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07-26-20
窓の下の道路をトラックが走り抜けた。真夜中に似つかわしくない駆動音を響かせるそれが、不運の後に起こすであろう爆発音を想像した。ある種の確信染みた感覚は、無音を以て裏切られる。事故が起こる可能性に僕は恐怖し、また同時に期待したのだが、根拠も何も無い、ただ不吉なだけの予想は露と消えた。確信染みた感覚だけを虚に残して。
そういえば、間違っていなかった確信は、総じて感覚を残した事が無い。感覚、確信。カ行の硬質な音に似た余韻を残さないものだった。それはいつも、ふわりと柔らかく溶け込み、錯覚と現実の境界を暈すもの。




