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03-21-19
人とは個体に見せかけた群体の最小単位である。だから共感や常識は生まれるのに、僕の言葉で共感が生まれないのは何故だろう。全ての言葉が陳腐に聞こえるそうだ。同じ言葉でもあの人と僕のでは全く違うようだ。項垂れて不貞腐れる。扇風機の風が顔を乾かす。目が乾かないよう瞬かせた瞼が重い。頭にチラつく数字とマス目。全てが感覚的で、無味無臭で、迷子。汗は意思に反して流れてくるから、その点においては僕の汗すら時間の眷属で、僕の密かなる敵だ。狼は月に吠える。流れる月に吠える。近付いているのか遠ざかるのか、分からないまま空を流れる焦ったさには誰だって吠えたくなる筈だ。
夜を縫う蛇の舌、想像上の牙。咬み千切ってほしい何かは永遠に離れる事も無く




