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あやしの診療所―のんのん先生とぼく―  作者: みどりりゅう


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アチラのお医者さんとハンター4

 うーん、じゃあ本人じゃないよね。

 ぼくも火葬場でおばあちゃんの骨拾ったことあるけど、あそこからもとにはもどらない。


「……でも、それってどういうこと?その銀狼先生にそっくりな新闇流の使い手が、ほかにいるってこと?」

「いや。あれは他人の物まねとかそういうのじゃない。銀狼先生そのものだった」

 それはどういうことだろう?まさか……


「この前、坂上さんがやっつけたフェイクってことかな?」

 鵺郎博士が作ったあのニセモノは、かむのじゅうのアチラモノに迷惑をかけた。坂上さんは自分のニセモノばなしに不快げな表情を見せたが、考えはしたようで

「……それなら、ありえるかもしれない。ただ、鵺郎博士が作ったあたしのフェイクは正直そんなに質が高くなかった。こういう言い方はいやだけど、あたしの実力の六割ぐらいしか再現できてなかったと思う」

 かむののアチラモノをこわがらせた切り裂き魔で六割……って、きみはどんだけすごいんだ、サムライガール。


「でも、さっきのはちがった。あれは銀狼先生の剣さばきそのものだった」

 うーん。となると……

「ひょっとして、死んだ人を生き返らせる術とかあるの?」

 突拍子もないことだけど、この街に来てからだと、そういう無茶もなんでもありそうに思えるんだよなぁ。


 しかし、坂上さんは首をふり

「完全な蘇生に成功したって話は、さすがに聞いたことがない。今のネクロマンサー……降霊術師にできるのは、せいぜい生前の情報を引き出す程度」

 やっぱしいるのか、ネクロマンサー。ゲームの世界だけじゃないのね。

「たしかに神話や伝説のなかなら『死者の復活』はあるけど……それらの伝承によると、復活には死者の現世に対する強い執着が必要だとされている。でも、銀狼先生はそんな執着を何も持たずに亡くなった」


 死者の復活か……そういえば、ちょっと前にそんな映画を見たな。

 その映画の中では、年老いた剣豪が自分の優秀な息子と元気なすがたで勝負したいがために、切支丹キリシタンの妖術で復活するんだ。

 もしかして坂上さんのお師匠さんにも、そういう剣の道への執念があったのかな?その思いが、同じく松風との再戦を望む村雨とリンクしちゃったとか。

挿絵(By みてみん)

 それを坂上さんに言うと

「先生はそんな方じゃない!最期のときに『あたしに流儀を残すことができて満足だ』とおっしゃってくださった!」

 その剣幕に、ぼくはおどろいて

「ごめんなさい。ぼく、よく知らなくて……」

 あやまると

「もおいい……先生の心のこり……いや、まさかあんなことでよみがえったりはしない」

 なにかあるみたいだけど、ぼくはもう聞かなかった。


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