アチラのお医者さんとなぞの玉3の14
「どうやって取ってきたの!?」
それに
「だいじょうぶ?たまごがないのに気づいたら、クロハさんが追いかけてくるよ!」
おそいかかられてきやしないかと、教会のほうをふりかえる。
しかし、のんのん先生は
「それはだいじょうぶです。彼女は今、大事にたまごを温めているでしょう」
「ええ。あたしがちゃんとたまごをあずけてきたからねぇ」
おばさん鳥も、おじさん鳥とつばさをなであいながら言う。
どういうこと?
「カッコウという鳥はね。自分では子育てせずに、ほかの鳥の巣にたまごをあずけて育ててもらう習性があるんです。托卵と言うんですけどね。今クロハさんがあたためているのは、こちらのカッコウ夫婦のたまごですよ」
えっ?そんなことってあるの!?
おじさん鳥は
「たしかにどうせおれたちゃ、どっかの巣に卵をあずけるが、それにしたってあのカラス女相手に『取り換え子』をするのは難易度高いぜ。
おれが巣にいる親鳥を引きつけるためにするのは、あくまで擬攻撃なんだからさ。本気であのカラスとやりあうことになったら勝ち目ないもの。とんだハードワークで冷や汗かいたよ」
「そんなことないよぉん。うちの亭主は優秀だよん。あんたがひきつけてくれたから、あたしがばれずにたまごをすり替えられたんじゃないかぁ」
「そうかい、おまえ。うれしいね。お前こそすばらしい手並みだよ」
「あら、うれしいよん。あんたぁ。チュッチュ」
「チュッチュ」
また、ついばみあう。
そうか。ぼくが取ろうと巣に手をのばした時は、すでに取りかえられていたんだ。でも、よくそっくりにたまごをにせられるなあ。
「そりゃ、あんた。そこはあたしらの腕の見せどころだものねぇ」
「それにしたって、今回の仕事は大変だったな。もう二度とごめんさ」
カッコウのことばに、のんのん先生は苦笑して
「なに言ってるんですか。かつて妖魔族の宮殿に侵入して、王子のたまごと自分たちのたまごをとりかえるなんて、無茶苦茶をしたものたちが」
「――てへ。そんなこともあったねぇ」




