女は度胸って言うよね?
今回短いです。
地下はもう、慣れっことか生意気言って、大変申し訳御座いませんでしたっ!
私が誘拐犯の仲間に今回連れて来られたのは、カビ臭くジメジメとした地下牢でした。
王城の清潔感溢れる地下牢と違い、ここは本物の地下牢だったみたいです。
見るからに不衛生な壁、床、天井………。
自慢じゃないけど、日本の現代っ子ナメんなよ?
こんな環境じゃ、2日と経たず病気になるよっ!
「あの……本当にここに入らなきゃならないのですか?」
私をこの地下まで連れてきた男に、質問してみる。
「何を今更?…もしかして怖じ気づいたのか?」
「怖じ気づいた……というか、この環境は最低なのでは?仮にも私はか弱い女の子なんですよ?」
私が抗議すると、男は怪訝そうな表情でこう呟いた。
「…………………………………………か弱い?」
何故そこを疑問系で聞き返して来るのだろうか?
しかもこのやり取り……王城の地下牢でもやった気がする。デジャブ感が半端無い。
「そのため、私は掃除道具の支給を要請します!」
「…………………………………………か弱い?」
チッ。この男……しつこいな。
何度も怪訝そうに繰り返されると、段々腹が立ってくるんですけど?
「何故2回も同じ事を聞き返す?そんなのどうでも良いから、早く掃除道具を持って来なさいっ!」
「ひっ……ひいっ!!」
私はイライラしてしまい、つい刺し殺しそうな位睨み付けながら男に命令してしまった。
「分かった!すっ……直ぐに用意するっ!」
男はそう言うと、青い顔をして慌てて地下の空間から出ていった。
そんなに……私の顔が恐かったのだろうか?だとすると若干ヘコムわ……。
やれやれ………って、あれっ?あの男……牢のカギを閉め忘れてるんですけど?
…………えっ?これって罠か?
私がノコノコ地上に上がった瞬間、背後からズドンってパターンか?しかし…さっきの男はかなり慌ててたし、正真正銘ただの閉め忘れなのだろうか?
う~んう~ん……。分からない。でも逃げるならば決断は早い方が良い。
よし!決めた。女は度胸って言うよね?腹を括って足掻いてみるかっ!!
そうと決まれば、こんなカビ臭くジメジメとした地下になぞ、出て行ってやるからなっ!
私は薄暗いなか、急いで地上へと続く階段を駆け上がったのであった。
外と地下をつなぐ扉付近まで来た時だった、ドタドタとこちらに向かって走ってくる足音がした。
しまった!流石に薄暗いと言っても、この狭い階段ですれ違えば、確実にバレる………と、いちかばちかあれをやってみるか?
私は扉が開く方向の壁に、忍者の様に張り付いたその瞬間、バタンと、扉が開け放たれる。
うおっ!間一髪……間一髪セーフッ!!
男はそのままバタバタと走り去って行った。
もう躊躇ってる時間は無い。
私は急いで扉の陰から出ると、脇目も振らずに一目散に、暗い夜道を逃げ出したのであった。
勇敢さと無謀を取り違える。
でも大体やってみなきゃ、その選択が勇敢さだったのか、無謀だったのか分かりませんよね?
暗い夜道走り出した夜だったが、全く知らない場所なので、多分迷子コースです。




