表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あやしの診療所―のんのん先生とぼく―  作者: みどりりゅう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

127/428

アチラのお医者さんと刀とぎ5

 もし、あのときカラス女のクロハさんが助けてくれなかったら、ぼくは彼らに血を吸いつくされてカラカラになっていたかもしれない。


 今、あそこでのんきにUFOキャッチャーをしている中学生のおにいさんたちは、そのとなりにある筐体が、のんのん先生の秘密の物置だなんて知らないんだよな。


「このとなり……」

 のんのん先生は、このゲームセンターのとなりに研ぎ屋があるって言ってたけど……


「ここか?」

 いやだな、なんだか暗くて細い路地だよ。


 ここを奥に進むのか……前にハインリッヒたち野良猫のすみかに向かったときは、のんのん先生についていけばよかったからまだ行けたけど、今度は……

 本当は坂上さんに先に行ってほしいけど、さすがのぼくにも男としてのプライドがある。

 案内役ということで来てるのに、同級生の女の子に「先に行って」とは言えなかった。

 見栄を張らなきゃいけないんだ。


 しぶしぶあきらめて、ジェームスを抱きしめながら入ろうとしたら

「ひっ!」


 その暗い路地から、なにやら茶色いフードにおおわれたものが、ぬいっと出てきた。

挿絵(By みてみん)

 ――もおっ、やめてよ。急に暗がりから出てくるなんてひきょうだよ……って、坂上さんはなんにもおどろかず、しらっとしてるから、声を出したぼくがバカみたいじゃないか。


 それより、そのジェダイの騎士みたいなおおぎょうなフードはなに?

 すっぽり頭からかぶっちゃって、あやしさ満載だ。


 ハロウィンでもないのに、日本でそんなかっこうをしているものが、ふつうの人間だとは思えないけど……アチラモノの感じはしないんだよな。(まぁ、こないだの五行の精霊との接触以来、自分のコチラモノとアチラモノの見きわめには自信がなくなってるけど)


 ぼくは先生の教えどおり、なるべく見ず知らずのモノとは目をあわさないようにしたから相手にされないみたいだったけど、坂上さんはちがうようだ。


 少女とすれちがうとき、フードのくらい下で眼光がするどく光ったように見えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ