17/47
06-24-18
遣る瀬無さが書き出せたなら、僕らの夜は少しだけ短いし、朝は少しだけ清々しい。
遣る瀬無さが書き出せたなら、雨は少しだけ爽やかだし、北風とは少しだけ仲が良い。
でも、遣る瀬無さが書き出せたなら、夕日は少しだけ寂しい。終わる一日を残念がって、きっと夕日を責めている。
遣る瀬無さが書き出せたなら、僕は僕を少しだけ好きになるし、君は君を少しだけ好きになる。
遣る瀬無さが書き出せたなら、遺書は少しだけ意味を失くして、葬式は少しだけ騒がしい。
だから、遣る瀬無さは書き出して、現実を少しだけ幻想に近付ける。悪夢を少しだけ穏やかにする。




