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04-19-20
一度だけ時を止めて見せて。
充実に手を伸ばして生きるこの瞬間を。生きる目的こそ明確で、他の全てが曖昧に流れる今を切り取って、額縁に入れて飾っていて。
他に何もいらない、そう言っているわけじゃない。ただ満たされている心に、何も入り込む余裕が無いだけ。静かな場所を求めて歩いて、辿り着いたこの電灯の下。朝4時は無音で、見える全てが止まっているみたいだった。何を欲しがっていたか、その煩悩すら締め出した、刹那を無限に引き伸ばしてしまえばいい。
鳥の声は無く、車の音は無く、寝息すら聞こえず、耳鳴りも気付けば止んでいた。一瞬、時を止めて、二度と忘れないでいて。




