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05-10-20

今まで書いてきた文章は皆、自分以外に読まれる事を前提として書いてなかった。全部未来の僕が読み返す時の為に書いたんだ。だから恥も外聞も無く書き殴ってきた。しかしこれが誰かに読まれるとすれば、どうなるだろう。ただ連なるだけの単語群が第三者の視線を受けてどう変わるのだろうか。


とはいえ、そもそも書くことが無い。こんな事ばかり言って誤魔化してきた。書きたいという欲だけがあって、しかし時間は割けられず、今やウォームアップやクールダウンが必要な運動並みに敷居の高い行為となっていやしないか、僕のこの物書きは。こんなはずじゃなかった。どうか見苦しくても、言い訳を聴いてほしいと思う。


初めはシャワー中の物思いだ。何度も何度も重ねているうちに記録したくなっただけだが、これが面白いくらいに言葉が出てくる。考えの粗筋は概ねシャワー中に組み立て、後は追って言葉に表すだけなのだが、キーボードに向かった途端言いたい事は芋蔓式に出てくる。多すぎて本筋を些か離れてしまう程であった。話題は迷子になり、僕が満足する事は無く、結局眠くなったタイミングで勿体無さげに筆を置くばかり。今も昔もそこは同じである。

無尽蔵に出てくる言葉なら書き留めなければ勿体ない。生モノとしての思考に触れると、僕が死ぬまでそれは生きているのだという実感が湧いてくる。有り体に言えば、生を実感したのだ。時間に押されるままに日々を過ごして、気付かずに通り過ぎていたかもしれない物思いの一つにも、目を向けてみれば自分が色濃く写っていて、無駄なんて無かったと思える。靴裏と砂浜を交互に眺め、どれだけ歩いたか視認するような、アルバムを見返して記憶と見比べるような、「今」にはもう無い「過去」を手に取り確認する感覚。儚いから縋るしかなく、僕にとっての縋り方が文字なんだと知った。


だってさ、僕も生きているんだ。って、僕にしか言えないんだ。


嗅ぎ慣れた毛布の匂い、寝転べる空間、賑やかしにちょうどいいテレビ番組。朧げだが確とのしかかる過去と未来、肩の重みに

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