表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あやしの診療所―のんのん先生とぼく―  作者: みどりりゅう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

170/428

アチラのお医者さんとハンター24

 名前はもう決めてあるんだ。

 と言っても、それはさっき先生から聞いたばかりのことばだ。この子にぴったしだと思ったんだ。


「きみの名前は『ダット(脱兎)』だよ。すぐ、ぼくの腕からぬけだしちゃうからね」


 そう言った瞬間、ウサギから空気をふるわす衝撃が発せられたように思ったけど、気のせいかな?

挿絵(By みてみん)

 ハンター・メアリーがちょっと白目をむいたように見えたけど、先生やジェームスはなんともなさそうだから、まあいいや。


 ダットは、なにも変わりなくぼくのむねにもたれかかる。

 ジェームスがそのまわりをとんでる。


 どうせ

「――よかったな。これでお前も私の仲間だ。とはいえ、あんまり大きな顔するなよ」

「――あざーっす、パイセン。こっから、おねげーしまっす!」

 みたいなやりとりをしてるんだろう(想像)。


「どうやら、彼はその名を受け入れたようですね。よかったよかった」

 先生は安気あんきにわらうと、おしだまってるハンターに対して

「メアリー。ホウイチくんが赤い妖魔に名前を付けたということは他言無用でねがいますよ。さすがに、やっかいごとは広めたくないからね……。『ダット』という名は、彼自身が神にでも授かった、ということにしときます。その方がいいでしょう?」


「……はい。もちろん会長には報告しますが、あの方がそれ以上情報を広げることはありえないでしょう。まさか三大魔獣の一柱が名づけされただなんて……そのこどもに核のボタンを持たれたようなものです。そんなこと、おそろしくて一般に公表できません」


 意味わかんないことばっかり言うな。


「大げさにとらえなくていいですよ。アチラモノがコチラに友人をひとり得ただけです。それどころか、ホウイチくんがいたからこそ『赤い妖魔』……いや、ダットはこれぐらいですましてくれたのです。本気で彼が怒っていたら、今ごろこの一帯はどうなっていたか……わかってるでしょうね?」

 のんのん先生のことばに、


 ハンターは恐縮しきりで

「た、たしかにそうです、返すことばもありません。われわれ狩道会としてはあなた、そしてそちらの助手くんには大きな借りができてしまいました」


「ほんとそうですよ。今となっては菓子折りを持って、あなたがたのところにあやまりに行ったのがバカらしい」


「……まあ、そのあたりは会長がなんらかの対応を取られると思いますので、ご容赦を」

 メアリーさんはいったん狩道会に報告するため、ハンター・エリザベート……ベティーさんを診療所にあずけたまま去った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ