アチラのお医者さんとなぞの玉3の1
ガンジロウとスカーフ・グループの大闘争を見た翌々日、学校が終わるとぼくはジェームスといっしょに(今度はちゃんと一度家に帰ってランドセルを置いてから)コーポまぼろしに向かった。
そしたらとちゅう、診療カバンを持ったのんのん先生に会った。
「あっ、先生!」
「――やあ、ホウイチくん。奇遇ですね」
なんで知りあいと道でたまたま会うのって、こんなにうれしく思うんだろう?
たいしたことないのに、なんだかすごく運がいいことのように思うよね。
ちょうど先生も診療所にもどるところだった。今日も銀色の玉を探してたんだ。
「……オオバネズミの巣にそれらしいものがあるということで行ってみたんですけど、ちがいました。最初からちがうんじゃないかなとは思っていましたけど、やっぱりでしたね。
彼らは、その大きな歯で石を丸く削り出すのが生得の習慣なんです。たまに南米とかで見つかる、信じられないほど正確な球状に削り出された巨石ってのは、だいたい彼らの仕事です……」
ケガしたイワザルの治療もして、先生は忙しい。
ぼくもシチノスケに会いに行きたいけど、彼はいまガンジロウに放っていかれたと思って心が傷ついているから、そっとしておいたほうがいいと言われた。
ぼくとならんで歩く先生は、ため息をつくと
「……おかしいです。なにかがおかしい。こんなに空振りが続くだなんて……クロハさんからの情報で、こんなことは今までなかった……かむので起こったことで彼女の情報網からもれるだなんて、どういうことでしょう?」
そんなこと、ぼくにわかりっこない。先生に合わせて、もっともらしく首をかしげるだけだ。
「せめて、その銀色の玉とやらの正体がいったいなんなのかハッキリわかればいいんですが。リトル・グリーンはそのあたりをどうもぼやかすものだから……彼ら異世界からのアチラモノとの意思の疎通はどうもむずかしい。
そもそも、彼らはほんとうにその宝とやらを見つける気があるんでしょうか?」
どういうこと?
「まるで玉が見つからなければ、それはそれでいいという態度なんですよね。見つかろうが見つかるまいが『どっちにしろ、おもしろいことになるぜ』みたいな。なにせ彼らは根っからの破壊享楽趣味ですから、考えをつかむのもむずかしいんですよ」
おつかれなのか、ぼやいている。
「……まあ、なんにせよヒカゲモノはたすけないといけませんから、 なんとか見つける努力をしましょう。今日はグリーンたちがもう一度来ると言っていましたから、なにか手がかりを得たいところです」
そう言いながらつれだってコーポまぼろしに近づくと、ヘンな光景に出会った。




