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第1話 先輩のいる場所
――先輩のようになりたい、私がそう思うのっておかしな事ですか?
たどり着きたい場所があった
だから毎日 必死に走った
でも先輩には追いつけない
いつになったら その背中に触れられるのかな
一緒に走りたいだけなのに
それは高望みすぎるのかな
話したい事があった
だから毎日 必至に駆けた
見てほしかったから
いつも 必死に食らいついた
それでも先輩には追いつけなかった
いつかは…って まだ夢を見ていてもいのかな
ただ言葉が届く距離にいたいだけなのに
ただその視界に入っていたいだけなのに
不相応だったって
思いたくない
結論を出すのは
出来る努力をしてから
そう思いたいけれど
まだ頑張る余地あるかな
立ち止まって 考えたくても
いつもあの背中が止まってくれなくて
――おいていかれたくない
――でも、おいていかれないようにするだけで精一杯で、余裕なんて持てないや