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あやしの診療所―のんのん先生とぼく―  作者: みどりりゅう


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アチラのお医者さんとRPG7


「どういうこと?」

「ですから、彼らは自分たちの世界を救うためやってきました。この世界のどこかにいる魔王を倒せば、彼らの世界は救われるからです」


「?どういうこと?」

 異世界って、リトル・グリーンとかリトル・グレイ……寿し銀の大将が住んでたような?


「そうですね。あのとき少し説明しましたよね。この世には、わたしたちが今いる宇宙とは異なる宇宙が無数にあるということを。そのうちのひとつから、彼らは来ました」

「魔王を倒すために?」

「はい」

「魔王がいるんですか?この世界に」

「はい。この世界というか、この街にですね」


 そっけない返事に、ぼくは

「……なんで平然としていられるの?魔王が近所に住んでて」

 どう考えたって、あぶないでしょ?


 しかし、先生は平然と

「えっ?ああ……心配せずとも彼は、この世界にはなんら害をおよぼしませんよ。彼はあくまでその異世界……ズントゥにおける魔王であって、この世界においてはただ静かに暮らす一市民です。ちゃんと税金も納めてますよ」


 その言いぐさ……

「知り合いなの?」

 問うと


「ええ。古いつきあいですね」

 平然とこたえる。


「……その知り合いが倒されるアイテムを与えちゃって、よかったの?」

 逆にそうなるぞ。


「ああ。それは仕方ないですね。RPG (ロール・プレイング・ゲーム)において、魔王は勇者に倒される。それはお決まりです」

 なんだかたんたんとしてる。事務的だな。


「勇者と魔王が戦ったりして、あぶなくないんですか?街がぐちゃぐちゃにならない?」

 不安になって聞くと


「だいじょうぶです。そのあたりは『運営』がちゃんと考えています。この街も住民の安全が保証されてもいないのに、彼らに決戦の場をあたえたりしませんよ」

 はっきり言う。ますます地域イベントにしか思えないな。


「まあ正直なところ、これ以上あなたが関わることはないでしょうから」


 そう言われちゃったら、しかたないな。ぼくは頭を切り替えて、ヨシノさんがタイミングよく出してくれたデザート……フルーツみつ豆を味わうのに意識を集中した。

挿絵(By みてみん)


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