アチラのお医者さんとなぞの玉3の9
「……どうにかならない?」
「ならないわね」
こないだはコウモリから助けてもらった……そのカラスからまた食べられそうになるなんて、なんでぼくはこうもアチラモノの食欲をそそってしまうんだろう?
まずそうならよかったのに!
「そうね。ひなにあげる栄養になるんだから、あなたも本望よね?」
ホンモウじゃない!
「のんのん先生だって、ゆるしてくれるにちがいないわ」
かってなことを言いつのって羽根をひろげ、恐怖で体が動かないぼくに飛びかからんとするカラス女に
「――ゆるすはずないでしょう」
外から声がかかった。そして同時に
「アオ――――――ンッ!」
すさまじい咆哮とともに教会のボロボロの入り口扉が突き破られた。
そこに立っているのは、カムノヤマイヌのムサシだ!
そして、そのうしろにはきいろいあたまのお医者さんと空飛ぶトカゲがいた。
「先生!ジェームス!」
ジェームスは、すぐさまぼくのところに飛んでこようとするけど、のんのん先生がそれを止めた。
クロハさんの鋭い威嚇があったからだ。
先生は、あえてのんびりとした口調で
「……へえ、こんなところに巣をつくってたんですか。知りませんでした」
「先生、なんでぼくがここにいるってわかったの?」
ぼくはつかまっているという自分の立場をわすれて、ついつい聞いちゃった。
だって、ぼくは空を飛んでつれていかれた。ジェームスの追跡をかわしたクロハさんの後を追うのは、むずかしかったはずだ。
「ああ、それね。だから、わたしは今回『すけっと』をよんだんですよ」
そう言う先生のうしろに立っているのは、見たことない中年のオジサン「みたいなの」だった。
みたいといったのは、そのずんぐりむっくりとしたおじさんの両手がクロハさんとおなじく、鳥のつばさになっていたからだ。
「――てめえ、カッコウ!」
クロハさんが、にくにくしげにがなった。




