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01-03-21
時間に置いて行かれている気がした。進み続ける時間と、それに連なって歩みを進める友達。僕はそれが前から嫌いだった。一人になるのは嫌いだから、誰かと一緒に居ようとするわけでもなく、ただ一人である事を好きになろうと努力するような人間だった僕は、このこびりついて離れないかもしれない劣等感に未だ慣れていなかったのだ。
進んでいるのは嘘ではないと信じるために、見えもしない糸を手繰り寄せるみたいな気持ちで方法を探した。僕が劣等感の無い僕として在るためには、どうにか歩くしかない。目に見える形で進むしかないのだ。
小説家の夢を捨てたのか。僕は現実に根負けした。未来に費やすべき時間、その断捨離をせざるを得ない状況に追いやられている。今日も指先で探している。




