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あやしの診療所―のんのん先生とぼく―  作者: みどりりゅう


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221/428

アチラのお医者さんとなぞの玉3の17

 顔をしかめたのんのん先生は

「取りうる手段は多くないですね……」

 なぜだかぼく、そしてジェームスを見る。


 いったいどういうことだかわからない。


「「……もうあきらめろ。われわれの責任だから、いっしょにこの世界の終わりをむかえてやる」」


「そんな心中しんじゅう、うれしくありませんよ」


 先生もリトル・グレイもただ途方にくれたように立ち尽くしていると


「――ああ、それか?」


 いつのまにか、その場にのっそりあらわれたのは……

 イワザルのガンジロウだった。


 ちょっと見ないあいだに結晶化がすごく進んでいた。ほとんど透明な水晶みたいだ。

 もうカチコチに固まりきりつつある体をぎごちなくひきずって、まっすぐに銀の玉……世界に近づくと、先生からそれをひったくる。


「ガンジロウ!どうする気です!?」


「……こいつはオレが始末するものらしい。それでよばれた」


「よばれたって……まさか、あなたそれをひとりで?」


 先生とサルの会話は意味が分からない。


 銀色の異世界人にもわからないみたいだ。

「「なにものだ?それは?」」


 無口なサルはそれに答えず、だまってたまごを抱きかかえると

「――医者、あの子ザルは胃腸が弱いんだ。気をつけてやってくれ」


 最期にそう言いのこすと、老いたイワザルの体は見るまに透明な水晶になりきって、世界をすっぽり閉じこめた……

挿絵(By みてみん)

 そのすぐあと、たまごが破裂した(のが透明なおおいを通じて見えた)!


 それはすさまじい衝撃だったんだろう。音にもならない音、光にもならない光が透明の包み(くるみ)のなかで暴れくるうけど、そのすべてをガンジロウの透明で強固な金剛身はふさいで閉じこめきった。


 そのあとはなにごともない。近寄って見ると、透んだガンジロウのからだのなかに光る渦巻きがある。


 リトル・グレイがおどろいている

「「……信じられん。『ビッグ・バン』をおさえこむとは……。この世界の生きものはとんでもないな」」


 先生も

「――ええ、すごいですね。このイワザルは世界を救いました」


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