アチラのお医者さんとなぞの玉3の13
でもクロハさんの心の問題は、しかたないこととしても
「……あの銀の玉をほったらかしでいいんですか?クロハさんから取り返さないで」
ぼくの不安に、のんのん先生は顔をしかめ
「正面からあのカラス女性とやりあうとなったらおおごとです。なにせあのアチラモノは強力ですし、もし取り返したとしても一生うらまれます。おそろしいことですよ」
怖気をふるうように首をふった。
「じゃあ、いったいどうするの? ヒカゲモノは見捨てるの?」
「いえ。そういうわけにはいかないから、わたしは今回カッコウについてきてもらったのです……どうです?うまくいきましたか?」
クロハさんとやりあったずんぐりむっくりとしたおじさん鳥は、鳥っぽく首をかしげて
「そりゃ先生、まちがいないさ。なにせ『うちのやつ』ときたら優秀だからねぇ……」
そう言ってぼくのうしろ……植えこみを見ると、そこから音もなく現れ出たのは、おじさん鳥と同じく、地味な「おばさん」顔をした灰色の鳥だった。
「あんたぁ、やってきたわよん」
「ああ、おまえ。よくやってきておくれだねぇ。すてきな女房」
夫婦らしく、仲良さそうに抱き合うと、チュッチュチュッチュついばみあう。
「――それで『もの』はどうですか?」
先生の問いに、おばさん鳥は
「そりゃもう。ちゃんと、ここに持ってきましたよぉ」
そう言って、灰色のつばさのすき間から取り出したのは……
「あっ!銀の玉!」
まちがいなくさっき、クロハさんが抱きかかえていた銀のたまごだ!




