その数年後二人が結ばれてアンタが産まれたけどロタは段々と体の調子を崩していった。

必死に看病と子育てをしてたアンタのお父さんに一つお願いをした。」


「お願い?」


「多分私はそんなに長くないと思うの。

あなたがいたから楽しい人生だったけど気がかりがあるとすればこの子と魔導師になれなかったこと、私が魔導師だったらこの子とあなたに憧れていた魔法を教えられたのになって、だからお願い私とこの子の為に魔導師になって、とね。

それからさ、お父さんが魔導師を目指したのは。

つまりはアンタの為に魔導師を目指したわけだ。だからレビィ、これは運命かもしれないよ。

でももちろん犯罪者になる事を私は無責任に進めるつもりも無いよ。アンタだけの人生なんだ。好きにしなさい。」


「ミラおばあちゃん…ありがとう。僕もうちょっと考えてみるよ。」


レビィは少し安心した様な感じだった。するとミラが


「さぁレビィ、今日はもう帰りなさい。そんな様子じゃ草刈りなんてできないよ。足元を見てみなさい」


ミラにそう言われ足元を見ると何度も地面を掘り返した跡があった。その状況を見てミラが


「しっかり家で悩んでちゃんと答えを出しなさい。」


「うん、そうだね。ごめんねミラおばあちゃんまた今度手伝いに来るよ。」


そう言いながらレビィは鎌を返して一旦家に帰る事にした。その後ろ姿を見ながらミラは


「果たしてその今度が来るのやら。」


と誰にも聞こえない程小さな声で呟いた。


その後村ではテルスの葬儀が行われ家に帰ったレビィだが食事中でも寝床についても頭の中で気持ちが落ち着く事はなかった。

前回の投稿から一年以上経つという私の気まぐれ具合に我ながら呆れますがようやく一話です。これもゲームって奴が面白すぎるのが悪いんだと思います。

まぁどうせ誰も見ていないんで大丈夫かと完全に舐めきってますがどうか暖かい目で見て頂ければ幸いです。

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