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05-20-20
酔いに乱れて夜の空気。酒焼け、登る歩道橋。
紫煙燻らせまるで不知火。季節外れに白い息。
見上げた空に落ちる視界が、心地良くて、見えない星を幻視すらした。晴れやかな夜は街灯に透かされ、眠らない街で、眠気覚ましのカフェインを飲み下す。置いてきぼりにされそうな気に、今はしないでいるのだ。誰が時間なんかに振り向いてやるものか。覚醒し始めた意思で、抱き寄せた素敵な人よ。貴方が誰だったかなんてどうでもいいよな。
夜が好きさ。空気が澄んでいるから、人が見透かせるように綺麗に見える。醜さと呼ばれた人らしさの黄金比に息を吐く。
会う場所は何処だってよかったはずなのに、なんでここで出逢ってしまったんだろう。着崩した縁。悪戯に触れ合う袖と袖。




