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あやしの診療所―のんのん先生とぼく―  作者: みどりりゅう


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202/428

アチラのお医者さんとなぞの玉2の13

 でも、のんのん先生は他のことにおどろいたみたいだ。

「ほお……ガンジロウのやつ、はたかれたとき子ザルをかばいましたね。ほんとうに守ってる。あのサルがほかのサルにそんな気配りみせるなんて、意外です」


 そうかもしれないけど、いまはそれどころじゃないんじゃない?あんなのが相手じゃ、シチノスケごとペシャンコにされちゃうよ!


 そんなぼくのあせりに、先生は

「ふむ。そりゃ戦隊モノのロボットとかなら合体した方が強いでしょうが……現実は必ずしもそうとはかぎりませんよ。特に、アチラモノの場合はね」


 スカーフの群れで出来たサルダンゴは、ふきとばしたガンジロウ(と背負ったシチノスケ)を追いかけ、とどめをささんと大きなこぶしをふりかぶる。


 その動きを見たガンジロウは、とっさにシチノスケをつかんでよそになげとばした。


「――おじさん!」


 そして自らにふりおろされるサルダンゴの大こぶしに対して……

 なんと!そのちいさなこぶしをつきあげ、向かえ打つ!

 

 ゴオオオ――――ンッ!

 

 まったく大きさの異なるふたつのこぶしが激突すると、ガンジロウの体は地面にめりこみ、土煙にかくれて見えなくなった。


 やっぱし、だめじゃん……そう思った次の瞬間!

挿絵(By みてみん)

 砕け散ったのはなんと大猿……サルダンゴの方だった!

 うごなわっていた大勢のサルたちは木っ端みじんにふきとばされ、それぞれ起き上がることもできない。


 立ちこめる土煙がはれると、クーデター状にへこんだ地面でそのちいさなこぶしをかかげ立っているのは、小さな白い猿だった。


「……さすが、えげつないですね。金剛身のガンジロウ」


「コンゴウシン?」


「ええ。彼はイワザルのなかでも特別に硬い体を持っています。たった一頭で群れひとつ……サルダンゴの衝撃に打ち勝つなんて、冗談みたいな硬さですけど、ほんとにそうなんだからしかたないですね。まあ、彼の苦労もその硬さゆえですが……」

 そう解説しながら、のんのん先生はじっとガンジロウを観察している。


「――ヘンッ!ざまあ見やがれ、この青バエ野郎どもめ!おじさんにさからおうなんてするから、こんなことになるんでい!」

 子ザルのシチノスケはよろこび勇んで、キャッキャッ飛び回りながらガンジロウに駆けよる。


「やったね、おじさん!おいらたち勝ったね!」

 そう言って、飛びつく子ザルを


 バシッ!

 はねつけたのはガンジロウだ。


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