アチラのお医者さん探索隊13
ネズミだ!
そうだ、彼らはアリじゃないから、見ただけでぼくたちのことがわかるんだ。特に猫であるセバスチャンのことは憎いからか、狙いをさだめて一番に襲いかかってきた。
しかし、王の筋たる猫はさすがの身のこなしで急襲をかわすと、自分より大きなネズミの喉笛にかぶりつく。
他のねずみたちも襲いかかってくるのに対して、ジャックは手持ちのナイフで応戦する。
エアーノスは光るオーラ(?)を指先から出すと、それをしなやかな細枝笞のようにふるって応戦する。
ぼくは……もちろんなにもできないから、ジェームスを抱えて隅っこで小さくなっていると……
「——おまえ、なかまじゃねえな?」
「えっ?」
うしろに大きなハガネアリが立っていて、ぼくを見おろしている。
「触角がない」
「あっ」
帽子が脱げていた。さすがにこうなっていたら、アリたちにもわかるらしい。
「かわった拾いもの。つれていく」
その太い前肢で、かんたんにぼくをつかみ上げる。
「——少年!」
エアーノスやジャックが気づいて助けようとしてくれるが、自分におそいかかるネズミへの応戦で忙しく、かまう余裕がない。
ぼくとジェームスは、砂糖のかけらよろしくハガネアリの顎にはさまれて、奥の通路へつれていかれた。




