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あやしの診療所―のんのん先生とぼく―  作者: みどりりゅう


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アチラのお医者さんと行者さま13

 燃え上がるお不動さまは、その左手に持つロープを怪物にふり投げ動きをしばると、右手に持った剣を容赦なくまっすぐにふりおろす。


 ――クワラシャッ!ガッシャッン!ネッチョリ!バッサリ!!!!!

 怪物の中に混じっていたさまざまなものが、さまざまな音を立てながら破壊され、全体がくだくだに砕け散った!


 コチラモノにはわからないんだろうけど、その飛び散った破片に燃え移った不動の炎がぷしゅぷしゅと音を立て、あたり一面こげくさいにおいがする。


「ひどい」


 ぼくがおもわず鼻をおさえながらつぶやくと、不動のすがたを解いた行者がふりかえって

「ひどい?なにがひどいんだ?こいつは人間にあだなす妖物ようぶつだぞ。

 こいつが通っただけで、かなりの数の人間の心がおかしくなり病気も起こった。おれは依頼を受けて、ここまで追いつめたんだ。こういうものが二度と悪さしないよう滅却めっきゃくしてやるのは、われらのつとめだ」


 ぼくがなにも答えられないでいると、先生が代わって答えてくれた。

「そうです。あなたのやっておられる行為はなにもまちがっておられません。立派な行為です。わたしたちとしては感謝さえすれ、不平などあるはずもありません。――ただ、できれば後始末をわれわれに任せていただくとありがたいですがね」

 

 その低姿勢な先生の申し出に、行者は口を笑みまげて

「フンッ。なにを言う?人が仕事しているあいだに、こっそりあたりをくるむ結界なんぞ張りやがって。どうせ最初から、おれがバラした念体をもれなく回収するつもりだったんだろうが?」


 どういうこと?のんのん先生はなにも言わずほほえんでいる……

 って、あっ!

挿絵(By みてみん)


 ぜんぜんぼくは気づかなかったけど、いつのまにか先生の手にはお得意の封縛テープがにぎられていて、それは怪物や行者、ぼくたちも含めて交差点を取り囲むように張り巡らされている。


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