アチラのお医者さんと行者さま11
「そうですね……なんでしょ、あれ?」
のんのん先生も初めて見るものみたいで、戸惑っている。
ベースは青いケモノのようなものだと思うのだけど、それになんだかいろんなものが混じりあっている。金属の機械部品みたいなものとか、プラスチックっぽいトゲトゲだとか、ねっちょりしたジェル状のものとかが、なんの統一性もなく交じりあってそこでうごめいていた。
「鵺や饕餮?……いや、あれらよりさらに寄せ集めだな。ぜんぜん混じった感じがない。キメイラより不揃いだ」
先生がゴチャゴチャ言ってるけど、ぼくにはなんだかわからない。
そのねっちょりぐちゃぐちゃのあやかし……というか怪物は、触手だかなんだかをふるって行者たちを襲うが、その攻撃はとても粗い。
対する行者と童子は見事な連係プレイで、怪物にヒット・アンド・アウェイの攻撃をあたえている。童子たちもふたたび傷つけられないよう慎重に攻めているようだ。
怪物は、理性も何も無く暴れるのに見境がない……って、ちょっと離れたぼくらのところにまで矛先が向いてきたよ!
気持ち悪い触手がグインとのびてきて、あぶない!
……と思ったら、その攻撃を防いでくれた影がある。
シロタヌキだ!するどい爪で触手を切り裂いてくれた。
「ダンナがた、だいじょうぶでやすか?」
「ああ、シロタヌキありがとう。それにしてもあの妙な『混ぜもの』に入っているのは……」
先生の声かけに、シロタヌキは
「……へい。あの青い部分はあっしの同胞……アオタヌキでさぁ」
苦しげに答えた。
「やはり、そうですか」
「アオらしき歯形が童子についてるのを見て、思わず後をつけやしたが、まさかこんなすがたに……。あっしが声をかけてもまったく届いてやせん……いってぇなんだってこんなことに?」
歯ぎしりする。
「……わかりません。わたしにもあんな混ぜものは初めてです」
「どうにか助けてやれねえもんでしょうか?」
シロタヌキがうかがうが、そのマゼモノ?と行者の戦いをじっと見つめたのんのん先生は、首をふる。
「残念ながら、わたしには手出しできませんね……行者さま!」




