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 拝啓、名もなき私のヒーローさん。

 そちらはもう花が芽吹いていることでしょうか。それとも昨今の気象の変化により、まだ花は咲いていないのでしょうか。そんなこと、あなたは気にしないのでしょうね。それもあなたらしいといえばそうなのでしょう。そんなあなたのことですから、今日もその輝く笑顔で皆を救っていることと思われます。

 こうして筆をとったのは、一つお願い事があるからです。お願い、というには少し骨が折れるかもしれません。ええ、あなたを信じています。それはもちろん。

 あなたでもその顔をゆがめて舌を出し「やだね」と吐き捨てるような案件だとは事前に伝えておきます。

 私も最初は反対しました。ええ、しましたとも。けれど私のような若輩者の言葉など誰も耳に入れません。私を説き伏せようとする輩もいるほどです。

 もう一度言います、私は反対しました。けれどこううじうじと書き連ねていれば短気なあなたはこの手紙を破り捨ててしまうでしょう。それは困ることなので、単刀直入に、不躾ですが失礼して伝えさせていただきます。

 私のヒーロー。私の親愛なる友人であるあなた。



 私と、結婚を前提に死んでくれませんか。





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