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あやしの診療所―のんのん先生とぼく―  作者: みどりりゅう


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アチラのお医者さんと憑物たち4


 ヨシノさんがお茶を入れなおしてくれた。


 先生はあえてシロタヌキの話には触れず、回収したバケモノのかけらたちを前にして

「……うーん。いやはやしかし、いったいどこから手をつけましょうかね」

 お茶をすすりながら、ぼやいた。

  挿絵(By みてみん)


 かけらのなかでも、アオタヌキはわりあいはっきり識別できたから選り分けることができたけど、他のモノたちを分けるのは先生にもむずかしいらしい。


「うーん。とにかくゴチャゴチャとまじりあってますからね。行者が砕いてだいぶんバラけましたが、きれいに分離しきれていない部分もまだまだ多いです。分けたあとの治療も個別に考えないとだめです。

 ……しかもわたしのよく知らないアチラモノ、それにアチラモノですらない成分がこうも混ざるとねぇ……」


 アチラモノですらないって……

「コチラのものってことですか?そんなの、混ぜたりできるの?」

 ぼくがたずねると


「前に、わたしがゴギョウボウズをまとめるために粘菌をつかったと言ったでしょう。あれに近い感じです」


 先生は、ハンターに狩られて消滅しかかっていた木の精と土の精を強引に結び付けて、ひとりの人間に偽装したことがある。


「でもこれは、わたしの施術に比べてもあまりにゴチャゴチャしてます。有機物どころか金属やプラスチックまで混ぜてある。むちゃくちゃで、イヤな感じです」


 なんだか、おこってるみたいだ。


「アチラとコチラの壁をくずすような真似は、基本的にルール違反なんですよ。だからわたしもゴギョウボウズのときは木守の神……ハクオウじいさんの力を借りて、周囲に影響が出ないよう慎重にやりました」


 あのじいさん、神さまなの?

 いや、そう言われても全然不思議には思わないけどさ!

 植物園の園長の夢枕に立ったとか言ってたし!



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