02-17-19
失言も推敲出来たらな、とか。声と違って言葉は頼りないな、とか。しても意味ない後悔ばかりで雲も呆れてどっか行くから、掴んだ気がした柔らかい風も消去法に則って窓から飛び去った。音楽が耳を波打たせて、心臓は、その時だけは、心の為に鳴ったんだ。零れ落ちる言葉はいつかまた心の為だけに喋るかな。無差別に言葉を選んで意味は後から付いてくるだとか、言ってもどうせ信じないだろう。僕だってそうさ。でも詩的に日々を見れたなら、言葉から僕を選んでくれたかな。手足を何処かへ投げ出して、耳を澄まそうにも心臓が煩いや。髪を揺らす風も不意に痒くなる腕も、最早身体全部が耳には要らないや。何かに聴き入りながら微睡んだ。聴き入った何かが終わって起きた。それは他愛無い雑談だとか、心浮くような日々だとか、いずれも記憶の中の散々、リピートし尽くされたどれかだ。
言葉よ、僕に笑いかけて。必要以上は願わないから、心に心以外の名前をくれよ。
春の豪雪地帯、刺したアイスピック。抵抗虚しく、吹雪に倒れ落つ。いつも柔らかくて油断した。一撃の内に意識が飛んだ。眠りに時間が落ちて、1分、2分、そのままで。衝撃なら凍るから、何にも痛くないから。
考える事しか出来ない脳に、未知を託して、僕は夢を見る。満員電車で頭の高さだけ見つめるような、通り過ぎるだけの日々を消化して。耳の中で弦が弾けた。僕の音楽はここが始まりだ。心臓がガサツに鳴っても丁寧な吐息で伴奏して、脈略も無く目を見開いたら、繰り返す日々はもうサビになった。




