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アチラのお医者さんとなぞの玉3の6
クロハさんがぼくをつれさったのは、たぶんかむのの東の方だと思う、古いというか廃墟になった教会だった。
割れたステンドグラスのすき間から器用に入ると、ぼくをおろした。
屋根や壁もくずれてボロボロで、人の出入りはまったくなさそうだ。
「高架下が巣じゃなかったの?」
飛んでるあいだ、なにをたずねても黙りこくっていたカラス女は今度は答えてくれた。
「……あそこは、おおやけの巣だね。ここはほんとのプライベート・ネスト。のんのん先生でも知らない場所だ」
くちたマリア像が見守るように正面にある祭壇の上、その木の枝やハンガーでできたねぐららしきものに置かれてあるのは
「あっ、たま!」
ピカピカと銀色にかがやく球状のものが、そこにあった。
「あなたが持ってたの?」
そりゃ先生やぼくが探しても見つからなかったはずだ。探すための情報源が嘘をついていたんだから!
「ひどいよ!なんで、こんなことするの?先生に無駄足ふませてさ!」
先生に迷惑をかけたことをなじると、カラス女はちょっとくちばしをゆがめて
「……これはあたしの大事な子よ。母親のあたしが世話してなにがわるい?」
「こ?」
どういうこと?




