アチラのお医者さんとなぞの玉2の13
でも、のんのん先生は他のことにおどろいたみたいだ。
「ほお……ガンジロウのやつ、はたかれたとき子ザルをかばいましたね。ほんとうに守ってる。あのサルがほかのサルにそんな気配りみせるなんて、意外です」
そうかもしれないけど、いまはそれどころじゃないんじゃない?あんなのが相手じゃ、シチノスケごとペシャンコにされちゃうよ!
そんなぼくのあせりに、先生は
「ふむ。そりゃ戦隊モノのロボットとかなら合体した方が強いでしょうが……現実は必ずしもそうとはかぎりませんよ。特に、アチラモノの場合はね」
スカーフの群れで出来たサルダンゴは、ふきとばしたガンジロウ(と背負ったシチノスケ)を追いかけ、とどめをささんと大きなこぶしをふりかぶる。
その動きを見たガンジロウは、とっさにシチノスケをつかんでよそになげとばした。
「――おじさん!」
そして自らにふりおろされるサルダンゴの大こぶしに対して……
なんと!そのちいさなこぶしをつきあげ、向かえ打つ!
ゴオオオ――――ンッ!
まったく大きさの異なるふたつのこぶしが激突すると、ガンジロウの体は地面にめりこみ、土煙にかくれて見えなくなった。
やっぱし、だめじゃん……そう思った次の瞬間!
砕け散ったのはなんと大猿……サルダンゴの方だった!
うごなわっていた大勢のサルたちは木っ端みじんにふきとばされ、それぞれ起き上がることもできない。
立ちこめる土煙がはれると、クーデター状にへこんだ地面でそのちいさな拳をかかげ立っているのは、小さな白い猿だった。
「……さすが、えげつないですね。金剛身のガンジロウ」
「コンゴウシン?」
「ええ。彼はイワザルのなかでも特別に硬い体を持っています。たった一頭で群れひとつ……サルダンゴの衝撃に打ち勝つなんて、冗談みたいな硬さですけど、ほんとにそうなんだからしかたないですね。まあ、彼の苦労もその硬さゆえですが……」
そう解説しながら、のんのん先生はじっとガンジロウを観察している。
「――ヘンッ!ざまあ見やがれ、この青バエ野郎どもめ!おじさんにさからおうなんてするから、こんなことになるんでい!」
子ザルのシチノスケはよろこび勇んで、キャッキャッ飛び回りながらガンジロウに駆けよる。
「やったね、おじさん!おいらたち勝ったね!」
そう言って、飛びつく子ザルを
バシッ!
はねつけたのはガンジロウだ。




